見出し画像

#NISA #つみたてNISA は「税金がとにかくかからないように」というものではない、と思います(個人の感想です)。

私は #NISA  を2014年から利用しています( #つみたてNISA  は選んでいません)。NISAは売却益が非課税になる非常に魅力的な制度だと考えています。ただ、好いことばかりではない、というか、注意しておくべき点がある制度です。

昨日、 #鎌倉投信  さんのイベントに参加してきました。

画像1

https://www.kamakuraim.jp/events/event-112144/

<初心者向け勉強会>資産運用と投資信託の基礎知識 ~社会も心も豊かになる投資をはじめよう!~

というテーマで、投資信託の仕組みと一緒に、NISA、つみたてNISAについて詳しく説明されていました。講師の方の説明が一通り終わった後の、参加者とのQ&Aを聞いていると、NISA、つみたてNISAに対する関心の強さを感じました。

一番強く感じたのは、NISA、つみたてNISAが併存することの複雑さです。その一方でもう一つ感じたのは、「何か上手く利用する方法、コツがあるのではないか」という期待のようなもの。

上述した通り、NISAで特に注意すべき点の一つ。非課税期間終了時の取り扱いです。

100万円で買った商品。非課税期間(NISAなら5年、つみたてNISAなら20年)終了時に、時価が120万円になっていたら非課税のメリットが得られます。しかし、時価が80万円になっていたら、100万円で買ったものを80万円で買ったことにされてしまう(非課税期間終了後に時価が100万円に戻ったところで売却した場合、売却益20万円に課税されます)、というデメリットが存在します。このデメリットが存在するため、非課税期間終了時の元本割れを回避したい、非課税のメリットを享受したい、享受できなければ意味ないじゃん、ということになるわけです。つまり、「税金をとにかくかからないように、払わなくて済むように」というルールを勝手に設けてしまっていませんか、ということです。

特につみたてNISAは、利用する多くの人にとって、長期での資産形成というのが重要な関心事であり、取り組む大きな理由と想像しています。しかし、この「非課税」という言葉が、次のような考え方につながっているような気がします。

+つみたてNISA(年間40万円)の枠でのみ取り組む。だって、それ以上投資したって、その部分は税金が掛かるんでしょ。

年間40万円という枠はそんなに小さいものでもありません。しかし、それ以上に余力があるのに、枠を超えた積立投資には取り組まない人もいるような印象を持ちます。枠を超えた投資で利益が出たら税金が掛かるのですが、課税されたっていいじゃないの、と私は思います。課税されるってことは利益が出ているんだから、資産が増えたのだから。
資産形成という文脈では、「非課税」枠がいくらだから、ということで投資に割り振るお金の額を決めるのは、そもそもおかしな話だと思うのです。年間40万円に足りなければつみたてNISAが優先される選択肢になりますが、年間40万円以上投資に回す余力があるのでれば、つみたてNISAと並行して課税口座でも投資することを考えた方が良いように私は思います。

+非課税期間終了時の元本割れを避けるためにバランスファンド(株式だけではなく、債券等を含んだファンド)。

確かに「非課税メリットを享受したい」が何よりも大事なことであれば、この考え方は理解できます。加えて、株式のみのファンドの場合、非課税期間終了時の元本割れの可能性は、バランスファンドに比べると高いでしょう。非課税期間の短いNISAなら、その可能性はそれなりに見込まれます。ただ、期待リターンは当然異なります。株式のみであれば年率5-7%程度に対して、債券を混ぜると半分程度になることでしょう。これがつみたてNISAの非課税期間20年で考えると、大きな差になってしまいます。

年6% → 20年後 3.2倍
年3% → 20年後 1.8倍

これはあくまで机上の計算で、値動きもありますから、非課税期間終了時の評価がバランスファンド>株式ファンドとなっている可能性はあり得ます。ただ、資産形成を考える場合、長い時間を与えることができるのであれば株式ファンドを選ぶのが合理的だと私は考えます(あくまで個人の感想です)。

「非課税」は非常に魅力的ですが、そこにあまり引っ張られずに、資産形成全体の中の一部としてどう活用するか、という考え方を持つべきだと私は思います。それだけに、複数の制度が併存するのは、「何か特別なコツ、ワザがあるんじゃないか」と考えさせたり、そこまでいかずとも「つみたてNISA、NISA、どっちがいいの」という疑問を持たせたりしているのは間違いありません(昨日のイベントでも話がなかなか噛み合わなかった!)。結果、初心者が取り組みづらくなって普及しない、という循環に陥っているのではないでしょうか。つみたてNISAは、投資信託を使って資産形成に取り組む人の入口の制度としては良いものだけに改善が期待されます。

(おまけ)
私のNISAでの実践は下記にて毎月更新しています!
良かったらご覧ください。


サポート頂いた際は、TableforKidsへの寄付に使わせていただきます。 https://note.com/renny/n/n944cba12dcf5