見出し画像

レンティオのサービスロゴが生まれ変わりました

はじめまして。レンティオ株式会社デザイナーの黒田です。( @kr_YN8 )

先日9月1日、レンティオサービスロゴが新しく生まれ変わりました!

このロゴ刷新プロジェクトは、パートナー会社にも協力いただきながら、実に1年以上の歳月をかけた大規模なものとなりました。
この記事では、本プロジェクトにおける制作プロセスや、途中で生まれた気づきについてまとめていきたいと思います!

はじめに

画像1

レンティオは、2,800種類以上のカメラ・家電が気軽に試せるサービスです。
全国往復送料無料でお届け、レンタル商品が気に入ればそのままスマホから簡単にご購入いただけます。

短期間だけ使ってみたいカメラやドローン、実際に購入する前に自宅で一度試しておきたいキッチン家電や掃除家電など、幅広い商品のお試しが可能です。

ロゴリニューアルの概要

リニューアルに至った理由

画像3

2015年のサービス開始から現在まで、このようなサービスロゴを使ってきました。

6年間を共にしてきたのでこのロゴに対する愛着も大きいのですが、レンティオのサービスが拡大するにつれて、徐々に「課題」も見え始めていました。

ロゴのあり方について
旧ロゴは、実は創業時に急遽作られたものであり、レンティオの方針や独自性、お客様や社会へのあり方などがしっかり反映されている、とは言い切れないものでした。

当時と比較すると現在では、自分たちのサービスの価値というものがはっきりとしてきたこともあり、それらをきちんとデザインへと落とし込み、「サービスの顔」として機能するロゴへと刷新しても良いのでは、という声があがっていました。

ロゴデザインそのものについて
旧ロゴには明確なモチーフが無いため、ユーザーに覚えてもらいにくいのでは?という懸念点がありました。
また、線が細く明度も少し薄めなので柔らかく親しみやすさはあるものの、他社のロゴと並んだ際に少し埋もれてしまうのも気になるポイントでした。

これらの課題感から、ロゴ刷新プロジェクトがスタートしました。

リニューアルの目的の制定

ロゴの刷新によって達成すべきゴールを決めるところから、本プロジェクトは始まりました。
創業メンバーにもヒアリングしながら、

■旧ロゴの課題が解決されていること
■レンティオ本来のミッションが伝わること

まずはこの2点を軸に置いて進めていくこととなりました。

そもそも、レンティオのミッションって?
 ー “Rent to own” の手段を提供すること
これまでの買い物といえば、「買う」「買わない」のどちらかを決断するのが当たり前でしたが、レンティオは、「買わないで使う」という新しい価値観を提供しています。

まずは試しに使ってみる。そして必要だと思えば購入するし、不要だと判断すれば返却する。
買い物の失敗を減らせるだけではなく、製品の過剰な生産も徐々に抑えられ資源が守られることにも繋がる、この“Rent to own”という手段を世の中のスタンダードにすること。それが、レンティオのミッションだと考えます。

画像2

方針の決定
旧ロゴに対する課題感と、上記ミッションを合わせて考えた結果、具体的には以下の方針で進めていくことにしました。

■新しい体験を提供しているサービスだと伝わること
覚えやすく、だれでも描けるシンプルなもの
流行にとらわれない、長年使えて愛着の持てるもの(信頼感/王道感)
他社のロゴと並んでもしっかりと見える力強さのあるもの

個人的に、初めにこのような方針を全員の共通認識として決めておいてよかったな、と強く感じています。
というのも、出来上がったデザインに対して「なんか、しっくりこない...」「これじゃない気がする...」となってしまうことが稀にあるかと思うのですが、そんな時に一度立ち戻って見直すための評価軸になるからです。
きちんとした方針があるおかげで制作物に一貫性も出ますし、メンバーが向いている方向も統一されて、議論もしやすくなりました。
特に4つ目の「他社のロゴと並んでもしっかりと見える力強さのあるもの」という指標は、実際に他社ロゴの横に並べて配置しながら比較検討することもでき、「この企業と比べてこうだよね」といった議論にも発展していったので、それぞれの意見が出しやすくなった指標だったように思います。

