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中古+リノベーションの極意 #02/新築vs中古

こんにちは!足立 淳と申します。

中古物件+リノベーションのプロの視点から、中古物件の選び方やリノベーションのポイントについて連載でお伝えしています✏️

第一話はこちらから

私は今から11年前に初めて住まいを購入しました🏢

その時は住宅業界とは全く違う業界で働いていて、そもそも中古物件という選択肢があることすら知らず、当たり前のように新築のモデルルームを何件か巡り、新築のタワーマンションを購入しました✨

11年前に購入したタワーマンション。1000世帯以上が住む、とても大きなマンションです。

当時は今ほど ”リノベーション” という言葉も普及しておらず、周りに中古物件を買ってリノベーションした友人や知人も全くいませんでした😅

そしてあっという間に11年が経ち、つい先日、物件との偶然の出会いもあり、住み慣れたマンションを売却し、築35年の中古マンションを購入して、人生初のリノベーションをしました🛠️

こちらが最近購入した築35年のマンション。重厚感があります。

新築マンションと中古マンションの購入の両方を経験したことで、それぞれのメリット・デメリットを体験することができました🙌🏻

今回のnoteでは、新築物件と中古物件、どちらが良いのか、それぞれの特徴について考えていきたいと思います🙆🏻‍♂️


まずは新築物件のメリット・デメリットについて考えていきましょう。


■ 新築物件のメリット

なんといっても新品✨

新築物件の最大の魅力は「新品であること」です。

まだ誰も住んでいないピカピカの状態から住むことができるのは、やっぱり気持ちが良いものですよね🙂

築35年経過している物件でもリノベーションをすれば内装は新築以上の品質に。

中古物件であっても、リノベーションをしてしまえばお部屋の中は「新築」になりますので、実は新築と中古+リノベではそんなに大きな違いはありません。好きな素材や間取りが作れるので、リノベーションの方が魅力的かも・・・❓

最新の設備や共用施設

また、お風呂やトイレ、キッチンなどに最新の設備が使われていたり、新築マンションだとプールやジム、ゲストルームなどの共用施設が充実しているのも魅力的です🏋🏻

マンションだとキッチンにディスポーザー(生ごみ処理機)が付いているような物件もありますが、ディスポーザーなどは築浅物件ならではの設備といえます🗑️

住宅ローン控除等の限度額も上がる

新築物件は、売主が不動産会社などの「法人」になりますので、物件価格には10%分の「消費税」が含まれています💰

住宅ローン控除等の制度は、消費税がかからない中古物件よりも、消費税のかかる新築物件の方が控除される金額が大きくなるといったメリットがあります📈

消費税のかからない中古物件の場合は、年末に残っている住宅ローンの残高の上限2000万円までのうちの0.7%が10年間に渡って、所得税や住民税から控除されます。2000万円×0.7%×10年間=140万円と、最大140万円まで控除を受けることができます。

一方で、新築物件の場合は、年末に残っている住宅ローンの残高の上限3000万円までのうちの0.7%が13年間に渡って控除されます。3000万円×0.7%×13年間=273万円と、最大273万円まで控除を受けることができます。

※2022年7月11日時点。省エネ住宅等に該当しない一般住宅の場合。

ご両親などから住宅購入資金の援助がある場合、一定額までは贈与税が非課税となる制度がありますが、この制度も消費税のかかる新築物件の方が非課税となる上限の額が大きくなります。

一方で、売主が個人の中古物件を購入する場合は、物件価格に対して消費税はかからないといった特徴があります💰

不動産の購入だけでなく、個人間のお金のやり取りには消費税がかかりません

ヤフーオークションやメルカリなども出品者が個人の場合は消費税はかかりませんが、それと同じなのです☝🏻

最近SUUMO等でもよく見かける「リノベ済み」の物件は、不動産業者が中古物件を購入し、リノベーションをしてから販売しているため、売主が「法人」となり、中古物件であっても消費税はかかってしまいます🥲

すぐに引っ越しができる

中古物件を買ってリノベーションする場合は、物件を契約してからお引っ越しができるまでに4ヶ月〜半年くらいの期間がかかってしまいますが、分譲された新築完成物件の場合は、契約をしてから最短で1月後などでもお引っ越しができるというのも魅力です🚚💨

