”アクティブファンドって、結局受益者の何を解決しているのか。” / ”アクティブ投信でオーナーシップ投資をたのしもう!” から 2022年2月号
2020年2月から続けている #noteサークル です。
今回は
アクティブファンドって、結局受益者の何を解決しているのか。
こちらの「問い」について書いてみます。
この「問い」はサークルにご参加のメンバーの方が提示してくださったものです。
サークルの掲示板に僕自身が思いついたことを書き込んではいるのですが、どうまとめたらいいのか、自分なりの考え方を整理している途中にあります。
この問いの”何”は、受益者(投資家)が実現したいこと、求めていること、困りごと、自分では上手く解決するのができないこと、ってことになるのだと思います。
とすると、実現したいこと、求めていること、困りごと・・・そうしたコトって人それぞれに違っているはずです。ちょっと面倒なのでそうしたコトをここから「課題」と呼ばせてもらいます。ただ、公募投信が事業として機能するためには、似た課題を一定数の人たちが共有していることが必要になってきます。
そこで第一に出てくる課題が「株価指数あるいは市場平均に勝るリターン」になるんだろう、と思います。しかし、多くの方がご承知の通り、ほとんどのアクティブファンドはこの課題をクリアすることができていない、とされています。確かに、その通りなんだろう、って僕も思います。
ですから、僕もアクティブファンドに「株価指数あるいは市場平均に勝るリターン」を求めるのは筋が違うのでは、ないものねだりだと感じています。
「リターンは不確実、コストは確実」
よく耳にする言葉です。すみません、僕は「コスト」って言葉を使うのは嫌いなので、ここからは「フィー」と書きます(理由は こちら)。
リターンは不確実ですよね?
リターンは不確実、フィーは確実。
ということで、あらゆるファンド、投資信託、インデックスファンド、アクティブファンドを問わず、「フィーが低廉であることがとにかく大事」というドグマが蔓延っています(”ボーグルさんのドグマ”と勝手に呼んでいます)。
上述の「ほとんど大多数のアクティブファンドが株価指数に勝てない」その理由はフィーにある、と多くの人が信じているようです。僕自身は、ホンマかいなとずっと思っているので こんな定点観測 をしています。この定点観測を通じてホンマかいな、という疑念は強まるばかりです。
インデックスファンドでフィーの多寡に注意するのは理解できます。なぜなら、同じベンチマークに連動を目指すインデックスファンド同士。そのファンド同士でフィー控除前の成績にびっくりするほどの差がつくことは頻繁に起こることではありません。ベンチマークのポートフォリオにそっくりのコピーを造ろうとしているわけですから。
でも、アクティブファンドは違います。コピーではなくオリジナルなポートフォリオを創っているはずです。そして、そのリターンは不確実です。リターンは不確実なのに、アクティブファンドをフィーで判断するのは実におかしなことだと僕は思っています。
さて、僕はアクティブファンドが大好きです、実際たくさん投資して保有しています。もちろん、アクティブファンドならなんでも良いというわけではありません。ほとんどのアクティブファンドに魅力を感じていないのも確かです。こうして自分で選んだアクティブファンドがいくつもあって、いくつかのアクティブファンドとは長くお付き合いさせてもらっています。
それらのアクティブファンドは僕の課題を解決してくれている、ということです。
少し話を変えます。
”粗探し” ”重箱の隅をつつく” ”揚げ足を取る” の反対語、対義語って?
「いかがなものか」には”粗探し”だったり、”重箱の隅”だったり、”揚げ足”だったり、その類であることが結構多いように思います。
で、ふと思ったのです。
”粗探し” ”重箱の隅をつつく” ”揚げ足を取る” の反対語、対義語って?
