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洋服記録82_体格相性診断

長年自分の体と生きていると、
自分が着てもいい服と着てはいけない服というのは、
一目で判別できる。

私のように肩幅や上半身に厚みがあるタイプは、
首元の詰まったクルーネックやぴたぴたのタートルネックはご法度。

鎖骨ががっつり見える広めのVネックや、
大きな目で編まれたオーバーサイズのニット、
袖口や裾がフレアになったトップスなど、
全体的にざっくりとしたものであれば、比較的似合いやすい。

これらは、少しでも自身のガタイの良さを誤魔化すために、
幼少期から苦し紛れに見出してきた防衛策である。

これは私の持論なのだが、
体格は人の性格に大きな影響を及ぼすと思う。

幼少期から、小さくて華奢な女の子の隣に並ぶことを避けてきた。
並ぶと露骨にわかるのだが、
自分が、でかい。

背が高いとか大柄とか、そういうことではなく、
とにかく、でかい。
骨格そのものが、どうしようもなく、でかい。

その状況下においては、どう頑張っても、
かわいらしく、か弱く、守ってあげたくなるような女の子にはなれない。

幼いながらにもその事実を受け止めた私は、
強くて、男勝りで、多少のことではへこたれない女児になり、
負けず嫌いで正義感を振りかざす学級委員タイプの女子生徒になり、
正攻法ではなくちょっと変わった女ポジションを狙う女性社員になった。

これは卵が先か鶏が先かの論争と同じで、
体格の問題があるから性格が歪むのか、
もともと歪んだ性格が体格により助長されるのか、
どちらなのかはわからない。

そしてこの問題は、
男女間においても大きな影響を及ぼす。

体格のよい私は、
横に並ぶ相手には自分より大きな体格を望むのであるが、
過去に一度、線の細い男性の横を歩く期間があった。

ヒールを避けたり、なるべくスリムな洋服を選んだり、
私は私でできることを精一杯やっていた。

が、体格差というのは、
ちょっとやそっとで埋まるものではない。

彼の太ももは私のふくらはぎぐらいしかなかったし、
あの骨盤の細さと言ったら。
本当に自分が嫌になった。

何より、ただ隣を歩くだけで漂うあの鬼嫁感。
パッと見でわかってしまう、滲み出る両者の力関係。
ただ並ぶだけで、男側には頼りなさが、女側には強さが、
ドライアイスのようにもうもうと立ち込めてくる。

そして気が付いたのは、
彼は彼で、相当な悩みと葛藤を抱えていたということだ。

効果が出ているようにはまったく見えなかったが、
毎日せっせとプロテインを飲んでいた。
履くのはユニクロのパンツばかりでファッションに興味がないのかと思っていたが、
普通のアパレルブランドには彼のサイズがないのでユニクロに頼るしかないのだと知った。
海外に行ったときには巨大なアメリカ人店員に、
「君のサイズはキッズコーナーへ」と言われて結構マジで凹んでいた。

男尊女卑的な発想で申し訳ないが、
我々の体格が逆だったなら・・・
と思ったことは数知れない。

そうこうしているうちに生まれた違和感は、
そのまま関係性の違和感につながっていく。
なぜなら、
体格と人格には密接な関係があるからである。

つい先日、昔の恩師から、
自分のコンプレックスは自分だけのチャームポイントである、と言われたのだか、
自分もこうした考え方ができる人間だったなら…とつくづく思う。

どうしようもない体格をカバーするのではなく、
どうにでもできる性格でカバーすべきであった。

過去~現在に反省の念を馳せ、
今日も体格改善のトレーニングに精を出すアラフォーであった。

ざっくりニットのコーディネート備忘録

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