■ 新築物件のデメリット

価格が高い

新築物件のデメリットは、中古物件に比べて「価格が高い」というところにあります💸

特にマンションの場合は新築と中古とで、価格の差はかなり大きくなります📊

また、近年の建設費の高騰を受け、設備や建材にグレードの低いものが使われていたり、目に見えない共用部分(共用廊下やバルコニーなど)が安っぽく作られているマンションは多くなってきている印象です😱

また、新築という価値が価格に上乗せされているので、中古になったときに値下がりするリスクは中古物件に比べて高くなってしまいます📉

とはいえ、今は全国的に不動産価格は高騰しているので、新築で買った時よりも何千万円も高い金額で売れたというケースはたくさんあります

実際に私も11年前に購入したマンションを最近売却しましたが、新築時よりも高い金額で売却することができました。

戸建の場合はハウスメーカーさんもピンキリなので、建物を2,000万円前後で建てらるような会社もあります。(価格相応のグレードではあるのですが・・・)

戸建の場合は中古+リノベーションよりも、建売の分譲戸建の方がトータルのコストが安くなる場合も多いです。

購入前にお部屋の中を確認できない場合も

新築マンションや戸建の注文住宅の場合、建物が出来上がる前に売買契約書にサインをしなければならないケースが多いです🖋️

実際のお部屋の大きさや日当たり、窓からの眺望などを確認できないまま購入しなければならないのは大きなデメリットといえます😣

私も11年前に新築マンションを購入したときには、まだ建設工事中だったので、お部屋の中を見ずに契約をしなければなりませんでした😓

内覧会のときに初めてお部屋を見て、眺望や日当たりが想像通りだったので、ホッとしたことを今でも覚えています。

修繕積立基金が必要

新築マンションを購入する場合には、最初に数十万円の「修繕積立基金」という積立金を支払う必要があります💸

この修繕積立基金で支払った金額は、売却時に手元に戻ってくることはありません😥

一方で、中古マンションを購入した方は毎月の修繕積立金の支払いからスタートしますので、修繕積立基金を支払う必要はありません⭕️

今までお住まいになられてきた方々が積み立てて下さった修繕積立金をそのまま享受することができるので、そういう意味では中古で購入する方がちょっとお得かもしれません☝🏻


では、続いて、中古物件のメリット・デメリットをみていきましょう。

■中古物件のメリット

価格が安い(値下がりリスクが低い)

中古物件の最大のメリットは「価格の安さ」にあります💴

物件の条件にもよりますが、首都圏においては新築と中古物件とで、数千万円もの価格差がある場合もあります📊

購入する時の価格が安いということは、将来売却する際に更に値下がりしていってしまうリスクは低くて済むともいえます📈

立地が良い

特に都心部では新築物件を建設するための条件の良い土地がほとんど余っていないといわれています💦

条件の良い土地には、すでにマンションやビル、戸建物件が建てられてしまっていますので、立地の良い新築物件の供給はかなり少なくなってしまっているのです😣

バブル期の物件はグレードも高い

私が購入した築35年のマンションの車寄せ。綺麗に石畳が敷かれ、植栽も立派です。

1980年台後半〜90年台前半の、いわゆるバブル期に建てられたマンションは、しっかりとお金をかけて建てられているので、30年が経過した今でも、共用部や外観などのグレードが高いマンションは多いです☺️

また、敷地に余裕があって、植栽なども充実している物件も多かったりします🌳

いわゆるヴィンテージマンションと呼ばれるようなマンションがそうです。

とはいえ、共有部はちょっと時代を感じるようなデザインになっているので、最新のカッコいい共有部に憧れる方にとっては物足りないかもしれません💦

物件の選択肢が多い

中古市場には日々、中古物件が供給され続けていますので、多くの選択肢の中から自分にピッタリ合う物件を選ぶことができるのは大きなメリットです☝🏻

新築の場合、完売してしまうと購入することが難しくなってしまいますが、中古物件の場合、狙っているエリアやマンションなどがある場合は、待っていれば中古物件として売りに出てくることもあります🏢

■中古物件のデメリット

使用感がある

リノベーション前の写真。残置物が残されていることもあります。

中古物件の一番のデメリットは、やはり「使用感がある」ことではないでしょうか。やはり前のオーナーさんが実際に住んでいたお住まいなので、どうしても傷や汚れなどの経年劣化はあります🏚️