ボキャブラリーが貧困なせいか、良い言葉が見つかりません。「良いとこ探し」?ま、そうなんですかねぇ(「いい部屋さがし」「いい家さがし」的な語感)。
そこから、こんな風に思ったわけです。日本人って”粗探し”の類は幼少からトレーニングされているけれど、対象の良いところを見つけ出して、褒め称える、ってのはほとんどトレーニングされていないのでは、ということです。
このプリント”「まちがい」さがし”って書かれています。鯉のぼり、スイカをお母さんに母の日のプレゼントで渡すのは「間違い!」と決めつけているように見えます。お母さんは鯉のぼりがめっちゃくちゃ好きで、スイカが大好物かもしれません。こうした「絶対の正解」が無いことに対しても、模範解答を設定して「粗探し」のスキルを幼い頃から高めているようにさえ思えます。
すみません! こうした発信こそが「粗探し」ですね!
何が言いたいか、というと、対象の良いところを見つけ出す、っていうとても大事なスキルを身につける機会がめちゃくちゃ少ないのでは?ということです。
正解が無いはずの「問い」なのに模範解答にこだわり、それと違っていることを「間違い(wrong)」と捉え、ひたすら間違いを避ける、怖がる、なるだけ忌避しようとする。
それが幼い頃から刷り込まれていたら「良いとこ探し」なんて無理ですやん!
「対象の良いところを見つけ出す」のが苦手だから、億劫だから、十分な経験が無いから、じゃないでしょうか。権威、多数派、声のデカい人、そうした評価に流れてしまう、その評価を「模範解答」にして、そこから先、考えを止めてしまうのは。
梅田望夫さんのこの言葉です、まさしく。
「粗探し」に費やす時間が増えれば、それだけ「良いとこ探し」の時間が減っているんですよね。これも一つの資本配分です。時間という貴重な資源、資本を「粗探し」「間違い探し」に費やすことを無駄だと言うつもりはありません。ただ、そればかりに精を出して、何か希望あるものを創り出せるんでしょうか。
先日参加したイベントで、ある投資会社の方の質疑応答を聞きました。
質問は、毎日のように目にする、耳にする日本悲観論。日本の会社に投資していて大丈夫でしょうか、っていうものでした。
投資会社の方は次のようにお答えになりました。
日本の会社を個々に見れば素晴らしい希望ある挑戦に取り組んでいる。そうした会社の業績はコロナ禍にあってもしっかりとしている、成長している。
そして、日本の若い起業家たちはとても優秀だと日々感じている、と。
投資って「良いとこ探し」の方が圧倒的に大事なんだと思います。
そして、そうした「良いとこ探し」の結果、将来を切り拓く、課題を解決する事業、会社に対して、実現するための資本を提供するのが金融なんだ!
今、投資教育、金融教育、呼び方はどうでもいいですが、学校でその種の教育が行われるようになることが話題になっていますが、「粗探しの社会、文化」の土壌に、そうした種を植えて素敵な実り、収穫を得られるのかなあ、って思っています。
話がそれました。
アクティブファンドに解決してほしい課題!
(個人の意見です)
僕の環境では、見つけ出しづらい、気づくことができない、見過ごしてしまう、そんな「良いとこ」を持つ会社を徹底的に探しほしい。
そして、
とにかくユニークなポートフォリオを。
さらに
そうした「良いとこ」溢れる会社と関係者になっているよろこびを
感じさせてほしい。
「勝ち負け」よりも「良いとこ」であり「ユニークさ」
「良いとこ」をたくさん見つけ出して、それを見守る。時にはもっと「良いとこ」になるよう対話、意見を伝える。
そうした課題が解決してくれることをアクティブファンドに期待しています。
これらが実現されていくと、僕の「会社好きな投資家」の成分がもっともっとふえていくと思います。新しい出会い、発見、よろこびも、もっとふえるはず!
「会社が好き」? どういうこと?と疑問をお持ちになったら、↓↓↓ の記事を一度お読みになってください。
上の記事をご覧になって ピンと来ないなあ、そうお感じになったらこのサークルはミスマッチになると思います。あらかじめお断りしておきます。
「会社が好きな投資家」の成分が多め、とお感じになったら、サークルへのご参加をご検討してみてください。
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