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08.なぜ結婚したいのか ー愛の正体ー


男は結婚するとき、女が変わらないことを望む。

女は結婚するとき、男が変わることを望む。

お互いに失望することは不可避だ。

- アインシュタイン -

◆なぜ結婚したいのか

「この世に存在する全ての事象には、理由がある」と、誰かが言ってた。

でも、唯一、論理的な理由もなく決断すること、それが「結婚」だと思う。

現代のカップルが結婚に至った理由の中で一番多いのは、

「一緒にいたいと思ったから」のようだ(リクルート調べ)。

素敵やん。

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一人の方が気楽で自由が効くのに、特定の人を生涯の伴侶とするのはすごい決断だと思う。

親の都合で決められる結婚は、時代遅れだし、自分の決断ではないから後々後悔するだろう。周りが結婚し始めたから、自分も焦って結婚するのも違う。また、子どもは授かり物と言うように、結婚すれば誰でもできるってわけじゃないから、子どもを求めて結婚するのもちょっと違う。生活の安定を求めるのも、違う。寧ろ結婚してからの方が困難な壁は多いはず。


それでも、愛すると決めたから、ずっと一緒にいようと誓うのだ。

現代の若者が結婚に踏み切る理由は、とてもシンプルで気持ち良いくらいストレートだった。

◆離婚の原因

3組に1組の確率で離婚している現代。

「ずっと一緒にいよう」と誓ったものの、これほどのカップルが別れてしまうのは、なぜだろうか。

 厚労省がまとめた離婚原因のランキングは以下のとおり。

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1位は圧倒的な差で男女共に「性格の不一致」だった。

出産後の女性の多くは性格が変わるという。母親になった実感と共に、親としての覚悟ができるからだろう。しかし、男性は自分でお腹を痛めて産むわけではないため、結婚後も性格は変わらず、両者のギャップにお互いがストレスを感じるのかもしれない。

エーリッヒ・フロムは言う。

現代の結婚の理想は円滑に機能するチームである。この発想は、滞りなく役目を果たす労働者という考えと大して違わない。夫は妻を理解し協力するべきで、一方妻は夫に対して優しくいたわり、理解しようと努めるべきであると。(愛するということ)

確かに、映画やドラマに出てくるいかにも幸せそうな家族は、夫は朝から晩まで仕事づめだけれど、家に帰ると妻に協力して子どもを寝かしつけ、妻は夫を優しく労っている。

まるで、正しい夫婦像はこういうものだと言わんばかりの演出だ。

でも、フロムはこの現代の結婚の姿を嘆いている。

なぜならこんな生活を続けても、結婚を堪え難い孤独感からの避難所としか捉えられないからだ。結局のところ、二人は生涯他人のままであり、相手の気分を壊さなわいように努め、お世辞を言えるだけの関係に留まる。結婚は孤独を解消する手段ではないのだ。

自分で孤独を克服できない限り、幸せな結婚生活は送れない。


リチャード・テンプラーは新婚夫婦やカップルに向けて、継続した関係になるためのアドバイスをこう書いている。

「おたがいの自立心を育てよう。自立したもの同士が愛し合うことで、良い関係が作れる。パートナーと良い関係が続けば続くほど、おたがいが一人で生きていく能力が高まり、パートナーが必要なくなっていく…」

ん?パートナーが必要じゃないのに、一緒にいるの?どゆこと?

「…ではなぜ一緒に生きていくのか。それは、『ただ、一緒にいたいから』なのだ」(上手な愛し方)

なるほど…

孤独を克服し、自立した人は、別に一人でも生きていける。

それでも「一緒にいたい」と思う相手ができたときに、結婚するってことか。

今の時代、別に焦って、結婚する必要はないんだ。まずは自立が優先。

現代の結婚への経緯は…

「自立して、良い人と出会い、ずっと一緒にいたいと思ったら、結婚する」のだ。

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◆プロポーズは女性から

なぜ、多くの女性がプロポーズを男性に求めるのだろう。

個人的な意見だけど、別に女性から「あなたと結婚したい」と言っても良いと思う。

昔は、ジェンダー差別があって、収入格差もあって、男性の方が立場が上の社会だった。結婚は女性が選ばれる側だった。当時の女性の成功は、身分の高い男性の家に嫁ぐことだった。