物件によっては築年数が浅くても内装がボロボロになってしまっている中古物件もあります😨

内装の劣化についてはリノベーションで解決することができますが、あまりにボロボロだとリフォーム費用が高額になってしまいます💸

耐震強度が弱い物件がある

新耐震基準と旧耐震基準の分かれ目は1981年6月1日。

基本的に1980年以前に建てられた物件は「旧耐震基準」という耐震強度で建てられていますので、大規模な地震が発生したときに損壊・倒壊の危険性が高くなってしまいます🏚️

首都直下地震は2044年までに70%の確率で発生するといわれていますので、基本的には1981年以降の「新耐震基準」で建てられた物件をおすすめしています☝🏻

戸建物件の場合は耐震強度が足りていない物件でも、個別に「耐震補強工事」を行うことができますが、マンションの場合は一部屋だけを耐震補強をするといったことはできません🛠️

マンション全体で耐震補強をする必要があり、多額の費用が必要となるので、なかなか耐震補強工事実施までのハードルが高いのが実態です。

リフォーム費用がかかる

新築物件は当然、そのまま住むことができますが、中古物件の場合はリノベーション済みの物件などでない限り、リフォーム工事が必要となるケースがほとんどです🔨

中古物件の方が物件自体の価格が安いとはいえ、リフォーム費用がかかることも覚えておく必要があります☝🏻

フルリノベ(全面改装)をする場合、マンションの場合は㎡あたり15〜18万円程度(70㎡の場合は1050〜1260万円)、戸建の場合は㎡あたり20〜25万円程度(70㎡の場合は1400〜1750万円)の費用がかかってきます。

お風呂・トイレ・洗面所・キッチン等の水回りの設備だけを全て新しいものに取り替えるとなると、標準的なグレードのものでも300〜400万円程度かかります。

瑕疵のリスクがある

シロアリや雨漏りなどは解体してみて初めて発見されることもあります。

特に戸建物件の場合に注意が必要なのですが、シロアリや雨漏り、傾きなどの不具合(※瑕疵(かし)といいます)があることがあります🐜

マンションの場合でも、天井裏にアスベスト(石綿)が使われていたり、コンクリートにひび割れがある可能性もあるので、注意が必要です。

瑕疵という点では、新築物件だから絶対に安心ともいえません。
新築物件でも欠陥住宅など、大きな瑕疵が見つかることも多々ありますので、逆に築年数がある程度経過していて、今まで何も問題が無かった中古物件の方が安心という考え方もできます。

住宅ローンが通らないリスクがある

金融機関によっては、築年数が古いことによって住宅ローンの審査が通りづらくなってしまうリスクもあります😥

特に「旧耐震基準」時代の物件は近年、住宅ローンの審査がかなり通りづらくなってしまっているので、注意が必要です☝🏻

今はどこかしらの金融機関でローンが組めたとしても、将来売却するときに、どこの金融機関も「旧耐震基準の物件は審査を受け付けません❗️」となってしまっている可能性があり、次に購入される方がローンが組めない物件になってしまうと「売りたくても売れない」という状況に陥ってしまうリスクがあります💦

不動産会社によっては「旧耐震基準でもローンが組める金融機関があるので全然大丈夫ですよ〜」などと言うような会社もありますが、将来のリスクまで把握したうえで購入しなければなりません。

■まとめ

新築物件にも中古物件にも、やはりメリット・デメリットがありますので、それぞれの特徴を理解したうえで、新築/中古のどちらの方が自分に向いているのか検討すると良いでしょう🥸

主に新築物件に向いている方は以下のような方になります👇🏻

✅ とにかく新品の家に住みたい
✅ 最新の設備や共用施設に魅力を感じる
✅ 住宅ローン控除を最大限活用したい
✅ 両親からの資金援助の額が大きい
✅ できるだけ早く引っ越したい(分譲の場合)

一方で、中古物件に向いている方は以下のような方になります。

✅ できるだけコストをおさえたい
✅ 立地の良い物件を選びたい
✅ 多くの選択肢の中から物件を選びたい
✅ 中古に対してそんなに抵抗が無い
✅ リノベーションで自分の好きな内装にしたい

新築物件も鍵を一度でも開けてしまえば中古物件になりますので、実は新築と中古でそこまで大きな違いはありません🙂

ただし、築年数の古い中古物件には耐震強度や住宅ローンの審査への影響など、リスクも潜んでいますので、中古物件を検討する際には慎重に選んでいただく必要があります☝🏻

築35年の物件でもリノベーションをすれば素敵な空間が作れますよ!

次のnoteでは、中古物件のリノベーションについて考えていきたいと思います🏚️🔨


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