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人も歩けば棒に当たる

1日目 23,596歩 距離 15.66km

2日目 14,800歩 距離 10.39km

昨日までの2日間、金曜、土曜での僕の歩いたデータです。

2日間合計で38,000歩以上、歩きました。めっちゃ歩きました。

延長戦で120分の数字ですけど、1日目以上の距離を走っているんですね、サッカー選手、スゴい。

金曜日に休暇を取って関西に出かけてきました。その日のうちに新横浜まで移動、土曜日は鎌倉を訪れました。

2日間の旅行で得た学びはとても数多かったのですが、そのエッセンスは3つです。

スタートアップ=未来の富を生み出すエンジン

1日目、京都大学で聴講した朝倉祐介さんのご講演。そのスライドにこう書かれていました。僕にとってのキーワードは「未来」です。

投資とは、自分のお金をふやすためではなく、これからの社会をより善くし、さらには、様々な学びや出逢いを通じて人間的成長をもたらす。

2日目、鎌倉投信さんで聴講した鎌田恭幸さんのご講演。そのスライドからです。僕にとってのキーワードは「出逢い」です。このスライドの中には「未来」も含まれていますね。

「未来」「出逢い」この2つのキーワードに加えて、今回の旅行で最後のキーワードが「人も歩けば棒に当たる」です。現場に、そこに、その場所に行ってみることの大切さを痛感しました。

朝倉祐介さんのお話を一度ナマで聴いてみたかった

関係者のご厚意で聴講の機会を頂きました。関係者の皆さんに深く感謝しています。本当にありがとうございました。

この記事を見つけたのはいつだったでしょうか。数年前のことだと思います。20年近く前から10年ほど、僕もスタートアップ(当時は「ベンチャー企業」と呼んでましたね)の投資に関わっていました。その頃、悶々とさせられたことの一つが「ポストIPO」でした。

投資していた会社がなんとかIPOできた。例は少なかったけれど投資家として体験することが出来ました。しかし、株価は今ひとつ冴えない。冴えないというか株価は落ちるばかり。そこで上司に言われるわけです。

「もう売却しようや」

と。上司の言わんとすることも分かります。なんせ、上司はその会社のこと、事業やそこで働く人のこと、どんな未来をつくろうとしているのか、それらのことにほとんど理解も無いし、そもそも関心だって、、、彼が見ていたのは「株価」。それを今実現させたら、損益はどうなるか、そこにしか関心が無かった。

村上:一つは、説明責任を負ってる人、つまりステークホルダー・株主の理解レベルがV字で変化するってことがあるんでしょう。上場前は株主は事業やファイナンスに一定の理解のあるVCだから理解レベルは高い、でも上場すると個人株主が中心で理解度がどーんと下がる、そこから大企業になると海外の機関投資家が中心で、理解レベルがまたわーっと上がる。これが理解レベルがV字で変わるということ。 上場してから大企業になるまでの狭間のフェイズでは、必ずしもリテラシーの高くない投資家、事業に対する理解度が高くない投資家にも向き合っていかなければいけない。

朝倉:これ重要な話ですね。僕は自分の本の中でマザーズ上場後を「第二の死の谷」って呼びましたけど、本来はマーケットからより広くお金を集めるために上場しているはずなのに、現実にはIPO時くらいしかなかなか資金調達の機会もないし、上場前に支えてくれていたVCの方々もいなくなってしまう。

この箇所を読んだ際、「そうだよ、そうなんだよーーー」って僕は深く頷いたことをよく覚えています。

ミクシィの社長ということで当時朝倉さんのお名前は認知していましたが、朝倉さんへの関心が強くなったのは、この対談でした。プロフィールから。西宮のご出身。競馬。他にも僕に近しいな、と勝手に感じていました。

本もご紹介させていただいて。

今回、朝倉さんのご講演へのお誘いを頂戴しました。こりゃ、行かなきゃ!と。

この京都行きに絡めたいと思っていたこと。それを絡めることが出来ました。絡めたいと思っていたこととは、 #さんとしょ  への本を運んで並べる、ってことです。

実は、このクラウドファンディングに参加しました。

さんとしょ に本を並べたかった

この記事を読んで以来、「みんとしょ」にはめっちゃ興味があったんです。何か関わりを持てないだろか、と。昨年、僕が育った街、尼崎でプロジェクトがスタートしているのをクラウドファンディングの告知で知りました。

「1箱本棚オーナー」にならなアカン!

