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手で触ることなく「ネジ」の緩みに気づけますか

竹川美奈子さんの投資家さんへのインタビュー記事。最新号が届きました。

インタビュー相手は下山さん。尊敬する投資家のお一人です。

いろんな面で尊敬しているのですが、寄付について自分で考えるきっかけをいただけたことに深く感謝しています。

さて、今回の記事を読んで個人的に最もグッときた言葉が

手触り感

です。記事のタイトルでも使われていますね。

下山さんのインタビューでも触れられている、農林中金バリューインベストメンツの奥野一成さん。奥野さんの「ネジ」の話が思い出されました。

投資はモノづくりと同じです。頭の中で考えるだけではなく、世界中のたくさんの人に会って話を聞き、自分が立てた仮説が正しいかどうかを一つ一つ確かめていく。手作業でネジを1本ずつ締めていくような地道な仕事です。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52389550Q9A121C1000000/

ネジを1本ずつ締めていく。ネジが緩んでいないか、確かめていくには「手触り感」が必須でしょう。触ることなく目視だけでは無理だろう、ってことです。

手で触る対象は「実体」になります。

「影」は手で触れませんし、影には「ネジ」はありません。

利益も「影」みたいなものですね。そこに「ネジ」は無い、そう思います。

だから、事業そのものの付加価値、その経済性に目を凝らして、触ってみて、はじめて「ネジ」の様子が掴めるのでしょう。また、その作業を繰り返すことで、より的確に様子を判断することもできるものと想像します。

”手触り感”の大切さを感じる時

この数年、世界的に株価は堅調でした。どぎつい下げ相場は無かったように思います。こうした地合いでは”手触り感”の大切さを感じることは少ないように思います。

”手触り感”が効いてくるのは、株価が大きく下げた時。僕はそう考えています。

”手触り感”をもたらすのは実体との接触。つまり、実体(投資先の会社)の事業への関心、理解です。株価が下がったとしても、その事業と照らし合わすことができる可能性が高いものと考えています。

”手触り感”が無い場合、おそらく見ているのは「影」、特に株価しか見ていない可能性が高い。そうすると、株価の大きな下落に遭遇すると、衝動的な行動をとってしまうのではないか、と想像されます。

また、ネジの数が何百、何千に及んでいる場合はどうなのだろう、って思います。

ちゃんとメンテナンスできるのか。いざ何かガタが来たら、どのネジが具合が悪いか、って分かるのかなあ、と。

実体を手で触るのはどのくらいの頻度なのですか、ネジはどこなのか、わかっていますか。「影」しかみていない、ってことはないですよね、とか。

”手触り感”ある株式投資の効果効能を感じる、痛感するタイミングはいずれやってくるでしょう。それが何時になるのか、どのくらいのものか、は事前に予想することはできませんが。

下山さんのインタビューからも”手触り感”の大切さを再確認しました。



下山さんに僕がインタビューしたポッドキャストです。昨年9月の録音です。

よかったらこちらもお聞きになってみてください。


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