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コムジェストさんの ”責任投資方針”

「ESG」という言葉は浸透して来ましたが自分は「責任投資」の方が浸透して欲しいと思っています。

K. Watanabe  さんと全く同じ想いです。

株式投資の果実は、投資先の事業活動から生まれるもの。その事業活動は地球環境や社会との関係、つながりあってこそ。である以上、事業活動には責任が伴いますし、また、投資家もそれに関わっているわけですから責任があると思うんですよね。地球環境や社会等に対する責任、これは全ての投資家が負っているとも思うのですが、無自覚なままの投資家もまだまだ多いようにも思います。

ですから、 #責任投資  という言葉がより数多く登場するようになって、ESG投資的な考え方が根付き始める、そう考えています。

ESG投資は儲かるのか?

この種の「問い」が投げかけられることが、そもそもおかしな話だとさえ思っています。

コムジェストは、顧客資産の「スチュワード(財産管理人)」として、 長期的・継続的に投資収益の獲得が見込める企業に投資することにより、お客様の長期的利益の保護を目指しています。このプロセスには、社会・環境面への影響を注視し、投資先企業が社会の持続的成長を支える存在となっているかを評価することも含まれます。これは、健全な投資収益を得るために不可欠というだけでなく、当社のお客様が投資家以外の形、すなわち消費者、従業員、市民、地球に暮らす住民として、投資先企業の影響を受けることから考えても、重要なプロセスと言えます。

コムジェストさんの”責任投資方針”。この方針が定められた理由から、です。

投資家、投資家から財産を託される投資会社、投資会社が選ぶ投資先の会社、その事業、その関係が、投資の果実の源であることが示されていると感じます。

コムジェストさんにとっての「責任投資とは」で述べられていることの中でも、下記は非常に印象的です。

「アクティブ投資家」であることは、アクティブ、すなわちベンチマークにとらわれない一部の企業を選定し、資金を投じる投資家を意味するだけでなく、(投資の結果として)市民社会や環境に前向きな影響をもたらすことを目指す投資家であることも意味します。
責任を持つためには、投資家はその企業のオーナーと同じような考え方をする必要があります。その会社の戦略目標だけでなく、顧客や従業員に会社が及ぼす影響までも考慮の対象としなければなりません。また責任ある投資家としては、基本的な問いにも答えを出して行かねばなりません。すなわち、この会社がどういった問題を抱え、それに対してどういった解決策を考えているのか、その行動をとった場合、直接・間接的にどの程度のコストが生じるのか、会社の正味の社会的効用を評価するにあたり、ベネフィット(便益)とコスト(費用)をどこ まで広く考慮するか、自分自身がその事業に投資し、その経営陣たちと共に働きたいと考えているのか、といっ た問いです。そして最後に、創出されたバリュー(価値)を利益に結びつけ、できる限り持続可能なものとする にはどうすべきか、という問題にも答えを出さねばなりません。

事業活動は「人」が為すものです。投資の果実の源は「関係」にあると考えれば、”事業に投資し、共に働く”という「関係」を持ちたいか、持つべきなのか、持つとすればそれをどう育てたいか、そこに尽きるということではないでしょうか。

これは投資家が財産を託す投資会社、ファンドを選ぶ際にも当てはまることだと思います。どんな投資会社と「関係」を持ちたいか、それをどう育てたいか。

お客様の資本を、社会や環境にプラスの影響を与える活動に適正な投資価格で配分する

投資家の財産をどのように配分するか、その判断を投資会社は委ねられています。

私たちは特定の目標や一貫した哲学が無いアセット・マネジャーは、一般的にはどのような投資家も求めていないようなサービスしか提供ができないと考えます。

投資会社にはなぜ哲学が必要なのか。哲学の重要性が示されています。

この後6ページ以降で、投資哲学、プロセスが詳しく説明されています。プロセスでは、「関係」を築くべき会社をどのように選び、どのように評価するか、また、「関係」を育てていくと言う意味で投資先の会社とどのような対話、エンゲージメントを重ねていくか、が具体的に説明されています。

以下の指摘が特に強く印象に残りました。

「“人的・自然・社会資本など、金銭以外の必要不 可欠で重要な資本”の利用がなければ、 ROICの向上は不可能である」
長期的に企業のROICを左右する主たる要因は、今も昔も顧客の信用であり、高い代金や料金を支払ってでも忠実であろうとする顧客の意思です。企業がそこまでの信用を勝ち取るには、本当の意味で社会的効用を生み出し、それを増大させるよう努めなければなりません。言い換えれば、イノベーションや差別化を 通じて、社会的なニーズを経済的な機会に転化できる能力が必要なのです。

30ページ近くからなる”責任投資方針”。非常に具体的な説明がなされていて、コムジェストさんの考えを理解する大きな助けとなりました。

コムジェストグループ責任投資方針

このレベルの方針を表明する投資会社が後に続くことを期待したいですね。

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