瞬時にそう感じましたので申し込みました。

この「さんとしょ」はオープンを間近に控えており、僕がオーナーになった棚に本を置くために尼崎に行かなあかん。朝倉さんのご講演と絡められないだろうか、、、絡めることが出来ました。午前に尼崎に入って、午後、京都へ移動。これだ、と。

僕の「1箱本棚」です。

この旅行計画を立てているところに、もう一つの目的が出来ました。

鎌倉投信さんに久しぶりに訪問したかった

鎌倉投信さんが久しぶりに本社に受益者を招いて対面ありのオンラインイベントを行われるとのこと。これは行きたい!となりました。昨年は『鎌倉殿』もありましたし、鎌倉に行きたいという想いが大きくなっていたところにこのイベント。

イベントスタートは午前。尼崎→京都の日帰りの翌日、自宅から鎌倉に行くのはちとしんどい。ということで新横浜で一泊する旅程にしました。

まとめると、こんな旅程です。

1日目:東京 → 尼崎 さんとしょ →京都 京都大学 →新横浜

2日目:新横浜 → 鎌倉 → 東京

実は初めての体験?

さきほど、育った街=尼崎 と書きました。でも、さんとしょのある商店街にはこれまで行ったことの無い場所だったのです。さんとしょのある商店街の最寄駅は阪神・出屋敷駅です。

尼崎市内は、梅田(大阪)と神戸・三宮とを結ぶ、3つの鉄道が東西に走っています。北に阪急、真ん中にJR、南に阪神。僕が育ったのは阪急沿線です。9歳まで暮らした京都でも阪急をよく利用していて、阪急のヘビーユーザーでした。18歳まで僕にとって電車といえば阪急だったのです。大学進学で上京後以降はJRを利用することが増えました。新幹線を降りて在来線に乗り換えて、大阪駅でさらに乗り換えはめんどくさいので。

そうなんです、阪神にはほとんど縁が無かったのです。甲子園球場に行く際に今津で乗り換えて甲子園まで、というくらいでした(甲子園でのお話は「こたつラジオ」でお話ししています。お時間があればお聞きになってみてください)。

阪神梅田から乗車して、尼崎、出屋敷に向かうのは初体験でした。出屋敷は「普通」しか停まらないので梅田で「普通」に乗ったら、何回も待ち合わせに遭いまして、、、尼崎駅でも何分か停車するというアナウンスがあったので降りちゃいました。尼崎駅に降り立って思い出しました。奈良に旅行に行った際、ここから電車に乗ったわ。

阪神で尼崎から大阪に向かったことはあるけど、逆はやっぱり初めてのはずです。それはまあさておき、「さんとしょ」を目指します。少し歩くとデカい鳥居に遭遇します。

尼崎にもえべっさんは鎮座されていたのか!恥ずかしながら知りませんでした。

さらに数分歩くとアーケードが見えるようになりました。迷うことなく到着できました。

1月28日がオープンとのことでまだ内装は完成途上です。

一段下がった窪みのところにはもうすぐ畳が敷かれるそうです。

オンラインでの説明会でお会いしたスタッフの方のご協力を得まして、本棚を選び、そこに持ち込んだ本を並べました。

尼崎のえべっさんの縁起物がロゴの隣に

色んなお話をお聞きしました。「さんとしょ」が生まれるまでの経緯とか。

強く印象に残ったお話で僕が知らなかったこと。

シャッター大手、三和シャッターさんのルーツがこの商店街だそうです。上のページで沿革を確認して「知らなかった!」と。そんな縁で「さんとしょ」とも関わりをお持ちのようです。知らないことはたくさんあって、現場に行ってみないと知ることはきっとない。そんなお話です。

ドラマ #エルピス  のロケ地だったことも教えてもらいました。あの怪しげな商店街は尼崎だったのです。これも知りませんでした。

尼崎で僕の実家の近くのケーキ屋さんのお話をしました。

そこからエーデルワイスさんのお話になりまして「実は僕の住む江東区、隅田川のすぐ近くにエーデルワイスさんの工場があるんですよ!」って。江東区と尼崎ってちょっと繋がっているんです、みたいなお話をしました。

どうですか、ご存知のブランド、いくつもあるのでは? エーデルワイスさん、スゴいぜ。

さんとしょ のオープン、とてもとても楽しみです。

さんとしょ から次の目的地、京都に向かいます。目指す駅は出屋敷です。一目見ておきたいと思っていたのが MonotaRO さんの本社ビル。

出屋敷の駅前のビルです。

(昨年話題になっていた)関西スーパーが1階のテナントに入っている駅ビルの3階。ちょっとした驚きでした。

MonotaRO さん、時価総額は1兆円に迫っていて市場の評価もすこぶる高い。その会社の本社ですからね。現地に足を運んでみないと分からないことは本当に山ほどあるものだ、と強く感じました。

