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沿革”《「沿」は前に因って変わらない、「革」は旧を改め新しくする意》物事の移り変わりのこと”への興味。それが、投資家の第一歩かもしれない

「投資家は、企業を支えてきたリレーの中で、いまバトンを持つ走者である」

ろくすけさんのブログからです。


IPOなり増資の引き受けならまだしも、株式市場において既に流通している株を買ったところで 企業には1円も入らないのに、果たしてそれが企業を応援することになるのか?

この問いに対する ろくすけさんの冒頭の答え、めちゃくちゃ素晴らしい!って思いました。

私もブログで一度、これに対する答えを書いています。

株式市場で株式を買ってもそのお金は会社に届くわけじゃないよ」というものです。しかし、この指摘は的外れだとボクは考えています。この考え方を十分に理解している人が株主になれば、この説明で示されている関係が、会社と株主の間に生まれるはずです。一時間後、一分後、一秒後には売ってしまう投機家が株式を売買するのとは、わけが違うんです。
個別の会社の株式に投資する、投資信託に投資する、そのいずれであっても、この本質を理解していることが長期的な成果に大きな影響を与えるとボクは考えています。

つまり、「会社の中身をしっかりと理解して、会社が生み出す価値、その持続性を評価したから」株式を買った人が株主になるのと、「株価が騰がりそうだから、1時間後、1分後、1秒後には売るつもりで」株式を買った人が株主になるのでは、大違い、全然違うということです。

このブログの記事に岡本和久さんもコメントをお寄せくださいました。

「株式市場で株式を買ってもそのお金は会社に届くわけじゃないよ」という声に対するコメントはその通りで異論はありません。私も「お金と心」のP114にゴルフ会員権の例で説明しています。新規募集(IPO)でない限り、ゴルフ会員権を買ってもその代金はゴルフ場にはいかないですよね。でも、ゴルフ場でプレイする権利は得ることができるのです。同じように、流通市場で株を買えば、その企業のビジネスの成果に参加できる権利を得られるということです。


ろくすけさんの 「投資家は、企業を支えてきたリレーの中で、いまバトンを持つ走者である」 には、時間、歴史の要素が加わっているところにグッときました。大きな気づきがありました。

・当初の出資者の意思を引き継ぐべく、彼らが賛同したであろう創業者の志を理解すること
(事業を通して、何らかの形で社会に貢献したいという想いがあったはずです)

・その志を受け継いで発展してきた企業のこれまでの歴史を知ること

私がリスペクトの目で大きな興味を寄せる投資家、 #みさき投資  さん。みさき投資の中神さんの著書、「投資される経営 売買される経営」からです。

調査対象となった会社については過去の社史を読み込んで、そもそもの出自はどういうものであったか、社名に込められた想いとはどんなものか、どういった出来事があって現在の姿に至ったのか、といった基礎的な時事を把握します。中期計画を出している企業の場合は、過去に遡ってどのような目標を立ててきたか、その達成度合いはどうか、そもそもどういった背景をもって作られた中期計画だったのかなどを確認します。そうやって歴史を紐解きながら、現在提供しているサービスはどういった点に優位性があるか、・・・・

調査の過程で、社史を読み込むことをこちらの対談でもコメントされています。


今年、読んだ本の中の一冊ですが、著者の山本潤さんもこんなことを書かれていました。

歴史を振り返ることは投資においては必須です。

山本潤. 初心者でも勝率99%の株ポートフォリオ戦略 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.553-554). Kindle 版.


私が毎月、月次レポートをウオッチしている(毎月コツコツ追加投資している)投資信託、 #おおぶねJAPAN  

毎月、投資先の1社についてとても詳しく紹介されています。毎回紹介されているのが、沿革です。

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株式を持つ、オーナーになる、事業に参画する以上、その会社の成り立ちを知っておくのは当然のことだろう、というメッセージを感じます。ろくすけさんの言葉で行けば、どんな風にバトンが繋がれてきたかを知っておく、どんなリレーを走ってきたのか、を知ることの大切さ。ろくすけさんも言われる通り、それを知っているかいないかで、バトンを握る強さが変わってくると私も思います。

会社の沿革を確認してみると、時々、へぇーー、って思わされる話に出会うことがあります。例えば、 #島精機製作所  さんです。

会社設立から3年目の1964年、島正博は手袋編機の開発に日夜邁進するも、開発資金が底をつき6,000万円もの借金を抱えていました。そして60万円の手形決済を翌日に控えた同年12月24日には資金繰りに目途が立たず、倒産寸前の窮地に立たされていました。しかしこの日の夕刻、奇跡が起きます。

業績は今厳しい状況にあるようです。鎌倉投信さん を通じて、投資しているので、これからに注目しています。

どんなリレーを走ってきたのかを知ること。この先どう走っていくのかを想像すること。株式を買うこと、オーナーになることは、そのバトンを担う、握ることなんですよね。

非常に印象的な指摘、刺激をくださった、ろくすけさんに深く感謝です。


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