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「プロセス・エコノミー」とアクティブファンド


プロセス・エコノミーとは「プロセスを共有するところがお金を稼ぐメインとなる」みたいな形のイメージです。

けんすうさんの記事です。

プロセス・エコノミー に対峙するのが アウトプット・エコノミー。とされています。

アウトプット・エコノミーは、「プロセスでは課金せずに、アウトプットで課金する」というものです。

コンテンツ等の世界では

そして、そのアウトプット・エコノミーで何が起きているかというと・・・。すべての水準が上がり続けているという状況です。

アウトプットの品質がどんどん上がっていて、「違い」をどこで生むか、という段階まで来ている、ってことだと理解しました。

私の関心は、アクティブファンド。

数があり過ぎて、アウトプット(パフォーマンス、運用成果)は千差万別、玉石混交、月とスッポン、ピンキリ・・・

ということで、アウトプット・エコノミーな感じがプンプンしています。

しかし、です。

今ここまで素晴らしいパフォーマンスを残してきたアクティブファンドが、将来も持続的にそのアウトプットを維持できるか、というと、そこは分かりません。なぜそのパフォーマンスを成し得たのか、という説明が仮にあったとしても、それは後講釈じゃないの?という指摘もあるかもしれません。でも、多くのアクティブファンドはそのような分析さえも、ほとんど発信していません。運用報告書等に書かれているケースもあるのですが、行動の羅列に過ぎない印象で、その判断、行動の背景、理由となった洞察、また、その基になった事実や発見等はほとんど語られません。

何が言いたいか、というと、ですね。アクティブファンドはアウトプットが不確かなんだから、プロセスで「違い」を感じさせて欲しい、ってことです。

例えば、こんな感じです。

#NVIC さんの月次レポート、これくらいに詳しく「プロセス」を説明する。それが普通になってもいいんじゃない?って思っています。

#鎌倉投信  さんの月次レポート「結いだより」。こちらは、ファンドの成績だけでなく、そのファンドを運営している鎌倉投信さんの事業活動のプロセスが、様々な関係者との関わりから、成り立っている、進捗していることを感じさせてくれます。


けんすうさんは「プロセス・エコノミー」の良い点を3つ挙げられています。

アクティブファンドの場合、その良い点3つのうち、最初の2つはどうかな?とは思うのですが、3つ目は得られると思うんですよね、「プロセス」をしっかりと示すことで。

そして3つ目が、「長期的なファンを増やせるかも」というところです。

2つ目の「寂しさの解消」も、あるかもしれませんね。

投資信託の先には、投資先、沢山の会社があります。その会社の事業活動が投資のリターンの源泉になるわけですが、その事業活動がどんなものか、どんな風に役立っているのか、それがどのように評価できるのか、アクティブファンドがそうした調査、分析のプロセスを共有してくれることで、「ああ、この会社に投資しているって、良いことなんだなあ」って思える場面がありますから。それは一種の「寂しさの解消」にもなるかもしれません。

投資の成果は、特に短期間になるほど、株式市況全体に大きく左右されますし、アウトプットは不安的、不確実なものです。それに、今まで立派な成績であっても、その成績は将来を何一つ約束しているものではありません。

アクティブファンドと長期でお付き合いできるか否かは、ファンド運営の「プロセス」が示されているか、丁寧に説明しようとする姿勢を持っているか、そこにかかっている。そんなプロセス・エコノミーになっていくのではないでしょうか。



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