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洋服記録98_完敗ラガー

極太ボーダーがなんだか懐かしい。

ファッション暗黒時代、少しでもお洒落な服を手に入れようと、
当時流行っていたラガーシャツを購入した。
エンジとネイビーに白い襟。
王道の配色をチョイスした。

安パイとなったラガーシャツの個人的ブームは続き、
某大衆アパレル店でのバイト時の接客用にも購入。
ちょうどラガーシャツの2BUYOFFを実施していたため、
仲の良かった一回り年上の契約社員の男性に声をかけ、
メンズとウィメンズをセットで購入したのだ。

その人とシフトが被った日は、
軽いペアルックを楽しんでいた。

この男性。
当時32歳で彼女なし。
かつての振られた理由は「やさしいけど奥手過ぎる」という
穏やかでややオタク気質な性格で、
そらジローを思わせる顔立ちとフォルムも相まって、
私は「好き」を公言していた。

言うまでもなく、
「好き」には種類がある。

LOVEもあればLIKEもあるし、
LIKEにも至らぬ土俵違いのものもある。
それはよそ様が連れている子犬に吸い寄せられてしまうような、
ちいかわグッズを大人買いしてしまうような、
そういう類の感情である。

だがラガシャツの一件で、
私は何かのスイッチを押してしまったようだ。

他にも複数人のバイトが残っているにも関わらず、
夜道は危険だと私だけ自家用車で送ってくれたり、
ロッカーを開けたら私が好きなキャラグッズが入っていたり、
誕生日には事務所の冷蔵庫にケーキが入っていたりした。

しかも誕生日当日は早番で本人は不在だったにもかかわらず、
別の社員に私の誕生日を祝うように言付けたようで、
たまたま当日居合わせたメンバーは
訳も分からずハッピーバースデーを歌わされる羽目になった。

これらの行為は、
残念ながら迷惑行為である。
しかも衆人環視という条件が加わることで、
「タチの悪い迷惑行為」へ昇格される。

そろそろなんとかしなれば・・・と思っていた矢先、
またしても車で送るという申し出を受けた。

到着すると、
自らも車を降りてくるそらジロー。

※画像はお借りしました

私が話をどう切り出すか迷っていると、
それを別の雰囲気と勘違いしたのか、
じりっと迫りくるそらジロー。

※画像はお借りしました

すると防御態勢を取ろうとした瞬前、
これまでに見たことのない素早さで、
ほっぺにチューされた。


はあああぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~?!?


ほっぺにチューて。
書くだけでも恥ずかしいわ。

奥手だかそらジローだか知らないが、
強引さを見せたと思いきや突如発動された中二行為に、
いろいろ言葉を探していた気遣いを葬り去り、
「すいませんいろいろ無理です・・・」
とシンプルに伝えて終了。

そらジローの乱、終焉。

それから約1か月後、
私は同じバイト先で同い年の彼氏を作ったのだが、
ある時バイト上がりに一緒に帰ろうと事務所を出ると、
その様子を偶然そらジローが見掛けた模様。

周囲にあの二人は付き合っているのか?!と確認を取ると、
そのまま倉庫へ直行。
空のパッキン(段ボール)をボッコボコに殴っていたそうだ。

それ以来、
ラガーシャツは部屋着へ降格。

安パイなアイテムを一つ失った瞬間であった。

その後もmixi(なつかしい)で
毎年私の誕生日にメッセージを送り続けてくれたそらジロー。
いまどこで何をしているのだろうか。

そんな今日の天気は、
曇天、時々雨。

極太ボーダーのコーディネート備忘録

 

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