出屋敷から大阪に戻ります。福島で下車。ランチに食べてみたいカレーを目指して。

最高に美味しかったです。ドリンクをコーヒーではなくラッシーにしたのはミスだったかも。

ランチを終えて京阪の中之島駅から京阪電車で京都に向かいます。電車に乗り込んで気づきます。京橋で特急に乗り換えるんや。このあたりの下調べは甘かった。でも、時間はたっぷりあります。京橋で特急に乗り換え。10年以上前、何度も乗った京阪電車。電車に揺られながら、淀を通過します。京都競馬場は大工事のまっただなかでした。

グランドオープンは4月なんですね。天皇賞(春)が最初のビッグレースかあ。楽しみです。

祇園四条駅で下車。

母方の祖父母、叔母の霊が眠る知恩院さんから、父方の先祖代々のお墓のある黒谷さんへと歩きました。

三門
御影堂

いつもは車で移動する知恩院さんと黒谷さんとの間。今回は歩きました。岡崎のうどん屋さんは行列してました。そこから少し黒谷さんまでの道の洋食屋さんにも行列が。このお店は知りませんでした。きっと美味しいんだろうなあ、と思いながら黒谷さんを目指します。

黒谷さんのお墓参りを終えてまだ時間に余裕がありました。

よし、京大まで歩いて行こう。途中、真如堂さん、吉田神社さんもお詣りして行こう!

真如堂さんはとても静かで厳かでした。吉田神社さんの写真は撮ってません。

京都大学に到着。ご先祖が眠る黒谷さんから随分と近いんだなあ、と感じました。道中は細めの静かな道でした。

朝倉祐介さんのご講演

なぜスタートアップなのか。それに絡めてミクシィ時代の生々しいお話をたくさんお聞きすることができました。非常に刺激的でした。何度も強調されていたのが「未来」という言葉。より良い未来を将来の世代に届ける。そこで大きな役割を果たすのがスタートアップだ、と。この旅の道中で感じていたことですが、特に三和シャッターのお話かなあ、今現在とは過去の先人の投資の結果、産物だということです。つまりは、今の僕たちの投資が未来をつくっている。一人一人の投資は小さい(大きい人もいるけれど)としても、その投資は何かの形で必ず未来をつくっているんだ。それを再認識しました。

ご講演の後、朝倉さんとお話しすることが出来ました。講演の中でもお話しされていたのですが「スタートアップに必要なのはお金なのか」という問い。日本はお金持ちになったからでしょうか、新しいものをつくるのにはお金があれば出来る、そんな思い込みを持ってしまって久しいと僕は感じています。朝倉さんもその趣旨のことをおっしゃっていたように思います。お金ではなく起業家の質と量をたかめなければ、と。

お金は確かに必要ですし「資本」のなかで大きなウエイトを占めるのは確かです。でも「資本」にはお金以外のものもとても大事。お金さえあれば新しいものが生まれるなんてことは無い。働く人がいて、その人たちが実現したい想い、叶えたい願い。それなくして新しいものなんて生まれっこない。そうした想い、願いを抱き行動する起業家がたくさん生まれてこその「お金」、それを結びつけるファイナンスだと思います。

朝倉さんは「アニマルスピリッツ=リスクに対する合理的判断力」がスタートアップに関わる人たち(起業家、投資家などなど)に必要なマインドセットだと説かれていました。実現したい想い、叶えたい願いとともにアニマルスピリッツが不可欠。僕もそう感じました。

「朝倉さん アニマルスピリッツ」で、こんな記事を見つけました。

公園でも「フライホイール」という言葉、使われてました。

起業家の質、量という観点で、教育に対して強い問題意識、関心をお持ちのように感じました。関係者の皆さんも教育に関心を向けられているのを感じました。今の投資行動が未来をつくる。そう考えれば教育は最も重要な投資ですよね。

朝倉さんにレイターステージ、というか、かなり大きな時価総額になっているスタートアップへの投資に注力されている背景、理由、考え方をお聞きしました。よく理解、納得できました。2桁あるいはそこから少し大きな時価総額でのIPOには依然としてこの論点が存在しています。もう一度引用します。

上場前は株主は事業やファイナンスに一定の理解のあるVCだから理解レベルは高い、でも上場すると個人株主が中心で理解度がどーんと下がる、そこから大企業になると海外の機関投資家が中心で、理解レベルがまたわーっと上がる。

「大企業になると」とされていますが、ほとんどの上場スタートアップは大企業にはなれない。その手前で、、、これなんとかなんないの?って今も僕は思っていて。

「スタートアップ=未来の富を生み出すエンジン」を一つでも多く実現させる。それに零細な個人投資家が何かできないものか、ということを考えたい。それを感じました。今の投資、ファイナンスが未来をつくる。未来の人たちに胸の張れる投資に一つでも多く投資家として関わりたい、と。

