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連句よもやま話

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連句にまつわる耳寄りなお話をどうぞ。
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和漢連句を巻いてみた 洛中落胡

和漢連句を巻いてみた 洛中落胡

 大坂連句懇話会の小池さんに「和漢連句をやりませんか」と誘われて、本会の迷鳥子さんと一緒におじゃますることになりました。お先達は鵜飼桜千子先生です。ちなみに先生はコロナワクチン三回目で三十九度を超える発熱があったそうです。
 コロナ下での開催ですので、リモートでの開催ということで、ズームインしてみると、遊凪さんとか木村ふうさんとか関西では常連の方々はもちろん、鹿児島の五郎丸さんなんかもいて、全部で

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俳諧奇談連句雑談 その三  梅村光明

俳諧奇談連句雑談 その三  梅村光明

 今回も引き続き『醒酔笑』に掲載された、連歌・俳諧絡みの笑話を今風に読み下して参ります。
 「東京やなぎ句会」の発足時からのメンバーの一人、矢野誠一氏の著書に『落語歳時記』というのがあり、その新年の項の「初天神」について書かれた箇所では、天満宮での神事としての「鷽替」が説明され、それに関係す
る記述の原典として、『醒酔笑』巻之一、「謂被謂物之由来」の冒頭のエピソードが紹介されています。それが左記の

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俳諧奇談連句雑談 その二  梅村光明

俳諧奇談連句雑談 その二  梅村光明

 『醒酔笑』(一六二八年編纂・安楽庵策伝・岩波文庫)から、引き続き連歌に関わる笑話を紹介しましょう。

  〈有馬の湯が腰折れに効く〉
 宗祇が有馬温泉に滞在中、人々が寄り合って歌などを詠んで遊んでいるところに出くわし、「ここに居られる旅の僧も、もし思いよりたる事あらば、言うても見給え」と傍若無人の扱いに、「音に聞く有馬の出湯は薬にてこしおれ歌の集まりぞする」。

  〈連歌用語で小言〉
 連歌に

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俳諧奇談連句雑談 その一  梅村光明

俳諧奇談連句雑談 その一  梅村光明

 連句は、古くは俳諧の連歌と呼ばれこれを職業とする人は俳諧師、さらに遡る連歌全盛期には、連歌師と称されていた。それに纏わるエピソードを三つ。
 『醒酔笑』(一六二八年)編纂・安楽庵策伝(岩波文庫)は、落語家の元祖と称される策伝が、戦国時代の奇談・笑話を収集して上梓した笑話集。中には当代随一の連歌師であった宗祇に関わる逸話が多く採録されており、そのひとつ。
 宗祇東国修業の旅の途上に、二間四面の綺麗

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