でも、今は違う。

ある程度、男女公平になってきた。

それでもなお、交際期間が長い多くのカップルにとって、プロポーズは男性が女性を喜ばせるために、サプライズで行うものと捉えられている。

もし、長年付き合った彼女から「そろそろ結婚しない?」と言われたら、女性よりも喜びは薄いかもしれないが、彼氏も「うん、そうだね」となると思うのだが、違うのだろうか。

「プロポーズはお互いの人生にとって、大事な節目だから、男性にリードして欲しいの!」とどこからか反論が聞こえてきそうだ。

確かにプロポーズは互いにとって、大事な節目で、覚悟の証だ。

しかし、男女公平の現代で、そこだけ男性に依存するのはおかしい。

女性がプロポーズされるのをただ待っているだけでは、いつまでたっても婚約指輪は差し出されないだろう。

男性も、結婚に対して、「自分が養って行かなくては…」と変にプレッシャーを感じて、中々覚悟ができないのだ。このプレッシャーは、真に自立している同士なら、感じないのかもしれない。まぁ、最悪生活保護があるから、プライドさえ捨てれば、一人で養って行かなくてはならない状況は生まれにくい。

そもそも、女性が養ってもらう時代はとっくに過ぎた。女性だって、心身ともに自立し、男顔負けに仕事で活躍しているし、今では海外旅行だって一人で行くような、アクティブな女性も増えた。

そして、多くの場合、女性の方が男性よりも、精神的に強い。

結婚は二人の共同生活なのだから、男性が余計なプレッシャーを感じる必要は全くないのだ。


交際期間が2年以上続く場合、女性から直接プロポーズはしなくても、「プレッシャーをかけるわけではないけど、○歳までには、あなたと結婚したいな」とはっきり伝えるべきだと思う。なぜなら、男性は出産のタイムリミットを体感できないため、結婚に対して、のらりくらりしてしまうからだ。

女性がタイムリミットを提示してまで、生半可な返事をする男性は、とっとと切り捨てた方が良い。待つだけ無駄だ。真剣に考えられる男性ならば、結婚するつもりが無ければ、すぐに別れを切り出すし、結婚するつもりがあるのなら、その後は自分からプロポーズするだろう。

女性のみなさま、男は口で言われないと気づけない生き物です。どうか男性の鈍感さをお許しください。そして、夢を壊すようで申し訳ないのですが、私を含め、現代の男たちに対しては、ゼクシイをさりげなく置くのではなく、はっきりとタイムリミットを提示いただくよう、よろしくお願いいたします。


◆プロポーズのご報告は大体痛い

プロポーズがなんだかエンターテイメント化しているのが気にくわない。

2年ほど前にフラッシュモブが流行ったが、それをプロポーズに組み込んだカップルがインスタやYouTubeに投稿していた。正直、のぼせているなぁと思ってしまう。

そういう人は、愛のカタチを勘違いしているようにも見える。

「自分がこんなに頑張ってサプライズとダンスまでしてプロポーズしたんだ!ほら、みて!すごいでしょ!指輪受け取るよね?」と心の声が聞こえてきそうだ。

プロポーズのシーンを映画やドラマでロマンチックに演出するから、それに影響を受けた若者が踊ってしまうのだろう。

一方で、女性も「誕生日に高級レストランで、コース料理を楽しんだ後に、ひざまづいて指輪をはめて欲しい」と理想のプロポーズを友人に語る。

実際にプロポーズされた人は、友人に「記念日に、高級ホテルのディナーを予約してくれてて…」と切り出しながら自慢する。「ほら、みて、私、あなたたちより先に『幸せ』を手に入れたわ」と言わんばかりに指輪を見せびらかす。それを見た女友だちは、口では「おめでとう」と言うが、妬みや焦りで頭の中はいっぱいだ。こうした自慢合戦のおかげで、女性のプロポーズの理想が高まって、フラッシュモブまでエスカレートしてしまうのだ。なんという悲劇。

英語でプロポーズは「告白」であって、エンゲージリングは「従事する指輪」の意味。

プロポーズとは「生涯に渡り互いを愛し続ける」という契りの証明なのである。

これは覚悟の証明であって、決して友人に対して浮かれて話す自慢のネタではない。

「ねぇ、聞いて!プロポーズされちゃった!……指輪〇〇万円だってwww」

とか、

「〇〇ちゃんへのプロポーズ成功したわ!給料3ヶ月以上の指輪買ったからまじ金欠…笑」

なんてセリフを他人に吐くような人にはなりたくないものだ。


◆結婚して精神的に満たされる人の特徴1

結婚して精神的に満たされる人と、そうでない人の特徴がある。
これはジョージア州立大学の論文で発表された事実で、ある特徴の人は結婚した方が、精神的に満たされやすいようだ。

