見出し画像

8/4(金)日記

*夏休みを「決めた」

うちの会社は夏休みを各自で5日間、自由にとれる仕組みになっている。
まとまってとってもよし、毎週金曜日にとって1.5ヶ月毎週3連休にするのもよし(最高)。

今年はどうしようかと考えた結果、9月の中旬にまとまってとることにした。夏休みを「決める」って、なんだかワクワクする響きだ。

9月にしたのはお盆のピークを避けたかったのと、暑い時期にごちゃごちゃ動くのが嫌だったから。子どもの頃、よくもあんなにアクティブに動けたなと思う。昼を「暑い」と感じたことがなかった。汗をダラダラにかいても、不快感さえもなかった。それよりも目の前のこと、平日に出歩く街や人のいない学校のプールが楽しくて楽しくて。夏の心地よい疲労感は、昼寝の良い睡眠導入剤となった。
今となっては暑さが自分の行動を制限する存在になってしまった。

そんなことはさておき、長期休暇にすることといえばそれはもう、愛郷・広島に帰ることしかない。帰ったとて何をする訳でもなく、相変わらず毎日家で飲むだけなのだが、数ヶ月に1回こうして広島の風を浴びることで東京の暮らしのあれこれがどんなに辛くても「ここに帰ってくるために頑張っているのだ」と奮い立たせることができる。

やっぱり恋しくてたまらないよ。
試合のある日の21時になると、電車の中がユニフォームで真っ赤に染まる光景が。街角で聞こえる「〜じゃけぇ」という方便が。街のいたるところに埋まっている、10代の記憶が。

*立ち飲みを好む人

「立ち飲みでもいいよ」という心の広い人は稀にいるが、「立ち飲みがいいんです」という人は一度も見たことがない。お酒が入ると身体はだるくなるのに、立ったまま楽しく飲めるのだろうか? 立ったままだと、なんとなく相手との距離感も縮まらない気がする。

私は少し身長が高いので、居酒屋の立ち飲み用机は若干低く感じてしまう——というか、私がそうなら男性陣はほとんどみんな低く感じているのでは!? 立ち飲みって、男性のサラリーマンが愛用しているイメージなんだけど。

などと色々考えながら、目の前に見えた「かぶら屋」というチェーンの居酒屋で、やはり立ちながら華金を謳歌しているサラリーマンを眺めていた。

*厚意の反故

再びレジの話。

コンビニなどへ行って一気にビールを4本くらい買う時、だいたいはビニール袋に入れて帰る。「私の手元の袋には、冷えたビールが4本も入っている!この夜は無敵だ!ガハハハハ!」と心で叫べるからだ。

レジで聞かれることといえば主に2つ。
「袋はいりますか?」「ポイントカードはよろしかったでしょうか?」

ポイントカードは性格上つけられないので、場合によって答えが変わるのは「袋はいりますか?」の方の質問のみとなる。

だからレジ袋を買う場合、ここぞとばかりに私は回答に注意を払う。だってポイントカードの質問はいつも「いいえ」なのだから。レジ袋を買う時は、私なりの配慮でレジに着いた瞬間に「袋、お願いします!」と大きな声で言うことにしている。「後からいちいち聞くのも面倒だと思うから、先に私から言っておきますね」という配慮のもと。

店員さんは「はーい」と言いながら、同時進行で4本のビールのバーコードをかざす。そして何事もなかったように、絶対に皆んな口を揃えてこう言うのだ。

「レジ袋、いりますか?」

もはや毎回なので慣れてきてはいるが、それでもやっぱり一瞬「はい?」と思い、小銭を出す手が止まってしまう。

「さっき言ったのに…」
「声小さかったかな…」
「さっきの『はーい』という返事、なんだったんだろう、自動的に口から出たのかな…」
「私の厚意、また受け取ってもらえなかったな…」

そんなことを思いながら、私はボソッと頼りげなく
「アッ、ハイ……オネガイシマス……」と言うのである。

今私の頭の中でもう一人の私が「ケッ、お前は自分の厚意に見返りを求めすぎなんだよ!!!」と笑ってくる声がした。いやいや、ちゃうやん。せつないんだよ。こちらの配慮がスルーされることが。配慮が「配慮」足りえなかったことが。

そんなことを頭の中でひとり会話しながら、私は今日のコンビニを後にした。

今日の写真は長野取材で駅のホームにいた「追憶」という題名の彫刻。
この謎な裸婦像を見るたびに、みうらじゅんが命名した「ヌー銅」を思い出す。


最後まで読んでくださりありがとうございます。 いいね、とってもとっても嬉しいです!