制作チームについて
レンティオデザインチームにはロゴ刷新経験のあるメンバーが少なかったため、より深いCI・VIデザインの知見が必要でした。

そこで、本プロジェクトにはデザイン会社 Proximo さんに加わっていただき、ともに議論を重ねながら、決定していきました。
レンティオらしさをきちんとデザインとして反映するため、制作〜検討のフェーズを何度も繰り返し、リリースに至りました。

制作のながれ

一部抜粋にはなりますが、本プロジェクトの大まかな流れは以下の通りです。

ラフでの案出し、検討
まずはたくさんのラフを作り、良いと思ったアイデアやポイントを拾い上げつつ、新ロゴに期待するイメージを固めていきます。

画像4

画像5

前述した「リニューアルのゴール」を達成できるようなモチーフやオブジェクトをざっと出していきます。制作メンバーの共通認識として「レンティオらしさは残したリニューアルにしたい」という想いもあったので、このあたりを軸にしながらラフスケッチとしてアイデアを発散させていきます。

候補の絞り込み

整理・分類化
上記スケッチの中で見えてきたアイデアを整理・分類してデータ化しながら候補を絞り込んでいきます。

この時点では大きく分けると、以下のようなモチーフに別れました。

■ 旧ロゴのまま細部を調整したもの
「R」をモチーフにしたもの
レンティオが商品をお届けする際に使う「段ボール」や「テープ」をモチーフにしたもの
お客様に提供できる価値という意味での「ダイヤ」や「ハート」をモチーフにしたもの

画像6

画像7


フォントの選定
マークと並行して、フォントの選定も進めます。
「信頼感」「王道」といったキーワードからサンセリフで太め・かっちりとした印象のあるフォントをいくつか選定し、イメージに近いものを選んでいきます。

候補に上がったのはこちら。

- Avenir
- Futura
- ITC Avant Garde Gothic
- Univers
- Arial
- Norms

画像8

少し癖のある字形の方がユニークで印象に残りやすい反面、「長く使える」「王道のサービスらしさ」という側面から考えるとスッキリシンプルな方が適しているので、そのあたりのバランス感が難しく、たくさん悩んだ部分でもあります。
ただ、フォントだけ決めれば良いというわけではなく、セットで並ぶシンボルマークとの相性も考える必要があるので、一旦は 1.Avenir / 6.Norms に仮決めし、マークが決定した段階でまた改めて検討することとしました。


レンティオメンバーの反応を見る
発散させた案をざっくりと絞り込み、アルバイトさんを含めレンティオで働く全社員の前で発表、そしてそれらに対するフィードバックをもらいました。

制作途中の段階で全社員の反応を見るという工程を挟んだ理由としては、ユーザーはもちろんのこと、レンティオで働く社員にこそ末長く愛されるロゴにしたいという想いがあったからです。
工数が増えて、様々な意見が飛んでくるという点で大変さはありましたが、やってよかったステップだったな、と感じています。

画像9

画像10

具体的な進め方としては、このような評価シートを作り、初見で感じた印象を気軽にマークしてもらえるような形としました。

上記のフォームにはコメント自由記入欄も設けたのでロゴに対する多くの意見が集まり、制作チームの中だけでは出てこなかったような気づきも得ることできました。

画像11

特に、旧ロゴに対する熱い想いや愛着を持った意見が想像以上に多く寄せられ、メンバーそれぞれの強いレンティオ愛が感じられる良い機会となりました。
そしてそれと同時に、その気持ちを新しいロゴに対しても抱いてもらえるよう、(前のがよかった、とならないよう...)より一層いいものを作らねば!という決意にも繋がりました。

その他にも、「〜に似ている」「〜っぽさがある」という意見は慎重に拾い上げ、ひとつひとつ検討するようにしました。
というのも、この時点での初見の印象・反応は、社外お披露目時に得られる反応に一番近いと思っていたからです。
この段階で「似ている」という印象を持たれてしまったデザイン案については、検討・改善しつつ進めるようにしました。

