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「幸せになるために〇〇をする」は間違い?

こんな本があります。

認知行動療法の一つであるACTという手法について書かれた本です。この本の結論はタイトルが全て。本のタイトルとしては、最高級だと思います。

「幸せになるため」に何かをするのは気を付けたほうがいい

今まで就職支援の講師や、新入社員研修などで、若い世代の方々に向けて話す時、
「就活もキャリアも、自分が幸せになるための手段でしかない」
という話をしてきました。

あれだけ偉そうに講義をしておきながら、今の私は完全に白旗を挙げています。明らかに私が間違っていました。今まで講義を受けてくれていた方々には、心から謝りたいです……。

ポジティブ心理学の研究者として、ミハイ・チクセントミハイ先生という有名な方がおられます。

先生が提唱しておられるのが、「フロー理論」というもの。

要するに、没頭することで高いパフォーマンスを発揮できる心理構造をモデル化したのです。

時間を流れを忘れるほど何かに没頭した経験はありませんか?ゲームでも映画でもスポーツでも何でも構いません。あれこそ、まさにフローの状態に入った状態です。

しかし、映画を見ようとした時に
「私はこの映画を見て、幸せになるぞ!幸せを感じるぞ!」
などと考え続けていては、物語に全く感情移入はできないでしょう。

スポーツも同じです。競技をしている最中は、目の前のプレーに集中していることと思います。

「ここで点を取れば、私の幸福度が上がるぞー!」
などと考えていては、明らかに気が散っていますので、良いプレーもできません。

しかし、幸せのことなど一切考えずに、今この瞬間のプレーに没頭し、勝利が確定した瞬間、結果論として喜びが湧いてくることと思います。

ここで出てくる幸福感は結果論に過ぎません。単なる副産物といっていい。幸せは目的にはならない。目的にしてしまうと、遠ざかってしまう不思議なものなのです。

目標にするなら、むしろ「没頭」の方でしょう。自分がどのような環境で、どのような活動であれば、没頭しやすいのか。

自分が没頭しやすい「環境的条件」を整える

ちなみに、まさに今私はこの文章を書くために、近所の喫茶店に来ています。私という存在は、家にいると、どうしても気が散ってしまう傾向を持っています。

そこで、文章を書く以外にやることがなくなるように、体を喫茶店に持っていくと、文章を書く確率が各段に上がります。
(それでも100%ではありませんが・苦笑)

考えながら書いている間は、没頭しています。
書き上げたら、「お、一応は言葉にできた!」と一人で勝手に喜んでいます。

完全にただの自己満足です。でも、その積み重ねが「文章を書く」という能力をほんの少しずつ熟達させてくれます。

誰もが最初は「下手」から始まるもの。下手なうちに、諸先輩方をどんどん真似て、教わり、学んでいきます。

できることが増えるのは、人間にとって「嬉しいこと」ですから。

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