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市場規模やトレンド、マクロ的観点から見るコーチング

株式会社メタメンターの小泉です。
今回はコーチングをあまり知らない・受けた事がない人向けに、
僕が次の人生をベットしようと思い至った、そんなコーチングの世界を3部構成程度に分けてお伝えしたいと思います。今回はマクロ的観点から見るコーチングについてですが、次回以降は以下のテーマで考えています。
  第2部:コーチングの効果って?投資対効果は?
  第3部:そもそもコーチングって?具体的に何をするのか

📝この記事でわかること
 ・コーチング市場のトレンド
 ・コーチング市場の市場規模
 ・コーチング市場の構造変化
👫想定読者
 ・コーチング事業の成長可能性に興味がある人
 ・コーチングを知らないけど興味ある人
 ・コーチングを受けてみたいけど、踏み切れない人


コーチング市場のトレンド

コーチング領域で起業します、というと「最近流行ってるよね」か「コーチングって何ですか」の大きく2分されているような印象を受けます。
前者は昨年ビジネスコーチさん、コーチ・エィさんというコーチング市場の礎を築かれた2社が上場したこともあるでしょうし、スタートアップでコーチングを提供する会社、利用する会社が増えてきたからかもしれません。この辺りはCoachEdさん、mentoさん、zappasさん、THE COACHさんなどの貢献が大きいと思っています。

ただ、事実を確認していくと、コーチング心理学概論によると、コーチングが導入されたのは2000年前後のようですが、

コーチ・ユー(Coach U.)は1997年に、CTIは2000年に日本にも導入された。 (中略) コーチングが日本の実業界で注目されたのは、1999年に日産自動車のCOO(のちにCEO)に就任したカルロス・ゴーン(Ghosn,C.)がコーチングを用いて同社の組織風土改革を進めた(安倍・岸,2004)ことが影響していると見られている。米国では主に個人を対象としていたコーチングが、日本では組織活性化のための管理職研修という形で広まったのはこのことと無縁でないだろう。

西垣悦代ほか編. 「コーチング心理学概論-第2版-」. 『コーチングの創世記』.ナカニシヤ出版, 2022, P17

実は、Googleトレンドでは、2004年の方がピークだったりします。

Googleトレンド「コーチング」で検索

直近では微増していますが、それでもピークを下回ってます。
ここに仮説を持っていまして、現在企業(主に大企業)で意思決定する層は20年前にコーチングを導入した経験や検討した経験がある方達なので、現在継続していないor導入していない場合、当時の懸念点を払拭しないと響かないのではないかなと思ってます。
ということで、スタートアップが導入しているのは、当時のイメージがないフラットな観点で導入しているのかなと考えています。
(ただ、やっぱり先人たちが導入して継続していない理由を考えないとスタートアップも同じ結末になってしまいそうです)

コーチング市場の市場規模

コーチングの市場規模について、日経新聞では以下のような説明がありました。

調査会社のIBISワールドの19年の調べでは、米国のビジネスコーチング市場は約150億ドル(約1兆6千億円)に達する。
(中略)
コーチング大手のコーチ・エィ(東京・千代田)によると日本市場はまだ300億円程度だが、成長基調にある。

「課題解決に柔軟思考 コーチング、米では1兆円市場」, 日本経済新聞 , 2020/5/8

日本は小さいな、そしてアメリカは日本の50倍だなって思われるかもしれませんが、コーチ・エィとIBISの原典となるレポートをよくよく見てみると別の感想を抱きました。

まずは、コーチ・エィのレポートによると日本のコーチング市場ですが、2015年は50億だった市場が2019年には300億に成長しているということでCAGRは56%ということになり、中々の成長産業と言えそうです。

一方、IBISによるアメリカのコーチング市場は、コーチング単体ではなくいわゆる日本における法人向け人材開発(研修)市場と同義だということがわかりました。純粋なコーチング市場については国際コーチング連盟(ICF)のレポートの方が実態に近い気がしていて、試算をすると約1,500億ぐらいの市場という事がわかりました。

つまり、ここまでの検討をまとめると下図のように表現できるかと思います。

各種レポートを元に筆者作成

どのような事かというと、以下が言えると思っています。

・国内コーチング市場は現状小さいものの、CAGRで見ると成長可能性が高い
・少なくとも人材開発市場と同規模水準(アメリカ対比2倍程度)までは伸びそうなので、1,550億の1/2倍の700億ぐらいまでは見通せそう
・人材開発市場はCAGR1.6%であるが、Well-being経営、リスキリング予算増や人的資本開示の義務化などが進むとこの市場自体はもう少し伸びそう

コーチング市場の構造変化

また、加えて市場の成長可能性が高い理由を以下の環境の構造が変化していることからも説明できると思っています。

筆者作成

元々は、大量生産・大量消費で成長してきた高度経済成長時の日本は左の要素がうまく噛み合い成功を納めました。マネジメントスタイルとしても、決められたことを決められたように実行していれば成果が出ていたので、求められるのは画一性や正確性でした。

しかし、労働人口減少やコロナに直面し、不確実性の高い時代となった現代においては、左から右に求められる要素が変わってきています。
マネジメントスタイルも決められたことをやってもらっていれば良かった時代から現場に考えてもらう必要が出てきたり、現場の納得感が求められるようになってきたのではないでしょうか。

つまり、従来はコーチングのような「本人の自己認識能力を高め、本人の成長ひいてはその組織の成長を促すようなアプローチ」は一部の層(エグゼクティブ層)にしか求められていなかったところが、より現場に近いリーダーや現場のメンバーそのものにもコーチングが求められるようになっていくということです。純粋にコーチング対象者が増えるのでこちらも市場拡大の可能性の一助になるでしょう。

市場成長の見通しとしては明るいのはわかった。
でも、なぜ20数年前に導入されていたコーチングがそこまで普及していないのか。もちろん上記の構造的な問題もありつつ、本質的な課題もはらんでいると考えています。その辺りは次回のコーチングの定量的研究から見ていければと思います。
個人的には長期トレンドとしては来るのは間違いないと思ってますが、時間軸的には4-5年掛かるのではと思っているので(まだ爆発的な成長はしない)、4-5年後に花開くようにじっくりと生き延びるような仕掛け方が重要かなと思ってます。

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