4年以上続いた「評価損」をあらためて振り返ってみる

(「みんなのフォトギャラリー」にて"歴史"で検索すると、懐かしい人形劇の写真を発見!)

先日のこのイベントの後半、パネルトークにご登壇してくださったnoteディレクターの平野太一さん。その平野さんのこのツイートの♥が200以上も!

後半のパネルトークで竹川美奈子さんのご紹介されたスライドの元ネタはこちらです。

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2006年4月末から2019年8月末まで、私の #コツコツ投資  (投資信託を活用した株式投資でじっくり、ゆっくり資産形成を目指す!) の月次(毎月末)の様子を示したグラフです。13年以上の経過を示しているのですが、赤い折れ線グラフが青で塗りつぶした部分に潜り込んでいる(青の線を下回っている)状態が「評価損」状態です。このグラフではちょっと分かりにくいかもしれませんが、2008年7月から2012年11月まで、実に53ヶ月連続で「評価損」状態でした。これが平野さんのツイートにあった「4年以上マイナス」です。

そこで、このノートではあらためてその「4年以上マイナス」を振り返ってみます。

リーマンショックから金融危機へ

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より分かり易くするために2010年5月までで区切ってみました。

これを見てあらためて気づいたことです。

+リーマンショックのあった2008年9月の段階では1割程度の評価損だったのが、2009年1月にかけてズルズルとその評価損を増やしていた。

+リーマンショックでいきなりマイナスに突入したわけではなく、その少し前から既にマイナス、要は株価は下落基調になっていた。

この時期、私がどういう行動を取っていたかを説明します。

保有していた投資信託の解約(現金化)は一切行っていません。むしろ、追加で多く買っていました。毎月コツコツと買っているのとは別に、追加で。ただ、こうした行動を取れたのはリーマンショックからしばらくの間だけでした。上のグラフの2009年1月頃には追加の買付はできませんでした。というのも、毎日、毎日、株価が下がっていたので、どこまで下がるんだろう?と考えだしたからです。ずっと追加で買付ける原資もありませんでしたが、この「どこまで下がるねん?」というのが一番、印象に残っています。この経験から得た学びは「株価の底値は分からない」ということです。同じように「株価の天井も分からない」と気づきました。

2010年5月末でグラフを区切ってみたのは、この翌月に、最初の「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」が行われたからです。このイベントは、コツコツ投資を実践する個人投資家の情報交換、懇親を目的とした「飲み会」です。島田知保さん、竹川美奈子さんと一緒に発起したこの催しは、その後、コツコツと続けてきて既に100回を超えています。当時、私のポートフォリオは最悪の状態からは脱していましたが、上のグラフの通り、依然「評価損」でした。リーマンショックや金融危機の大幅な株価下落のせいでコツコツ投資を断念した人も多かったろう、仲間がいたら継続できるんじゃないか、というのがこの催しを始めた大きな理由でした。

「やれやれ」と「そろそろ」

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2008年7月に始まった「評価損」はその後、結局、2012年11月まで続きました。2012年12月に遂に「評価益」状態となりました。実はこのタイミングが重要な分かれ目になる場合があります。

長く続いた「評価損」が「評価益」に転じたその時、こう感じる人がいるそうです。

やれやれ

と。そして、長く続けていたコツコツ投資をやめてしまうそうです。もったいない、と個人的に思います。これからでしょ!って思いますよね。確かにまたすぐに「評価損」に戻る可能性もあるわけでそれは避けたい、ってことなのでしょうけれど。

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その後、私のポートフォリオの評価は、2014年8月、投資額の1.5倍以上に達します。こういう区切りっぽい数字を超えると、

そろそろ、いいだろう

と感じる人も出て来るようです。ここでもやはり、またいつ下がってしまうか分からないし、利益確定させたい、利確したい、という気持ちがメラメラと沸き立ってしまうのでしょう。その気持ち、理解できます。確かにここから減ってしまう可能性もあるわけですし。ただ、現金が必要な状況ではないのに全部解約しちゃうのはどうかな、って思ったりします。ここで一旦利益確定して、株価が下がったらまた始めれば良いということなのでしょうけど、一度全て止めてしまって新たに始めるのは、実はものすごく難しいのではないか、と想像しています。

私自身は、「やれやれ」も「そろそろ」も一度も感じることはありませんでした。

「ずっと、ずっと」

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さらにグラフを引き延ばして最新の状況です。私はずっと続けていくつもりです、コツコツ投資を。現在よりもグッと評価益が減ること、場合によってはまた評価損になることも想定しています。それでも、ずっと続けます。

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青で塗りつぶした面積が投資元本です。これが積み上がっているわけですが、仮に評価損に再び転じたとしても、この元本が積み上がっていることで、株価が回復に転じた際の絶対額は非常に大きなものになるからです。だから、コツコツと、ずっと続けたいのです。

20190911_自分の信じる世界_2

株式投資、資産運用の話で多くは、2つ目「運用利回り:何に投資するか」ということになってしまいがちですが、非常に長い時間軸では実はあまり変わらないのではないか、と考えています。適切に分散された株式のポートフォリオであれば年率5-7%辺りに落ち着くのではないでしょうか、それがパッシブ運用であっても、アクティブ運用であっても。なので、商品選びは重要ではあるものの、元本と時間をどう確保するか、増やすか、の方が遥かに大事ですよ。何より「自分で」何とかやり繰りできることなんですよね。

元本、時間をふやすためには

元本をふやすということは、より多くのお金を投じるということですからリスクテイクをふやすということです。時間をふやすということは、「やれやれ」「そろそろ」ではなく、「ずっと、ずっと」の姿勢を崩さないということです。

そこで大事なことは、やっぱり、「株式投資とは何か、どんなことなのか」ということに対する理解と納得に尽きると思います。理解と納得が深まらない段階で身の丈を超えたリスクを取ってしまうと、長続きしません。「やれやれ」や「そろそろ」が出て来るのではないでしょうか。

「ずっと、ずっと」でコツコツ投資を続けることが、大きな成果をもたらすと私は信じています。将来はどうなるか分からないですけれど、とにかくやめることなく「ずっと、ずっと」続けるつもりです。

このような体験談、「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」にお越し下さったらお話しできると思います。私だけでなく、コツコツ投資を実践されている皆さん、始めたばかりの人も、ベテランさんもいらっしゃるので、色々な学びを得られるものと思います。次回のご参加お申し込みは下記のページからお願いします。

私自身のコツコツ投資の続けている様子はnoteマガジンで毎月更新しています。良かったらフォローしてみてください。


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