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NVIC "おおぶね" 月次レポートを読んで ー 2020年6月

濃厚!特濃!な月次レポートが発信されました。

農林中金〈パートナーズ〉おおぶねJAPAN(日本選抜)
2020年5月末基準 月次運用レポート

農林中金〈パートナーズ〉おおぶねグローバル(⻑期厳選)
2020年5月末基準 月次運用レポート

2つのファンドのレポート、共に投資先の1社をピックアップ、めちゃくちゃ丁寧に、詳しく、図表をたっぷり使って解説されています。

おおぶねJAPAN


今回ピックアップされたのは、 #丸井グループ  です。

「産業付加価値」と「競争優位性」、この2つの視点で、投資先として選定した背景、理由、「投資仮説」が示されています。詳しくは、レポートをご覧ください。

非常に重要だと感じられるのが、投資先との対話を行い、その過程で「投資仮説」を磨きつつ、今後のモニターにも活かそうとされている点です。投資として選別した以上は「同じ船」。この姿勢が投資先にもしっかりと理解されているからこその「対話」。こうした「対話」がさらに新しい価値のきっかけになることだってあるかもしれません(そうそう、簡単なことではないと思いますが)。

おおぶねグローバル


今回ピックアップされたのは、米国の害虫駆除サービスの Rollins です。

こちらでも、投資先との対話に焦点が絞られています。

(i) ⻑期投資プロセスと、そこから生み出される会社とのリレーションシップ、 (ii) コロナ環境下でいかにこの⻑期的な 関係性をレバレッジ出来たか、について

Rollins との対話はもちろんですが、競合の会社との対話(取材?調査?)についても説明されています。この対話、調査の積み重ねにより、投資先がなぜ顧客から支持されるのか、それを活かして更なる価値創出の機会はどこにありそうか、弱点・脅威は何か、についての洞察を深めることができる、その結果、より精緻な投資仮説を磨き上げるのではないか、と推察されます。

投資先の数だけ投資仮説はあるはずなのに、、、


会社の価値をしっかり測って投資判断をするファンドマネジャーであれば、本来、投資先の数だけ投資仮説を持っているはずです。しかしながら、個人投資家向けの公募投信でそれが具体的に披露されることは、極めて稀なことだと私は理解しています。(例外の一例は こちら

でも、よく考えてみてください。

投資仮説をどうつくっているのか、具体的に説明していないマネジャーに資金を長く託すこと、それそのものがおかしなことだと思いませんか。どんなプロセスで投資先を選別するのか、その際に、どんな仮説を持って判断したのか。投資先の一覧を見て、個人投資家に想像してくださいねー、って、これからも、ずーっと、このままで良いとお考えなのでしょうか???

もちろん、全ての投資先について語ることは難しいことが多いでしょう。しかし、そのつくり方の例、プロセスや視点を具体的に示すことは極々当たり前のことだと思うのです。

多くのファンドマネジャーがこれに真正面から向き合わない理由として、2つ考えられます。一つは、ファンドの資金を託している投資家を腹の底から信用していないから。そして、もう一つは、・・・これは書かないでおきましょう。

こうしたことが当たり前でないがために、何が起きているか。

アクティブファンドを心から信頼する、愛する投資家が全然増えないのです。

この件に関しては、情報を持っているのはファンド側です。ファンド側が率先して、投資家を信用して、意識を、行動を、変えない限り、何一つ変わらないことでしょう。

農林中金バリューインベストメンツ さんに続くファンドの出現を待望します。

https://www.nvic.co.jp/fund/obune_japan/

https://www.nvic.co.jp/fund/obune_global/

前回の記事です。ご一緒にご覧くださると嬉しいです。


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