その特徴とは、「年収が800万円以下の人」らしい(30歳以下の若者のほとんどじゃん…笑)。

理由は、結婚することによって、ソーシャルサポート(生活費や家事分担)が充実するのと、自己肯定感(誰かの助けになっている、誰かから認められているという実感)が高まるから。
年収800万円以上の人は、家事は家政婦を雇えるし、空いた時間で人付き合いもしやすいので、別に結婚しなくても、自己肯定感に変化がない。

まぁ、そもそも年収800万円以上で30歳以下の人などほぼいないので、みんな、結婚した方が精神的に満たされるってことだね。


◆結婚して精神的に満たされる人の特徴2

バージニア州立大学の研究によると、結婚して幸せになれる人には4つの特徴があるんだって。その特徴は以下の通り。

1.結婚前の交際人数(体験人数)が5人以下の人
 研究結果では結婚前の交際人数が1人だった人は、5人の人よりも幸福度
 が高いことが分かった。
 体験人数が多い人ほど、何かにつけて昔の恋人と比べてしまうようだ。

2.結婚式に呼ぶ招待客が150人以上の人
 研究者いわく、「おそらく、友人や家族のネットワークが大きいカップル
 ほど、結婚生活が危なくなったときに、より多くの助けや励ましを受ける
 ことができるからだろう」とのこと。納得。

3.結婚前に同棲しない人
 なんとなく同棲してしまうと、ズルズルと同棲期間だけが過ぎて婚期を逃してしまったり、お互いの嫌なところが見えた時にすぐ別れてしまうから。事前に結婚の決意を固めることで、一緒に暮らすことに対してきっちり話し合うようになる可能性が高まるんだって。安易な同棲はやめておこう。

4.結婚後に子どもを授かる人
 研究者いわく、「子どもが結婚生活に与える影響についてはメリットとデ
 メリットがあるが、結婚前に子どもを作ることが、その後の生活に大きな
 ストレスを与えるのは間違いない」とのこと。

Tinderとかの出会い系アプリで簡単に出会える現代は体験人数が多い人が増えてそう。幸せな結婚生活を送るためにも、コロコロ恋人を変えないようにしよう。


◆夫婦円満の秘訣はあるのか

女房に持ってみればみな夢 小林一茶

亭主に持ってみればみな夢 遠藤周作

遠藤は続ける。

どんなに魅力的な相手でも、結婚すれば、その粗がはっきりわかるようになる。昔、自分が惚れたことが夢のように思われてくる。

しかし、これで不倫をしたり、無愛想になって離婚などしていたら、世間に夫婦という関係はなくなってしまうだろう。世の夫婦は、どのようにして、円満な夫婦生活を続けているのだろうか。

遠藤は愛の原則についてこう書いている。

愛の第一原則は「捨てぬこと」です。人生が愉快で楽しいなら、人生に愛は要りません。人生が辛く醜いからこそ、人生を捨てずにこれを生きようとするのが人生の愛です。男女間の愛でも同じことです。哀帝の火が消え、情熱が失せた状態で、しかも相手を「捨てぬ」ことが愛のはじまりです。相手の美点だけでなく、欠点やイヤな面を含めて本当の姿を見きわめ、しかもその本当の彼を捨てぬのが愛のはじまりです。恋なんて誰でもできるもの。愛こそ創り出すもの、と覚えておいてください。(生き上手 死に上手)

一方、フランスの大文豪サン=テグジュペリは寓話「星の王子さま」の中で愛についてこう書いた。

(自分の星で出会ったガールフレンドの1輪のバラと別れた王子さま。地球で出会った友達のキツネが、バラと王子さまの関係について語ったセリフ__)「じゃぁ秘密を教えるよ。とてもかんたんなことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない……きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」

東洋と西洋の愛についてわかりやすくまとめると、結婚後の愛とは……

・何があっても捨てないこと

・相手のために時間を費やすこと

・創り出すもの

この3つと言ったところだろう。

長年円満な夫婦は、自然とこの3つの原則を守っているのかもしれない。



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エシモ











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