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子供の言葉の不思議なちから

『さゆりちゃんのこと、愛しているよ!』
『さゆりちゃんは○○のこと、愛してる?』


私には、4歳の甥っ子がいる。
これは、甥っ子と公園で遊んでいる最中に、突拍子もなく言われた言葉だ。

突然のことに、相手が4歳児であるにも関わらず、しどろもどろになりながら、『もちろん、すっごく愛しているよー!』と返したことは、今となっては結構笑える。愛おしくなって、ギュッと抱きしめてしまった。


甥っ子とは、月一回のペースで遊ぶのだが、発する言葉や会話の内容が会うたびにアップデートされている。こちらが考え付かないような質問や反応が楽しくて、面白くて、毎度笑いが絶えない。

例えば、こんなこともあった。

甥っ子:「○○とさゆりちゃんが会うのは、今日で何回目?」
(突然の質問に、ん?と困る私)
私  :「数えてみてよ!ちなみに、○○が生まれた日とか、こーんなに小さい時にもたっくさん会っているはずだから、それも忘れずに数えてね!」
(フリーズする甥っ子)
私  :「えっ!まさか、覚えてないの!?」
(困り顔の甥っ子)
甥っ子:「・・・わかんなーい!」
(お得意の笑顔でうやむやに)

まさか、今までに会った回数を質問してくるとは。
ちょっといじわるしちゃったけれど、その場にどっと笑いがおきた。
こんなチャーミングなシーンもあれば、大好きな宇宙の話になると、

(宇宙ミュージアムの掲示物を見て)
私  :ねぇねぇ、土星の周りにある輪っかって何?知ってる?
(得意げな甥っ子)
甥っ子:知ってるよ!あれはね氷なんだよ!氷がたっくさんあるんだよなぁー!
(ほほぅ、と感心する私)

大人顔負けの知識を披露してきたりもする。




子供の言葉には、不思議な力があると思う。
どの言葉も純粋で、直球で、嘘がない。だから大人の心にスッと入り込んできて、笑顔になれたり、愛おしく思えたりするのだと思う。


私は今、『言葉』に魅了されている。その一方で、とても悩まされてる。
いざ言葉や文章にしてみると、正直な気持ちなのにどうしても自分の言葉にならない。そして、どこか薄っぺらい。(とよく言われる。)誰かの真似をして、感情が伝わるようにエモい形容詞をつけてみても、余計に分かりづらくなる。逆に無駄なものをそぎ落としてみても、短絡的な言葉に見える。
うーん、、、難しい。奥が深いから、やっぱりおもしろい。


***


ちなみに、甥っ子に何歳まで一緒に遊んでくれる?と問いかけたら、
どうやら17歳くらいまでは一緒に遊んでくれるとのこと。
指きりもしたから、きっと本気にしていいんだよね…?
どんどん成長する甥っ子をほほえましく思う反面、これ以上大きくならないでほしいなぁーとも思う、叔母なのであった。

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