このようなフィードバックは計2回行い、制作メンバーと社員との認識に齟齬がないことを確認しながら丁寧に進めていきました。

最終案へ向けて調整

画像12

上段、全社員向けアンケートの結果と制作チームの総意により、こちらの案を詰めていくことに。

箱から飛び出てくるモチーフがダイヤかハートか、という点については少し悩みましたが、「レンティオがお客様へ提供する価値・新しい体験」という根底のミッションを考えると、キラッとひかる「ダイヤ」の方が適切だと感じたため、イメージ画像上段のダイヤ案に決定しました。


ブランドカラーの見直し
創業時からレンティオのイメージカラーとなっているブルーも、本リニューアルで調整を加えました。様々な明度・彩度違いのブルーの中から、

■従来のレンティオイメージから離れすぎないもの
視認性(あらゆる媒体での使いやすさ)
親しみやすさ
王道感 信頼感

この辺りのキーワードを元に選定していきます。

画像13

画像14

実際に本サイトに当てはめてみての検討も行いました。色から受ける印象はもちろん、視認性などアクセシビリティの面も考慮しなければならないからです。

画像15

このカラー選定は、個人的にとても苦戦した部分でした。

メインカラーである明るいブルーに関しては、くすみすぎず明るすぎず、「信頼感」は欲しいけど「親しみやすさ」も欲しい、レンティオのイメージは残したい...などなど、すべての希望を叶える「ブルー」を求めて、さまざまな色を並べて何度も比較し決定していきました。

サブカラーであるネイビーについても、そもそも黒やグレーにするという選択肢もあり、多くの議論を重ねた部分です。
ネイビーにすることで軽さやモダンな印象は出ますが、やはり黒と比べると滲んだり弱く見えるという懸念点もあり、視認性や強さを表現できるネイビーを探っていきました。

画像16

このように慎重なカラー選定を行った結果、メインカラー/サブカラーはこちらの2色に決定しました。

信頼感・落ち着きがあり、それでいてパッと華やかで気持ちが高まるようなカラーとなったのでとても満足しています!

細かいブラッシュアップ

画像17

シンボルマークのダイヤの位置や大きさについては0.5px単位で調整し、ベストなポジションを探っていきました。

また、ロゴタイプに関しては、初期に検討していたフォント候補の中から、シンボルマークとの調和性を考えた上で「Norms」を用いることに決めました。
フォントはそのまま使用するのではなく、パスの端に少し丸みをもたせたり、全体のバランスを見てそれぞれの文字サイズを調整したりしています。

シンボルとタイポを並べた際に細部まできちんと統一感があり、収まりが良くなるようにそれぞれブラッシュアップしていきました。

ロゴの完成!

画像18

画像19

旧ロゴと比べると、カラーが強くなり線も太くなったため、安心感・安定感が伝わるようなものとなりました。
それでいて、もともとの旧ロゴにあった丸さや温かみは「レンティオらしさ」として継承し、洗練されながらもどこか親しみも感じられる、そんなデザインとしています。

▼レンティオロゴ プレスキットはこちらから


ロゴの反響
ロゴお披露目当日は、デザインチームメンバーでドキドキしながら皆様の反応を見守っていました。嬉しいことに、好意的でポジティブな意見が多く、とても安心しました。

社内での反応もよく、slackでは早速新ロゴスタンプが飛び交っていたり、ロゴリニューアル記念に刺繍Tシャツを配布したりするなどして盛り上がりました!

画像20


また、日頃からレンティオを愛用してくださっているユーザー様には会員限定メルマガでご報告しました。
ロゴに込めた想いや、これからの決意などを詳しく掲載させていただいたのですが、このメルマガは定期配信のものよりも開封率が高く、皆様がレンティオのリニューアルに興味を持ってメールを開いてくださってるのだと思うととても嬉しくなりました!

画像21

これからのレンティオ

ロゴを刷新し、改めて明確なミッションを自分たちの「顔」として掲げることができました。これからより一層お客様に新しい豊かな体験をお届けできるよう、日々精進していきたいと思います!

そして、そんなレンティオにジョインし一緒に高みを目指してくださる方も絶賛募集中です。
興味がありましたらぜひ、ご応募ください。(その時に新しいロゴの感想などもお聞かせいただけるとデザイナー陣がとても喜びます...!)

それでは、これからのレンティオにもどうぞご期待ください!

この記事を書いた人:黒田( @kr_YN8 )

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?