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NISAには、「投資(投機ではなく)が資産づくりの王道だ」と広く認知されるための制度となって欲しい!

昨日つくった記事です。

2019年にNISA口座を持っていた人のうち、つみたてNISAで42.3%、一般NISAで56%の人たちが全く利用しなかったんですね。

一般NISAの場合、NISAが出来た時の口座獲得キャンペーン合戦の名残のような気もするのですが、つみたてNISAが出来た際に、アホみたいなキャンペーンは無かったように記憶するので、ここまで非稼働口座が多いというのはかなり意外でした。なぜ、どうして、ってその理由、背景、妄想してしまいます。

昨年、ある金融機関の初心者向けの説明会に参加しました。その説明会は、資産運用、投資信託の基礎的な知識が前半、つみたてNISA・一般NISAの制度の説明が後半、で構成されていました。説明が終わってからの質疑応答。そのほぼ全てがつみたてNISA・一般NISAへの質問で占められていました。制度への強い関心を感じました。

つみたてNISAと一般NISA、一体どちらが良いのですか(=有利なのですか)?

といった趣旨の質問です。さらに、制度の変更の話が報道されていたので、それに対する質問も寄せられていました。

そう、NISA、変更されるんですよね。竹川美奈子さんが詳しくご説明してくださっています。

よくもまあこれだけ複雑に出来るなあ、という印象です。つみたてNISAはまだシンプルですが、新NISAはグチャグチャという気がします。つみたてNISAに誘導するために意図的にグチャグチャにしたのかもしれない、そう思われるくらいに。

ただ、これは2024年のお話。現時点では、これに比べれば遥かにマシですね。

ところで、つみたてNISAにせよ、一般NISAにせよ、関心を寄せられる一番の理由は何でしょうか。ほぼ間違いなく「税金が優遇される(税金がかからない)から」だと思います。みんな、大好きですよね、「税金がかからない」という言葉。その言葉だけでなんだか「おトク」ってイメージしちゃいませんか?

でも、NISAがしっかりと根付くことを考えた場合、この「税金がかからない」を一番最初に強調することこそが、実は大きな間違いだと私は思っています。

NISAで税金がかからないのはどういう場合でしょうか。

NISA口座で買った株式や投資信託等が買った値段よりも騰がって売却した時。

NISA口座で買った株式や投資信託等から配当や分配金を受け取った時。

「利益」が発生してはじめて、その「税金がかからない」メリットを享受できるのです。当然ですが「損失」が発生した場合に、それを補填してくれるような制度ではありません。

株式や投資信託を買うことで、どのように「収益」が生み出されて、どのように資産形成の助けになるのか、そこに対する正しい理解、深い納得がとても重要です。

それが無いと、NISA口座で短期で値上がりそうな株式や投資信託を買って、少し騰がったところで「利益確定」。「やった!税金を払わずに済んだぞ!」となるわけです。冒頭の記事にも挿したグラフの一つです。

残高時価_買付累計_NISA

税優遇される期間が5年の一般NISAは買い付けられた金額の半分も残高に残っていないのが実状です。長く保有されることなく、税優遇のメリットのために早めの利益確定が行われたことが窺えます。


「投資」と「投機」の違いについて、農林中金バリューインベストメンツ #NVIC の奥野一成さんの定義を、らこすけさんが記事に書かれていました。

奥野さんの「農地」の喩えを基にすると、農地の値段、「価格」の動きにベットすること=「投機」、農地そのものが生みだすもの、「価値」の今後の成長に別途すること=「投資」ということになります。一般NISAは「投資」を勧めるための制度としてつくられたはず(それは建前で、なんでもいいから証券取引が活発になるように「税制優遇」することが真の目的だった?)なのに、実は「投機」のために使われるケースが大多数だった、と言えるかもしれません。「貯蓄から投機」だった、と。

何が言いたいか。

しっかりと価値をつくりだし続けることができる会社を選び出し、その会社がその見立て通りに価値を実際につくり出してくれれば、その会社の株式を長期で持っていれば、「オーナー」であれば、相応の果実を得られる。もちろん、その評価は株式市場で日々動くので、それなりの期間、評価損という状態もあるかもしれない。だけど、そういう会社の「オーナー」であれば報われる可能性が高い、時間軸が長ければ長いほど。だから、株式への長期投資は資産形成の王道なんだ。

このことをしっかりと理解、深く納得していなければ、「投資」で利益を得るのは困難だと思います。NISAのメリットを享受するためには、この理解、納得が必須だと考えます。というよりも、です。税制優遇なんて無くても構わないのです。これさえ理解、腹の底から納得していれば。もちろん、私もNISAは利用しています。でも、NISAがあるから投資しているのではありません。

NISAを使えば税金をまけてもらえるから投資する。

それは違う!と思うのです。

確かに関心を持つきっかけは、みんな大好き「税金がかからない」でも良いと思います。しかし、行動を起こした後も、ずっと、徹頭徹尾、「税金がかからない」に最大の注意を向けるのは おかしくない? と思うのです。どんな考え方を持つかは人それぞれで他人があれこれ言うのは無粋だとわかっていますが、書いちゃいました笑

NISA、とりわけ、つみたてNISAは、いわば、

株式や投資信託を活用した長期投資での資産づくりを自走できるようになるための補助輪

と理解すべきなんだろう、と思います。一歩踏み出すためのインセンティブとしての税制優遇であるべきなのに、「税金がまけてもらえますよ、おトクですよ」という誘導の仕方は おかしい! と私は思います。ある方がおっしゃっていました。「投資で果実、リターン、利益を実現すれば、税金を納めるのは当然のことだと思う」と。私もその通りだと思います。

時間をかけてじっくりと資産づくりするのに、株式投資が最も理に適っている。ただ、投資先を分散したい。だから、投資信託で株式投資に取り組む。NISAはその過程で有利な制度だから、一部を利用する。

私はこう考えています。

NISA、つみたてNISAをきっかけに投資に取り組み始めた方も多いかと思いますが、「税金がまけてもらえる」ということに意識を向ける(そこに意識が向いていると、どうしても「利益確定」を急ぐことになると想像します)よりは、自分の投資している、「オーナー」になっている会社が、持続的に社会に価値を届け、それが市場にきちんと評価され続ける存在であるか、により大きな注意を向ける方が良いのではないか、と私は思います。大きなお世話ですかね?

NISAが、「投機」ではなく「投資」を根付かせるための制度になってほしい。

私は切にそう願っています。


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