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洋服記録80_骨格は3Dで捉えよ

私の頭はまるい。

いや、一般的に人の頭は丸いものだが、
なんと言うか、
本当に見事なまでの「」なのである。

ヘッドスパに行こうものなら、十中八九言われる。
初めて行く美容院でも、ほぼ全員から指摘される。

丸顔という顔かたちの話が2Dの世界なら、
こちらは完全に3Dの世界。
頭を立体的な物体として捉えた時に、丸い。
いや、「球い」のである。

同類のエピドートはつい先日も。
食事をしている最中に自分のおでこの広さを晒す機会があったのだが(なんだその機会)、
「おでこが広いっていうか・・・頭が球い」
という一言で終わった。
子どものころからの盛大なコンプレックスだったおでこよりも、
頭蓋骨の球体感のインパクトの方が勝ってしまった哀しさよ。
 
そんなボールのような頭を持つ私であるが、
つい最近、意外なメリットを発見した。
 
ビーニータイプの帽子がきれいに被れる。
 
今までの私は、おでこを出す恐怖感から、
どんな帽子も前髪を出すスタイルで被っていた。
だが環境配慮とコンプレックスで触れた通り、
もはやでこ出しスタイルに対して虚無の精神に突入した昨今、
前髪をすべてinして帽子を被ることに抵抗が無くなってきた。
 
思い切って顔を晒け出してみると、
なんというか、例えるならば
「ゆで卵のような」美しさを覚えた。
 
美人とか、綺麗とか、決してそんなおこがましいことではなく、
いわゆる「造型美」の世界。

彫刻家が3年がかりで完成させました的な、
つるりとした球体の美学を披露することに成功。
全てのチルドレンに、おめでとう。

このビーニーであるが、
実はこれまで生きてきて一度しか被ったことがなかった代物であった。

学生時代にスノボ旅行に行った際、
スキー場でニット帽を亡くして困っていた私に、
当時ギャル男ファッションに目覚めたばかりの友人が私服で被ってきていたビーニーを貸してくれたのだ。

当時まだ、人前でおでこを出せなかった私は、
帽子の縁から一生懸命前髪を出そうと試行錯誤した。
だがビーニーに前髪を挟んだ状態でぐっと抑えるだけの耐力はなく、すぐに脱げる。
前髪を巻き込んでぐっと深めに被ろうものなら、だんだん下がってきて目が塞がる。
しかも目に前髪が刺さって死ぬほど痛い。

ある時点で我慢の限界に達した私は、
人の私服を借りているということも忘れて頭からビーニーを引っ剥がし、
ぎゅっと小さく丸めてウエアのポケットにねじ込んだ。←最低
そこから潔く帽子なしでスノボを楽しんだのであった。

そんな相性の悪さしか感じなかったビーニーに今年ふと挑戦し、
思い切って前髪を全部収めてみた結果、
前段の通り自分の球さを実感するに至った。

自分の顔かたちを2Dで捉えていたあの頃には、
まったく気付かなかった芸術の欠片。

自分自身を3Dで捉え、そしてその実態を認めるには、
客観的な視点と居直りが必須だと痛感したアラフォーであった。

ビーニーのコーディネート備忘録

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