ナマで朝倉さんのお話を聴くために京都に出かけて本当に良かったです。朝倉さん、機会を下さった関係者の皆さんに厚く厚く御礼申し上げます。

1日目の夜、新横浜へ移動(ちょっと色々やらかしてしまったのですがこれも旅ですなあ)。

鎌倉投信さんに4年ぶり訪問

2日目の朝、ホテルをチェックアウト。ホテルの朝食をたっぷり頂いたので運動せねば、ということで。早めに鎌倉に入って鶴岡八幡宮にお詣り。

鎌倉殿 を観終えての現地はまたちょっと違いますね。ドラマのシーンが思い浮かびます。宝物殿も拝観。源頼朝公坐像、源実朝公坐像もしっかりと。

八幡宮から鎌倉投信さんに向かいます。

スクリーン上の鳩時計がポイント。
毎時30分は軽めのお知らせですが00分はかなり活発に時を知らせてくれます笑


鎌田さんとお会いするのは2019年の京都以来(だと記憶)。

講演の中で鎌田さんが強調されていたと思うのが 「価値」と「価格」との違い。

スライドの中で「投資の本質(その②)」として示されていたのは

株価(価格)ではなく価値に着目する

👉リターン(利益)は価値から生まれ、価格は価値に収斂する。

これはめちゃくちゃ大事なことですが、肚の奥底に落とし込む、据えつけるのはとてもとても難しいことだなあ、と日々感じます。それだけに、何度強調しても強調しすぎることの無いポイントだと思うのです。

鎌倉投信さんのスタンス、考え方は何も、全く、全然、変わっていませんでした。当然だと思っています。

イベントの後、鎌田さん、イベントの運営に携われていた社員の皆さんとお話しするお時間を頂きました。受益者の m@さん、Shimoyamaさんも交えて。Shimoyamaさんのツイートです。

長くお付き合いさせていただいている皆さん、また、鎌倉投信さんの初めてお目にかかる社員の皆さんとお話ししていて、感じたこと。それは「投資は出逢い」だということです。

講演の中で鎌田さんはこのお話をされていました。

「受益者総会があったから、自分はやり甲斐のある人生を歩むことができました。鎌倉投信には心から感謝しています」と、充実した表情で語る言葉に心震えました。この時、投資とは、「自分自身との出会い」であり、「人生の物語の始まり」なのだと感じました。

これまで、鎌倉投信の投資哲学や、「いい会社」の事業活動、その想いに触れ、何かを感じて自分の心に火を灯し、前向きな一歩を歩み出す受益者の方々を私は少なからず見てきました。こうした受益者に出会えることが、私にとって無上の喜びであり、当社事業の本質的価値ではないか、と感じます。鎌倉投信が掲げる「投資の果実=資産形成×社会形成×こころの形成」の中の、まさに「こころの形成」です。

お金は無色透明で色々なものとつながります。投資もまたしかり。投資を通じて、いい会社やいい商品、そこに込められた想い、それらが織りなす素敵な方々との出逢いもその一つでしょう。その中でも、究極の出会いは、自分自身、自分の内なる想いに気づくことなのかもしれません。

投資とは、「自分自身との出会い」

そうなんですよね。投資は未来をつくるもの、果実は未来からやってくるもの。であるとすれば、自分自身と出会うことはとても大切なことだと感じます。どんな未来であってほしいか、どんな未来を孫やその先を生きる人たちに届けたいか、それが投資に力を、意味を与えるだと思います。今回の「旅」でそれをあらためて感じました。

「旅行」のつもりで出発したけれど「旅」になった

今回の旅ははっきりした目的が3つもあったので「旅行」だと思っていました。でも、行程を進めていくなかで、人との出会いや発見、初めて知ることに触れて「旅」になっていった気がします。

多くの方はご存知だと思いますが、犬も歩けば棒に当たる。この諺には二つの、ほぼ逆の2つの意味があると言われています。

一つは、「何か物事をしようとする者は、それだけに何かと災難に会うことも多いものだ」という意味
(略)
もう一つは、「出歩けば思わぬ幸運に当たる」という意味

今回の旅で思いました。

出歩けば必ず何かしらの出逢いがあり、発見がある。もし出逢いや発見が得られなかったとしたらそれは僕の好奇心が足りないのだ、と。

人も歩けば棒に当たります。幸運に出逢える。そう信じます。

長い文章になりました。最後までお読みくださってありがとうございます! 

旅に関わってくださった皆さんにあらためて深く感謝、厚く御礼申し上げます。

ありがとうございました!!!

鎌倉投信さん 床の間

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