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未公開証言を含めた映画オッドタクシー イン・ザ・ウッズの個人的考察

【映画オッドタクシー、入場特典のネタバレを含みますので、お気をつけください。
あくまで個人的な考察なので、ご容赦ください。】

オッドタクシー映画の評価が低いのは分かります。一見、総集編を単調なインタビューで振り返り、新しい情報は後半に少し出てくるだけ。アニメで描かれたようなキャラ達のテンポの良い会話、駆け巡るような伏線回収が映画内に含まれているわけでもないので。映画だけをみて心震える方はなかなかいないでしょう。
しかし、伏線はしっかり含まれていて、回収すると映画が面白くなるので、
つまらなかったという方には、是非回収していただきたいと思い、書きます。

先ず、オッドタクシー事件と同じ時系列で、事件を綿密に調べている調査会社がいて。
しかも、12/24の時点では、ほぼ全ての情報を揃えていた
この事実は、かなり衝撃的な新情報であり、映画の一番大きな伏線でもあります。
この伏線を回収したかどうかで、映画の内容がガラッと変わりますので考察します。

調査していた人物は、十中八九キャバ嬢の玲奈でしょう。映画では明確には描かれませんでしたが、最後の実写パートや入場者特典で明らかにされた情報で確定に至って良いと思います。

入場者特典の情報で、映画の告知で銘打たれた「17人の証言」これに大きなミスリードがあったことが判明しました。

映画内で証言していた人物を順番に並べると。
インタビューを受けたのが、
①樺沢
②白川
③大門兄
④タエ子
⑤柿花
⑥柴垣
⑦ドブ
⑧佐藤
⑨和田垣
⑩市村
⑪山本
⑫剛力
⑬大門弟
⑭矢野
⑮関口
⑯二階堂
の16人に、
警察の事情聴取を受けた
小戸川
の計17人。
しかし、小戸川は警察による事情聴取でしたし、パンフレットによれば、1/4の出来事であり、12/24の日中に一貫して行われていたインタビューに対し、小戸川だけ形式が違うのでカウントして良いのか?と違和感がありました。
小戸川は、調査会社からインタビューを受けた描写が一切ないのです。

では、17人目はいったい誰なのか。
それが、入場者特典第4段で明らかにされた

⑰三矢ユキ

の証言である。

三矢ユキは練馬の失踪した女子高生であり、10/4に殺害された被害者です。
アニメストーリーでも、二階堂の回想シーンなどにしか登場せず、実は生きていたなんてこともありえません。

これは、玲奈が三矢ユキと同じ中学の陸上部であったから得られた、玲奈だけが知っている三矢ユキの証言。
それは事件とは全く関係のない地元での、引っ越し前の別れ話の内容だが。
同じ入場者特典に記載されている
三矢ユキ(和田垣さくら)と、東京で再開した時の会話によって。物語を動かすきっかけになった重要な証言になっているのである。
大事な後輩のメジャーデビューを祝いに行ったら、違う人物が後輩になりすましていた。
この映画は、調査員「玲奈」自身を一切描かないことで、憤りを胸に大切な後輩の為に奔走したことを抽象的に表現した。アニメでは描かれなかった「オッドストーリー」を総集編に型通って描いた作品であった。と解釈できる。

新しく追加されたアニメラストシーンの続きに関しては、パンフレット一行目に壮絶なネタバレがある。
和田垣が小戸川のタクシーに乗った日はオフィシャルファンブックに記載された12/31であり、もし、小戸川が殺されてしまったなら1/4に事情聴取は受けることができない
小戸川は死んでいないことは観る前から証明されていた。
どうやって助かったかは、柿花の未公開証言とエンドロールで考察できます。
そして、警察の事情聴取が1/4だったことから小戸川を助けるのに協力したのは、警察ではなく玲奈達だった可能性が高いです。

オッドタクシーには、ミスリードが結構あるというかタイトルの通り、片割れ(オッド)の情報しか明かされていないことで、事実とは異なって成立してしまっていることがあります。

例えば、今回映画で吞楽消しゴムオークションの値段をつり上げたのは佐藤だと明かされました。
私はてっきり詐欺を行っていたドブが仕組んだものだと思っていましたが。事実は佐藤が絡んでいた。
大したことないことと感じるかもしれませんが、結構重要なことです。
ditch-11の詐欺に関して、本当にドブがやったものか確定していないのです。
今、確定しているのはアカウントのアイコンの画像がドブで、ditch-11はドブのアカウントだということだけです。
入場特典の未公開証言にドブはデジタルは信用できない。アナログ人間だ。という記載があります。
仮にドブが16年前からインターネット詐欺を行っていたなら、アナログ人間っていう表現は奇妙です。なぜならditch-11はインターネットの知識が高い人物だからです。
詐欺サイトの作成や、人気アプリのズーデンで不正アカを1位にするくらいインターネットに長けた人物でなければなりません。

