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人の可能性を開くために、何が重要なのか?

私が一人で勝手に研究し続けているテーマです。

研究しているといっても、ただの素人であり、独学で本や論文を読んでいるだけなので、確実なことは何もわかっていません。

ただ、素人らしく「勝手な仮説」は持っています(笑)。

人の可能性の開き具合=能力+発達段階

ではないか?という仮説です。

そして、「能力」は3つの要素で構成されているのではないかと考えています。

①遺伝
②訓練
③環境

遺伝の話

人間が物理的な「肉体」という器を持っている限り、この遺伝の影響から完全に自由になることは不可能でしょう。また、それは人類という種族が多様性を維持するためにも、必要なものだと考えます。

重要なのは、どんな特性を遺伝によって有しているのか?という点ですが、これはあくまで「部分」しかわからないのが現状でしょう。

例えば、性格。半分が遺伝で、半分が環境などの後天的な影響により形作られると考えられています。

そして、年齢が上がれば上がるほど、遺伝の影響が大きくなるとのこと。

この「性格」の一側面を数値化して掴むために、心理学ではBig5という指標がよく使われているようです。私も分析をしてみたことがあるのですが、納得のいく結果でした。

とはいえ、この指標で性格の全てがわかるわけではなく、あくまで多少の傾向を掴めるというもの。それでも、何もわからないよりは、ずいぶんマシだと思います。

訓練

人間という生物の特性の一つとして、「繰り返せば、熟達する」というのは一つの事実として、認めておいた方がいいと思います。

たしかに、続けてさえいれば全員が世界一になれるわけではありません。しかし、それでも少しずつ上手くなるのは間違いないのです。

当然ながら、仕事や大会での結果を求めるならば、他者との比較が必須となります。しかし、自分が熟達したか否かだけを考えるならば、やればやるほど上手くなるのです。

どんなことであろうと、繰り返せば「昨日の自分」よりはほんの少しずつ熟達できることは、知っておいた方がいいと思うのです。

この事実が「自分を諦める」人を一人でも減らすのではないかと、仮説しています。

環境

先日、オンラインで開催された先の熊谷晋一朗先生が仰った言葉です。

見事に表現してくれています。

どれだけ個人に能力があろうと、その特性を活かす環境がなければ、無能としてしまう……。

環境の影響を無視してまで、自身の能力だけでどこまでも可能性を開いていく人は、1%くらいしかいないのではないかと仮説しています。

これは企業の採用コンサルの仕事をしてきて、確信するようになりました。

採用段階でどれだけ良い人が来てくれても、組織の側に活かす場ができていなければ、あっさりと個が持つ良さを殺してしまう……。

そして、企業の中ではあっさりと「退職」という結末を迎えてしまうのです。こういう企業がいつまでも人手不足で困っています。外部の人間からすると、あまりに明らかな構造なのですが、内部にいると気づけないのも人間のようです。

以上、3点が簡単に「能力」を言葉にしてみました。

能力とは別軸の発達段階

次はもう一つの大きな要素「発達段階」です。

人の可能性の開き具合=能力(遺伝・環境・訓練)+発達段階

発達心理学の分野として「成人発達理論」というものがあります。人がどのように発達していくのかを研究し、モデル化している領域です。

発達段階がいくつあるのかは、まだわかっていません。提唱者によって様々な解釈が生まれてきています。

一例として、ロバート・キーガン先生が提唱されている発達段階をご紹介します。

人はこのような段階を経て、発達していくのではないかというモデルです。

そして、この成人発達理論のとても興味深いところは、
「発達段階が上がれば上がるほど必ずしもいいわけではない」
という点にあります。

本人が幸福度の最大化を目的とするならば、34段階に留まるのも有効です。

しかし、どうしてもさらに上の段階を目指さざるをえなくなれば、数多の苦しみが待っていたとしても、その一歩を踏み出さざるをえない……。

「成長すること、上に行くことは良いこと」という安直な構造がここにはありません。この視点は極めて重要だと思っています。

成人発達理論を詳しく知りたい方がおられましたら、こちらの本がわかりやすいように思います。

著者の方が日本人なので、翻訳書ではないからこその読みやすさがあります。

まとめ

大まかではありますが、現時点の私の仮説を言葉にしてみました。

人の可能性の開き具合=能力(遺伝・環境・訓練)+発達段階(成人発達理論)

考えていることを書き出しただけなのですが、言語化すると本当に整理されますね。

これも私にとっては一つの「試す」です。

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