無意識の差別に踊らされていた話

私は可愛いものが大好きだ。

化粧品(但しリップは体質的な問題で使わない)、ネイル、アクセサリー、ワンピースやスカート…

俗に言う、「女の子」らしいものが大好きだ。
集めるのも、アクセサリー作るのも、アクセサリーや可愛い服を着用するのも、化粧するのは時と場合によるが、大好きだ。

ある動画を見ていると、動画主の方が自爪に可愛らしいネイルをしていた。
可愛い、私もしたい。
でも、それって女らしくなるってことだよね。

私の中で私がそう言った。

いつもそう。

ワンピース着る時も、Vネックの服着るのも、スカート履くのも…

私の中の私が、女らしくなるってことだよ、と呼び掛ける。

アクセサリーとか化粧は、男の人でもやっている人が最近多いし出掛けた時に実際にそんな人を見かけたりしたから、アクセサリーや化粧はみんなのもの、という意識が私の中にある。

というか、こういう人達に直接会わないと、自分の中の意識は変化しない。

ところで、私は彼らに助けられた。
男でも女でもない、という性自認は、男らしさも女らしさも自分に対しては許せない。他の人がどう、ではなく、自分がどちらかになるのを自分が許さない。
ある意味、男らしさ、女らしさに囚われて生きている。

だから彼らの存在は眩しかった。
周りの目とかじゃない、自分がそうしたいから、化粧もアクセサリーもしている。
ある男性二人組が私の中で特に救いだった。
真っ赤なアイシャドウ、赤や緑といった目に鮮やかなカラフルな服装、たれ目気味のアイライン…
素敵だった。

話を元に戻そう。

可愛いネイル。私もしたい。でもそれって女の子らしくいないといけないってことじゃん。

私の中の私の声。

でもそこで思い出した。

平林景さんという方だ。
𝙺𝙴𝙸 𝙷𝙸𝚁𝙰𝙱𝙰𝚈𝙰𝚂𝙷𝙸(@kei.hirabayashi) • Instagram写真と動画

福祉関係の人で、Instagramにスカートを履いた写真を投稿している人だ。
平林さんは街を歩く時もスカートを着用されているという。
道行く人から、男のくせに、と言われることもよくあるらしい。
それでも平林さんはスカートを履く。ファッションのボーダーレスの為に。

ファッションもまた、男とか女とか関係なく、したい恰好をしたらいいもの。
平林さんのこと、後は氷川きよしさん(Kiiちゃん)のことを思い出して、今まで女のもの、と思われていたオシャレは、性に関係なくみんなのものなのだと。

自分の中の、これは男のもの、これは女のもの、という意識に、踊らされていたのは、他でもない私自身だった。

これからは、まだまだ抜け出せないかもしれないけど、もう男の/女のスタイルだ、という意識に囚われなくとも良いんだ。

例え周囲から相変わらず女として見られたとしても、好きな恰好をすれば良いんだ。

でもそこで気づく。

私は女として見られたくない。
男にも見られたくない。
パッと見た時に、男か女か、どちらかわからない。
そんな存在になりたいんだ。
女の子らしいものは、やっぱり私を女に見せるんだ。

これもまた、自分の中の差別に踊らされている話。
でも私だけじゃない。
例えどれだけ多くの人が、SOGI(Sexual Orientation & Gender Identity 性指向と性自認)に拘わらずファッションにボーダーはないのだ、と訴えても、それでもまだまだマイノリティ。
多様性とは口先だけで、実際はみんなが、男らしさ女らしさに囚われている。呪縛の様に。
だから、服装は、どちらからしさを強調するものースタイルにしたって色にしたってデザインにしたってーがマジョリティ。

どちらでもあり、どちらでもない。
そんな風に見られたい。
完全に女じゃない私は、女に見られたくない。
女であることもできない。
だからと言って男にもなれない。
でもそれは、外からの眼差しに、そして外を見る私の眼差しに、縛られているから。


ふと気づいた。
男でありたい人、女でありたい人、それはシスジェンダーの人も、トランスジェンダー(ここでは主にLGBTで知られるトランスジェンダー)の人も、自分が自分であると思える性でいるために、男らしさ・女らしさを獲得しようとらしさを追求する。
ファッションが真にボーダーレスになった時、どちらからしさでありたい人達は何を思うのだろうか。果たして男らしさ、女らしさというのは、その時に生きている概念なのだろうか。

こんなことを思うと、真に平等で多様な社会というのは実現しえるのか、疑問にすら思える。


それだけ。

でも、今はただ、私が外からどう思われようと、自分のしたい恰好でいるのがいちばん私の為ではないか、と思って。

私が私の中の、男女らしさの呪縛から解き放たれる日まで。

(ところでこの記事、本質的なところでずっと差別意識満載で書いてたことに気づいた?気づいたあなたは凄いと思います。私も書き終わってから気づいたので…)

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