ワークショップ「少数民族」@かやのみこども園 レポート2
ワークショップ2日目「“知る”から“分かる”へ」
前回の記事:『ワークショップ「少数民族」@かやのみこども園 レポート1』
2日目は制作日。
ワークショップ1日目タイトルは「少数民族を知る」でしたが、ワークショップ2日目のタイトルは「“知る”から“分かる”へ」にしました。
知ることも重要ですが、それ以上に分かることが大切だと日々感じています。特に人間関係において、分かろうとするかしないかで心の近さが変わってくると思います。
分かるための方法として一番望ましいのは、実際に体験すること。
今回の場合だと「エチオピアに住むスリ族に直接会う」ということ。それができたら一番いいけど、なかなかエチオピアに5歳児を連れて行くのは難しい…。
なので、このワークショップが子どもたちにとって“分かろうとするきっかけ”になってくれれば心から嬉しいです。
お面作りスタート
制作日に私自身が意識したことは、2つ。
画材をできるだけ多く用意する
“自信”と“尊重”が生まれる声がけ
・ 1. 画材をできるだけ多く用意する
自分で選択することの楽しさを感じて欲しい。
選択肢は多いに越したことないので、かやのみこども園にあるありったけの画材や使えそうな素材を保育者の方々に集めていただきました!
片付けのことを気にすると制作は幅が狭まるので、「お片づけのことはとりあえず考えないでいいよ!」と子どもたちに伝えました。
それでも色が混ざらないように絵の具のお皿を洗って次の絵の具を取りに行ったりと… 子どもたちは自分の作品をよくするために必要だと感じたことは自ら進んでやっていて感心しました。(私は美大在学中、片付けがとてつもなく苦手だったので本当に感心…!笑)
たくさんの画材を前にあまり悩むことなく、使いたい画材を伝えてくれる子どもたち。きっとこの子たちは普段のこども園での生活もしっかりと主体性を持って遊んでいるんだろうなと見て取れました。
子どもたちの自由な発想のために、用意や片付けをしてくださった保育者の方々にも心から感謝です!
・ 2. “自信”と“尊重”が生まれる声がけ
世界にはいろんな人たちがいるということを"実感”し、
自分への自信と他者を尊重する気持ちを持ってこれからを過ごして欲しい!
これは、このワークショップの軸にしていた私の想いです。
その想いが子どもたちに届くような声がけを事前に保育者の方々と話し合いました。
“自信”は褒められたり、自分で集中して制作に取り組む中で芽生えてきますが、他者を“尊重”する気持ちを持つことは5歳の子どもたちには少し難しいかも… ということで、こちらが意識して声をかけるようにしました。
以下、実際にあった会話。
そんなふうにそれぞれの良さを伝えてあげると、お互いの顔をじっくりと見合っていたのが印象的でした。
もうひとつ印象的だったのは、制作開始からワークショップ終了まで、お友達の作品をバカにしたりする声がひとつも出なかったこと。
こちらからの声がけも意識しましたが、それ以上に子どもたちが感覚的にこのワークショップを理解してくれているのかなと感じました。
子どもたちの気持ちに変化はあった?
最後に撮った集合写真。
お顔はあまり見えていないけれど…みんな自信に満ちていてすごくかっこよかったです!!
1日目にスリ族の写真を見て「こわい!」「気持ち悪い!」「なんでこんなに肌が黒いの?なにか塗ってるの?」と言っていた子どもたち。
2日目の最後には「ねぇ、スリ族みたい?」と嬉しそうに聞いてくれる子、作ったお面をつけてこども園から降園する子、お家に帰ってからご家族の方にスリ族の魅了を語ってくれた子。
言葉や行動、表情から子どもたちの気持ちの変化が伝わってきて、今回のワークショップを開催してよかったと思いました。
・ 私が子どもたちにできることはなんだろう?
この時期の子どもたちは大人に比べてとっても柔軟。
きっかけに敏感で、どんな小さなきっかけでも変化することができる。また、初めは小さな変化でも人生の中で大きなきっかけになることもある。
そんな子どもたちに私ができることはなんだろう?
きっかけをできるだけたくさんつくること、子どもたちの柔軟性を信じて待つこと、ではないだろうか。
子どもたちから考えるきっかけをもらったワークショップでした。
かやのみこども園・そら組の子どもたち、保育者の方々、本当にありがとうございました!
絵本『オハナみんぞく』
今回のワークショップ「少数民族」をもとにした絵本『オハナみんぞく』を制作しました。
みなさまのお手元に届けられるよう現在準備中です!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?