見出し画像

第30節 モンテディオ山形戦

 こんにちは、私です。
 山形戦は0-1で敗戦。チャンスを多く作りながらも得点を奪うことができず、終盤のFKを決められ、久しぶりの黒星となりました。山形にはシュートを3本しか打たせず、ジェフ優勢の試合展開でしたし、勝てた試合だったと思います。
 この試合はターニングポイントになりうる試合でしたし、何が何でも勝ちたかった…

J2リーグ 第30節
モンテディオ山形 1-0 ジェフユナイテッド千葉

スタメン

・大雨の中チャンスを作った前半

 試合直前から土砂降りの雨が降り、所々ボールが止まってしまうピッチコンディションでした。特にジェフ陣内はボールが止まってしまうところが多かった。12分の大輔から松田へ出したパスが止まってしまう危ないシーンはありましたが、ジェフの選手たちはこのピッチコンディションにアジャストできていたように思います。むしろこのピッチコンディションはジェフの味方となるシーンが多かった印象です。
 山形の攻撃の狙いはラインブレークや揺さぶってライン間の選手への縦パスを差したり、バイタルエリアのところから崩していくことだと思います。ただ、ジェフ陣内は水たまりが多く、特に中央はボールが止まってしまう場所が多かった。細かくパスを繋ごうとするシーンの多かった山形にとってはパスが止まってしまい、思うようにボール保持をできませんでした。
 一方のジェフは中間ポジションで風間が受け、サイドの田中の推進力を活かしてチャンスを作るシーンが多く、中央の水たまりを回避しながら前進することができました。
 山形は水たまりを回避して攻撃できず、ジェフは水たまりを回避することができた。これが前半ジェフのチャンスが多かった要因だと思います。チャンスが多かっただけに前半のうちに得点が欲しかったです。

・追い越す動き

 チームの攻撃の狙いとしてラインブレークがあるため、DFラインの背後を狙う動き出しは多く、これは表現できているように思います。ここ最近の試合ではこれに加えてハーフレーンからニアゾーンへのランニング、ボールホルダーを追い越す動きも増えており、この動きがチャンスを生み出しています。
 例えば、33分のシーンでは田中が持ったところで風間がニアゾーンランをしたことでペナ前で待つ小森にスペースが生まれました。
 また、22分には風間が田中を外から追い越してニアゾーンへ侵入しクロス、これを小森がヘディングで合わせました。
 さらに、41分にも風間が内側からニアゾーンランをしてボールを受けて、最終的にはCKを獲得しました。
 22分と41分はニアゾーンへ侵入した風間が直接ボールを受けてチャンスとなったシーンで、33分のシーンは風間がニアゾーンランをしたことで小森へスペースを与えることができました。
 こうした動き出しが増えていて、特にニアゾーンを突くような意識が高くなっているのは良い。この試合はこうしたニアゾーンを突く狙いが良く表現できていました。
 ボールホルダーを追い越す動きによって33分のようにバイタルエリアの前で引き出す他の選手にスペースを与えることができますし、追い越す動きが増えていることで田中のカットインからの左足でのシュートも増えてきています。この試合は無得点で終わってしまいましたが、複数得点が増えている理由は追い越す動きの増加にあると思います。

・前から嵌める守備と背後のケア

 この試合も前から嵌めに行くようなシーンが多く、前半から良い形でボールを奪うことができていました。

 前半はピッチコンディションが味方してくれた場面が多かったですが、水たまりの減った後半もジェフは山形の攻撃に対してうまく対応できていたように思います。
 山形はどちらかのSBが残ったり、ボランチが落ちるなどして後方を3枚にするシーンが多かった。これに対してジェフはSHが高めの位置を取って対応。3バックと対戦する時のいつもの形です。

 ジェフはそこまでCBにプレスをかけず、ブロックを作って中を閉めることを優先し、バックパスや横パスが入ったタイミングで2トップが寄せる形を取りました。

 山形としてはなかなか前に刺せず、思い通りにボール保持ができていなかったはず。ライン間で受けたい田中渉はそこまで目立っていませんでした。ただ、山形の狙いはもう一つあってそれはジェフと同様にラインブレーク。プレスで追い込まれてもSB裏に蹴りこんでジェフのプレスをひっくり返すことを狙ってきました。前半に後藤に抜けだされてピンチとなるシーンがありましたが、試合を通してしっかりと最終ライン4人で裏ケアができていたように思います。
 後半途中からイサカとデラトーレが入ってきたことで山形の前線に怖さが増し、逆サイドのCBが絞ってカバーしたりとギリギリで対応できていたシーンもありましたが、裏を取られるシーンが増えてしまいました。
 実際にデラトーレに裏抜けされ、CB脇を取られたところが失点に繋がってしまいました。対応した大輔はカバーがいない状態だったため、チャレンジせず、ディレイの判断をすべきでした。このFKを与えたところから失点が生まれてしまいました。
 前半から前プレは機能していましたし、ブロックを作って中を閉めることを優先した守備で相手を困らせることができていました。ただ、裏ケアでチャレンジするのかディレイするのかという判断のミスが失点に繋がってしまいました。紙一重のところで難しい状況でしたが、その前までしっかりと山形のラインブレークに対応できていただけに勿体なかったと思います。

・ゴール前での質

 攻撃での課題、まずはアタッキングサードでの質だと思います。シュートを多く打ちながら、相手よりもチャンスを多く迎えながら無得点に終わってしまいました。シュートも相手にブロックされるものが多く、GKがセーブしたシーンは一度もなかったはず。クロスも合わずに相手DFに跳ね返されてしまうことが多かった。シュートやクロスの質は監督ではどうにもできませんし、選手個々で努力しなければいけません。質を上げるためには選手たちが上手くならなければいけないということです。
 ただ、監督も今のチャンス数で決まらないのであれば、もっとチャンス数を増やす工夫をしなければいけません。これは小林監督も試合後にこういった趣旨のコメントをしていたはず。
 得点を取るために選手は打率を高めて、監督は打席を増やす努力が必要です。
 山形のDFもシュートへの寄せが素晴らしく、複数の選手でシュートブロックに行くシーンも多かった。ジェフとしてはフェイントを入れるなどして相手を引き付けて他の選手に出すといった冷静さも必要でした。

・最後に

 攻撃に関してムダに不用意な縦パスをつけてしまうなどの細かい課題もあり、ここは直していかなければいけません。あと気になるのは左サイドの崩しが減っている点。ドゥドゥの左SH起用はワイドストライカー的な役割をさせたいのでしょうが、個の起用法が結果的に左サイドからの崩しの減少に繋がっている印象で、ドゥドゥ→高木の交代も迫力を欠くような感じ。コンビネーションのできる高木や仕掛けられる椿をスタートから出した方が良いように思います。
 この試合は優位に運べていましたし、勝てた試合でした。個人的にこれに勝てばプレーオフがぐっと近づくターニングポイントになりうる試合だと思っていましたし、何が何でも勝ちたかった。
 ただ、まだチャンスはありますし、切り替えなければいけません。前半戦に苦しい思いをさせられた藤枝にリベンジをしてもう一回勢いに乗ってほしいです。

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?