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甘えると甘やかし

 私の大好きな児童精神科医の佐々木正美先生の著書で「過保護のススメ」という本がある。

過保護というとあまりよいイメージはない人が多いと思う。
しかし、おそらくそれを分かりつつ、先生は臆することなく本のタイトルにしている。

佐々木正美先生が仰ってること
「子どもが望むことをしてあげてください」

子どもの甘えを受けとめること。おんぶをして欲しいといえば、おんぶをする。牛乳が飲みたいと言えば牛乳をコップに入れてだす。
一見、それは甘やかしているように見えるかもしれないが、甘やかしではない。

甘やかしというのは、子どもが望んでないことを先回りしてやること。親が良かれと思ってやってしまうこと。

末っ子の息子が中学の時の甘やかし(過干渉)の話。
朝から雨が降っていた。午後から部活があった。
結構な土砂降りだったが部活の時間帯には小雨になっていた。息子は、「自転車で行く」と言った。しかし、夫(息子の父親)は、「雨が降っているのだから送ってやらないとかわいほう」と言い出した。
息子は仕方なく車に乗り込んだが、後部座席でムスッとしていた。
学校の近くまで行くと、同級生が自転車で来る姿が。
「だから自転車で行くって言ったのに!戻って!自転車にするから!!」
と、いつもは口数少なく感情も出さない息子が声を荒げで怒った。すぐさま、自宅に帰り、息子は自転車に乗り走り去った。

高校の時の話の甘え(過保護)の話。
息子は、電車で通っていた。朝、起きるのも遅くてその後もいつもゆっくりで、息子は駅まで送って欲しいというのでいつも私が車で送っていた。
側から見れば「甘やかしている」「高校生にもなって…」ということになるのだろう。

しかし、私は佐々木正美先生の言葉を信じていた。子どもが望んでいるのだからその間は高校生であってもやってあげようと考えていた。

みごとに3年間、駅まで送り、駅まで迎えに行った。

 そんな息子が今は、長野県の大学に行き、一人暮らしをしている。 
 車を運転する息子は、友達に頼まれると送迎をしているようだ。

 甘えることを十分できた子は、安心して自律していく。 

 身をもって経験した。
 長野から帰ってくると必ず祖父母のところに顔を出し、そして仏壇とお墓に手をあわせにいく。そんなこと言ったことも教えたこともないのに。 

 どうかみなさん、子どもの気持ちを尊重し十分お子さんを甘えさせてあげてください。

 甘えると甘やかしは違いに気づこう。

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