仁藤二郎

REONカウンセリング代表(岐阜市)、ウェルネス高井クリニック心理士。奥田研究室所属。…

仁藤二郎

REONカウンセリング代表(岐阜市)、ウェルネス高井クリニック心理士。奥田研究室所属。行動ウェルネス研究会共同代表。臨床心理士、公認心理師、専門行動療法士、保育士。応用行動分析学に基づいて精神臨床領域にて活動。クライエントや実践家に向けた記事を投稿しています。

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投稿記事のコンセプト

私は、普段、精神科クリニックと私設のカウンセリングオフィスにて心理相談をしています。この領域で働き始めて20年が経過しました。普段の仕事は、当事者本人へのカウンセリングや保護者や学校の先生、企業の人事担当者へのコンサルテーションなどの相談業務が中心です。 ただ、これまで何千人の方から相談を受ける中で、全く同じ悩み相談を受けたことはありません。当然と言えば当然ですが、生き方、考え方は十人十色です。 悩みも考えも十人十色 例えば、同じ診断名でも、症状や問題は十人十色です。

    • 電子メディアの弊害(その1)

      突然ですが、この記事の読者が子育て中の親であれば、(あるいは、過去に子育てした人、これからする人でも)、今から育てるお子さんを、どんな青年に育てたいでしょうか? どんな大人に成長してほしいと思いますか? ① 勉強熱心で努力家。自分で朝起きて登校し、勉強に取り組むような小中学生 ② 勉強嫌いで努力も嫌い。朝が苦手でなかなか起きてこない。口癖は「面倒臭い」という小中学生 大抵の人が①を選ぶのではないでしょうか? 最近では、少子化傾向が顕著ですが、一人ひとりの教育費には年間3

      • IFTTTを利用して、特定の地域への出入りを自動で記録する

        この記事では、IFTTT(イフト)というアプリを利用して、特定の地域に入ったり、出たりした際に、その時間をGoogle spread sheet(スプレッドシート)に自動的に記録する方法を紹介します。 他の記事でも紹介している通り、REONカウンセリングでは、客観的な指標を使って「変化」を把握します。そのためには記録が必要となりますが、できるだけ記録の手間を省きたいとも考えています。そこで、イフトというアプリを利用しますが、Googleアカウント(Gmailアカウント)を持っ

        • Google ロケーション履歴で外出行動の自動測定

          REONカウンセリングでは、相談活動において、相談者ご本人の主観的変化(主観的満足)だけではなく、客観的変化も重視しています。それは、主観的な指標は、時に客観的指標と一致しないことがあるからです。 例えば、外に出ることが怖くて引きこもっている人が、外に出る回数が増えたとしても、「主観的な改善は感じない」と言った場合を考えてみましょう。その人に、客観的な指標の変化を示すと、「思っていたより改善している!」と、主観的評価も改善することがあります。一方で、2つの指標間のズレが解消

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        投稿記事のコンセプト

          精神科領域において、不安や気分の報告に依存することの危うさ

          以前の記事で、精神科系の薬物の臨床試験の効果検証は、「ほぼ患者さんの自己報告」という点が問題だと書きました。実際には、臨床試験だけではなく普段の診察場面においても自己報告です。 患者さんが、自分の症状や身体の痛みなどを訴えるという点では、どこの診療科でも最初は自己報告なのですが、その後にレントゲンや採血など客観的判断が可能となるように検査をします。でも、精神科領域では、最初から最後まで自己報告なのです。特に、不安や気分についての報告を基に診察が行われ、処方が行われています。

          精神科領域において、不安や気分の報告に依存することの危うさ

          場面緘黙への対応

          家庭では話せるのに、外に出ると急に話せなくなるお子さん。幼稚園や保育園から帰って家に入ると急に話し出すお子さん。そういった場面緘黙と呼ばれるお子さんは、1%未満という報告が多いものの確かに存在します。そして、発症は幼稚園や保育園に入る2歳から5歳が多いとされている一方で、「様子を見ましょう」で済まされてしまうことが多いのも確かです。そんな場面緘黙症のお子さんに対しては、早い時期に対応するほど、早い改善が見込めます。そのためには、関係機関との連携が欠かせませんが、そのための保護

          場面緘黙への対応

          精神科医療の問題点

          この記事には、精神科や心療内科であたりまえのように行われている薬物療法の「長期投与」「多剤併用」「薬の効果」について問題提起し、メンタルヘルス関連の悩みや困りごとを抱えている方に、薬物治療以外の選択肢を検討するきっかけにしていただきたいという願いが込められています。 投与しても効果のない薬を飲み続けることに警鐘を鳴らしていますが、薬そのものを否定するものではありません。私もこれまでの人生で何度も薬の恩恵に預かってきた一人です。つまり、薬を極端に否定するわけでもなく、盲目的に

          精神科医療の問題点