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スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド ウオッチ #103 / スパークス『華咲く中小型』ウオッチ #53 (2023年6月末) 

2023年、以下の2つのファンドの定点観測を1つの記事にまとめることにしました。

1つ目のファンド「対話の力」は2014年12月、2つ目のファンド「華咲く中小型」は2019年2月からお世話になっているファンドです。

前回の定点観測です。

それでは、投資先、ポートフォリオからチェックしてみます。


投資先・ポートフォリオ

対話の力

投資先数は前月末から増減なしの14社です。

レポートでは投資行動についてのコメントはありませんでした。新規投資、全売却ともに無かったのだろう、と推測します。

投資先の上位5社です。

前月末との見比べると、順位の変動ありますがトップ5のメンバーは変わりません。

1年前、2022年6月末の上位5社です。

上位5社では、MARUWAさん、EIZOさんが当時もトップ5でした。

月次レポートの本文では、MARUWAさんについて詳しく説明されています。

過去、MARUWAは⻑期にわたって決算説明資料を作っておらず、決算説明会も開催しておりませんでした。その点が株式市場で同 社の知名度が上がらなかった要因と考え、IR体制の改善を期待して同社との対話を継続してきました。そうした粘り強いエンゲージメントの 甲斐もあり、同社は2021年から決算説明会資料を作成し決算説明会をオンラインで開催しております。さらに2023年5月の通期決算 説明会では、あまり公の場で発言することのなかった神戶誠会⻑が登壇し、自ら投資家からの質疑に回答しました。こうした点からも、当ファンドでは同社の株式市場との対話姿勢に大きな改善が見られていると考えています。

投資先への働きかけが少しずつ成果を出しているんですね。投資先の価値を測る材料、情報が投資家に提供されることで、市場での評価は変わる。僕もそう思います。

華咲く中小型

投資先数は前月末比 3社増の67社。

業種別のトップ5では、機械がトップに。

投資行動については

引き続き既保有銘柄への買い増しとともに、株価が上昇し割安感が薄れた銘柄、当初の投資仮説から実態 が乖離したと判断した銘柄の売却を行っています。また、サプライチェーンの混乱による収益性低下が続いていたものの、自動車生産の整 流化による生産性の改善や新規顧客向けの案件獲得による成⻑が見込まれる自動車部品メーカーなどに新規投資を行いました。

”自動車部品メーカーなどに新規投資”と表現されていますが、投資先が3社増えていますから最低でも新規の投資先が3社あったことになります。保有株式を全売却した既存投資先の数が明記されていませんので4社以上かもしれません。

何度も同じことを書いていますが、シンプルに「x社に新規投資、y社を全売却」と明瞭に示す方が良いと思います。このスタイルの表現を堅持しているのでファンドの「譲れない」ポリシーなのだろう、と捉えています。

上位10社です。

前月末との比較では上位10社のメンバーに入れ替わりはありません。

1年前と見比べると5社が入れ替わっています。

表の右端の列は今年2月からTOPIXに変更しています。

今年1月までの右端の列、RN のデータ基のETFが上場廃止となったことによるものです。

https://nextfunds.jp/data/2023/td_230207a.pdf

今月のレポートでは投資先の 九電工 さんが詳しく紹介されています。

九州はTaiwan Semiconductor Manufacturing Company社(台湾)の新工場をはじめ、新たな半導体産業の集積地として改めて注目が集まっています。同社と のコミュニケーションの中でも、地の利が活かせる九州の方が首都圏のプロジェクトよりもより低リスクで高い収益性が期待できるとのコメント を得ており、九州地域の建設需要が回復してきたことは事業運営上の安定感が今後高まることを示唆していると考えます。

九電工さんはファンドの第13期(2019年1月〜2020年1月)からの投資先です。

受益権総口数の推移

対話の力

2023年6月は前月末比で受益権総口数が減少、ファンドからの資金純流出となりました。2ヶ月連続の資金純流出となりました。

華咲く中小型

こちらの6月は0.5億口の増加。受益権総口数増加=ファンドからの資金純流入です。2022年12月まで53ヶ月連続で資金純流出だったのが、一転、1月、2月は11億口、3月は6億口近い増加。4月は増加口数がここ3ヶ月と比べると大きく減少、5月はさらに減少しました。6月は5月並みの口数増となりました。次回もファンドへの資金純流入になるのか注目です。

パフォーマンス

対話の力

ローリングリターン を見てみましょう。

5年です。

ローリングリターン 5年

2018年6月末〜2023年6月末、この5年の保有で +35% となりました。

華咲く中小型

5年です。こちらは年率換算しています。

ローリングリターン 5年(年率換算)

2018年6月末〜2023年6月末の5年間は、年率4.7%でした。

ここまでのデータ期間数は138。マイナスになった期間は12です。最後にマイナスになったのは2007年12月末〜2017年12月末、以来、5年保有してマイナスになった期間はありません。

中央値は15.2%(前回 15.2%)となっています。

10年です。

ローリングリターン 10年(年率換算)

2013年6月末〜2023年6月末の10年間は、年率12.7%でした。2013年6月末に投資された元本は10年後、3.32倍(分配金は課税されずに再投資を想定)となりました。データの数は78。中央値は年率18.4%です。

定点観測のバックナンバー

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