詐欺サイトというのは吞楽消しゴムの販売サイトです。あのサイトは取引期間が2004年と表示されていました。田中は2021年に24歳なので、16年前小3なら2005年であるのが正しいです。通常のオークションサイトであれば、年代をいじくることは出来ないはず。
あれは、サイト自体が詐欺サイトだったと解釈できます。
ズーデンのアカウントもそうです。アカウントIDが馬場のIDと全く同じでした。
スコアも2位と倍以上違います。明らかに不正アカウントです。
このことから、ドブはインターネットを侮りすぎて詐欺業者にアカウントを売ってしまったアナログ人間だと考えるのが妥当です。

ドブと近しい存在でネットに長けている人物は「関口」なので、もしかしたらそこが繋がるかもしれませんね。元は舎弟ですし。ただ16年前には出会っていなさそう。

話は戻りますが、和田垣のあの凶器の持ち方は後部座席から襲うにしてはおかしい。あれでは、上から下に刺すのは角度的に難しい。
12/30に襲撃済のタエ子も助かったことを踏まえると。
本当に和田垣は三矢を殺害出来るのか?と思うくらい能力が低いので、ここも語られていない話がありそうです。
アニメで綺麗にまとまってはいたけれど、
和田垣はまだ絞殺しているシーンしか描かれていない。しかも二階堂が発見したシーンには椅子が並べられているのに、和田垣が絞殺しているシーンには椅子が一つもない。という違和感も残ったままです。
時系列に関しても二階堂から呼び出された三矢がタクシーで事務所に到着して、徒歩の二階堂が到着するまでの僅かな時間で本当に運だけで犯行可能なのか?
実は、鈍器で殴打した存在が別にいる可能性が多いにあるのです。凶器も見つかっていない。

10/4の深夜に小戸川が和田垣を乗せたなら、
三矢ユキを乗せたタクシーは別に存在しているのである。
深夜に未成年の女子高生を練馬から中目黒まで乗せたタクシーの運転手は小戸川のように覚えていないのだろうか?
今回の映画で和田垣が三矢に変装していた可能性が少なくなった。防犯カメラの映像が和田垣の服装のままだったから。
片割れのタクシーがいつか描かれるまで、真相はまだまだ籔の中なのです。

深読みし過ぎていると思いますが、
私は今井が一番サイコパスだと思っていて。
この事件で彼だけが唯一目的を達成しているのが気になります。
彼が二階堂ルイに抱いていた願望は、
「二階堂ルイを一人占めする」ことでした。
10億円を当てて行ったことが、デビューアルバム30万枚購入に注ぎ込むです。
常人の感性では考えられませんが、30万枚握手券を手にいれたとして、一枚一分だとしたら、およそ30万分。
208日間くらい握手できることになります。三矢ユキに関しても二階堂ルイのセンターを奪った邪魔者です。
結果として二階堂ルイは捕まってしまいましたが、こうも考えられます。
二階堂ルイが刑務所に入れば、芸人で恋人の馬場も世間も離れていく。
刑務所に入るアイドルを応援するのは自分だけであり、囲うのに十分な9億もある。
二階堂ルイを一人占めする要件が整っているのである。
今井は最初小戸川のタクシーを値切りましたが、最後に一億円与えています。
自分の目的に多大に貢献した小戸川への報酬と自分の目的を知っている小戸川への口止め料だったかもしれません。
調査会社もボールペンやGPSを傍受していたし、アイドルにハマっている今井であればコンサートワッチの存在も知っている可能性が高い。ネットリトラシーの低いことも気になります。わざとそう仕向けた可能性もあるのかなと。まあ単なる思い過ごしでしょうが。

アニメで綺麗にまとまっていたからといってそれが真実だったかはわからない。アニメのバランスを崩して、真相は籔の中にあることを明確にしたのが、映画オッドタクシー イン・ザ・ウッズだと思っています。

何故白川さんは沈んだタクシーから小戸川にを救出出来たのかなども、アニメの外で描かれています。(とはいえ、冬の東京湾をなめすぎですが。)
白川さんはインタビューの最初に久しぶりといったので、もしかしたら白川さんも玲奈と地元が一緒だった可能性がありますね。九州であることは判明しているので。
白川さんが工事現場に現れた理由はまだ不明瞭ですが、「知っているくせに」ということは調査会社が絡んでいた可能性が高いです。
そうであれば、12/31に柿花が突然現れ救出出来たことにも繋がります。
ドブと矢野&関口の関係も知った方が対立描写がより深まりますし、オッドタクシーという話は、伏線を回収した数で面白さが段違いに変わると思っています。是非、他にも探してみることをおすすめします。

書いてないことはまだありそうですが、未公開証言は集めることをおすすめします。

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