本当に必要なのは「ふつうの相談」では?
こんばんは! レオ・エースです。
連休明けのお仕事に、普段よりもどっと疲れを感じた1週間でした。
寒暖差がきつい地域もあったと思いますが、みなさんいかがお過ごしだったでしょうか。
以前もお話ししましたが、私は普段は相談支援専門員として業務をしています。しかし、ただ日々の業務を行っているだけだとマンネリ化していってしまうので、時々以前読んだソーシャルワーク理論の本を読み返したりしています。そうすると当然、「~理論・モデル」とか「~アプローチ」とかの解説が書かれているわけです。ソーシャルワーカーとしては、そうした理論に基づいた実践をすることが求められています。
理論やモデル、アプローチ方法とは
最近よく考えることがあります。
「ソーシャルワークの理論やモデルって、何なのだろう」ということです。
自分なりの見解をいうと、ソーシャルワークの理論やモデルとは、実践の中で「こうするとうまくいった」「こうすると問題が起こりづらい」というベスト・プラクティスが結実したものだと思っています。
もちろん、そうしたやり方は全てのケースに当てはまるわけではありません。それでも支援に行き詰った時には、参考になることは間違いありません。
でも、どうでしょうか。
普段の実践でこうしたソーシャルワークの理論やモデルを強く意識して業務をすることがあるでしょうか。傾聴するとか、非審判的態度を維持するとか、ピンポイントな面接の注意事項は意識できていますが、「ナラティブアプローチ」を意識するとか、「問題解決アプローチ」を実践すると強く意識しないとなかなか難しいのではないでしょうか。
自立生活援助の支援で感じていること
私が所属する相談支援事業所では、計画相談だけでなく自立生活援助のサービスも提供しています。「自立生活援助」とは、月に最低2回は訪問(基本は毎週)して、地域生活を送る障害当事者の相談に応じたり、困り事の解決策を一緒に考えたりするサービスです。
計画相談だと数カ月に一度の訪問となり、「忘れたころにやってくる人」のような印象でそれほど関係は深まらないように感じています。(少なくとも私は)
でも、自立生活援助で頻繁に訪問していると、自然と互いの「困り事でないこと」も深く話をするようになってきます。私の肌感覚だと、単に計画相談だけで入っている利用者よりも、自立生活援助で関わっている利用者の方が信頼関係は確実に強いと感じています。
こうした経験から、私は、「障害当事者の方が本当に必要としているのは、福祉サービスや生活の困り事の相談ではなく、なんでも話し合えるふつうの人間関係なのではないだろうか」と思っています。
それは、きっと専門的な見地からの相談支援ではなく、はたから見たら何でもない「ふつうの相談」なのではないでしょうか。
このところ日本では災害が続いています。各地で地震が続き、その後の生活再建もままならない状況です。コロナ禍の制限された生活も災害といっていいと思います。そういう状況になったとき、人は「ふだんの生活を続けられることって、なんて幸せなことなのだろう」と感じるのではないでしょうか。
私は、障害当事者がリカバリーするために必要なことのひとつは、何気ない「ふつうの相談」なのだと思います。専門性を取り払ったとしても、人として相対することが、生きづらさを感じている一人一人に必要なのではないかと思います。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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