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祝・ばなな姉貴の誕生日

今日24日は(眠りにつく前までが1日です!!!)私の永遠の姉貴こと、吉本ばなな師匠の誕生日である。師匠がこの世に生まれた必然性と、幸運にも同じ時代を共に生きるサバイバー同士であること、私のあぶなっかしい思春期を支え続けてくれたこと、いまだにたくさんの文章を届けてくれること、もう全てのことに感謝したい。

私が吉本ばななを師匠だと思う理由は、以前こちらに書いた通りだ。

明日は月曜日だというのにこんな時間まで起きてしまったので、今回は最近読んでピンときた「姉貴の言葉集」を勝手につくってみようと思う。



しょっぱなから非常に耳が痛い言葉だ。SNSのせいでついつい承認欲求が膨張しまくる我々だけれども、本当の意味で「成功」している人は決まって自分の能力を還元している人なのだ、ということをつど思い出すようにしている。その意味では、自分が好きなものより「できること」を探したほうがよほど筋があっているように思う。遠回りしなくて良いし。

愛はムード、うつくしく澄んだオーラのような存在だと常々思ってきたのだが、それを私なんかより1億倍も適切な言葉で言い表したのがこちら。
愛といえば、雑誌『maybe!』の最新号「ビッグラブ」がとても良さそうだった。(まだ読了してない)数年前maybe!の特集で「恋愛ってなんだ?」をやったときとは大違いの内容だった。恋愛ロマンスによらない「愛」にアプローチしていく内容でした。雑誌の良さってこういうところですよね。
時代は刻々と変わっていくもんだ。

2日も3日も同じメンバーでツアーをしていると、男女の別も仕事もないところで、疲れのせいか妙にハイになってくるだろ?帰りの車内で別れがたくて、やけに陽気になったり、何を話しても面白おかしくて、こっちについてもそいつらの存在感がまわりに残像みたいに漂っていて、翌朝ひとりで目覚めた時、あれ?あの人達は?とねぼけて朝日の中で切なくなったりするだろ?しかし、まあ大人は、それが過ぎちゃうから美しいっていうのを肝に銘じて生きてるじゃない?真由は(中毒で死んだ主人公の妹)違った。それを1ぺんでも感じたら、責任持って続けなくちゃいけないと思い込むような不器用さがあった。しかも、あらゆる好意の中で、その感じこそが恋だと思っていた。

『アムリタ・上』

この感覚、学生の頃に読んだ時はピンと来なかったのに、今読み返してみるとわかるところがあってびっくりした。
ハレとケのバランスが取れなくなって、だんだん曖昧になって身を滅ぼしていく感じがよりリアルにわかるようになっていた。この中毒で死んだ真由の職業は女優。「ああ、」と思った。そういう危なっかしさ、どっぷりと感覚に浸かれる諸刃の剣のような能力を女優が持っているのはとても想像がつく。

Q「もうこんな歳なのに」と思うと、周りの人と自分をつい比べてしまって、いろんなことに自信が持てません、ばななさんは、自分の年齢とどんなふうにつきあってきましたか。人と自分を比べないコツみたいなものがあれば、知りたいです。
 A その歳にしかできないことってあるんだな、と思うことです。きっと十年後の私は、今の私を「若かったなあ!」と思うのです。だから今しかできないことってなんだろう?と考えるのが楽しいです。

『「違うこと」を、しないこと』

何かにつけて「後悔」する人の気持ちが全くよくわからない。私も、「その歳のその瞬間には、それしかできなかったのだからしょうがないじゃん」と思ってしまうタイプだ。

昔、雰囲気にも言葉にも行動にも後悔しか語れない男がいたのを思い出した。後ろばかり向いて後悔を口から垂らし、今この瞬間をことごとく掴み損ねている幽霊みたいな人だった。多分彼にはそれがライフワークなのだ、とさえ思った。そいつにこの言葉を100回くらい聞かせてやりたいところだが、どうせ聞かせてやったところで変わりはしないだろう。人って変わらないし。

だそうです。それならもういよいよ仕方がないよね。ちなみに、ばななフリークである私もこの本は見たことがない。こんなにストレートに言っているのはレアだ。

師匠の誕生日を祝うnoteの最後を金玉で終わるわけにはいかないから、同じラインにあるこの格言を置いて終わることとしよう。
モテるを「もてる」と書いた人は私の中で姉貴がはじめてだ。カタカナをひらがなに変えただけで、こんなにも上品になるだなんて、と毎度思わされる。
私はこれを読んでからいつも、「自足」と「自立」のちがいを考えている。「自足」は自分で自分の始末をするというか、お世話する、という意味なのかもしれない。自給自足の自足。

これでなんとなく、私が吉本ばななを姉貴・師匠とあがめる理由はお分かりいただけただろうか。今までもこれからも、きっと彼女の作品は私のバイブルでありつづける。あまりにもまやかしが多いこの世でなんとかバランスをとるための、唯一無二のツールなのだ。好きを通り越した師匠の誕生日を、心からお祝いしたい。感謝を申し上げたい。

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