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デンマーク 2月の楽しみ ファステラウンボーラ

今回は、デンマークの2月のお祭、ファステラウン(Fastelavn)と、この時期だけのスイーツ、ファステラウンボーラ(Fastelavnsboller)をご紹介します。

冬のお祭り ファステラウン

デンマークのファステラウンは、キリスト教に由来するお祭りです。ファステラウンという言葉は、直訳すると断食の前夜という意味。実際の日付は移動祭日で、2024年のファステラウンは 2月11日でした。

キリスト教には、キリストが受けた苦難に思いを馳せて身を清める斎戒の時期として、受難節があります。40日間の断食(肉や脂ものなどを食べない)期間とされており、断食に入る前に、盛大に前夜祭が行われます。

デンマークは以前はカソリックだったため、その時代に起源があると考えられていて、昔は盛大に大人もパーティーをしていたとのことですが、今はヨーロッパを中心に見られる子供達を中心とした仮装パレードのお祭りになりました。

デンマークの2月は、まだ日が短く暗い時期。春はまだ遠くて日が短い、
そんな季節を楽しむお祭りだったのではと思います。

子供の楽しみ、仮装行列

ファステラウンといえば、仮装行列!日本では、仮装で有名なのはハロウィンですが、デンマークではハロウィンのように子供たちが盛大に仮装するんです。

シェラン島北部の観光案内サイト visitnordsjaelland.dkより

大人が宴会をしていた時代から、悪魔祓い、悪を追い払うという意味で、熊や悪魔など恐ろしい扮装をするという習慣があったとのことで、これが子供達の仮装パーティにつながっています。
今年見てきた方に聞きましたが、今ではピカチュウとかマリオの仮装ももちろんあり、子供たちの楽しいお祭りになっているようです。

お祭りのもう1つのイベントが、樽を叩いてお菓子をもらうというもの。
以前は悪の象徴である黒猫を樽に入れて、猫が逃げ出すまで樽を叩く=悪魔を追い払うというものだったそうですが、昨今では動物愛護の観点から黒猫の絵を貼り付けた樽にお菓子が詰められる形になったそうです。

国営放送TV2の記事、各地で行われたお祭りの様子が動画で見られます↓

大人の楽しみ、ファステラウンボーラ

大人にとっての楽しみは、ファステラウンボーラ(Fastelavnsboller)を食べること!このお祭りに向けて、1月の上旬からベーカリーで続々と販売が始まります。
ボーラというのは丸パンの意味で、デンマークのお祝いに欠かせない存在です。お誕生日のときは(ケーキ以外に)バターたっぷりの甘い丸パンを焼くんですよ。

有名ベーカリー Meyersのレシピページより

ファステラウンボーラは、中にはマジパン(アーモンドの甘いペースト)と、カスタードのようなケーキクリームが入っていて、上にチョコレートがけ、が一般的。
2つのタイプがあります。こちらのタイプが、いわゆる丸パン。クラシックとか、昔ながらのファステラウンボーラ(gammeldags fastelavnsboller)と呼ばれています。

もう1つのタイプは、デニッシュ生地でできています。同じようにクリームやマジパンが入っているのですが、そこはベーカリーの腕の見せ所。アーモンドやピスタチオ、ベリーのコンポート、りんごなどの果物、クリームなどを使って、いろいろな味わいのファステラウンボーラーが発売されています。

ベーカリーLagkagehusetの2024年ファステラウンボーラー4種類(Facebookより)

日本で楽しめるファステラウンボーラ

日本ではベーカリーのアンデルセンが発売しています!2月いっぱいの発売予定とのこと。チョコ&マンダリンオレンジ、いちご&ルバーブの2種類です。下はデニッシュ生地、中にコンポートとクリーム、上はカリッとしたキャラメルのディスクが載っています。

いちご&ルバーブのフェステラウンボーラ(アンデルセンHPより)

東京にお住まいの方は、吉祥寺のデンマークカフェ、ヴェルべコメさんで3月1日〜のデンマーク マルシェで出されるそうです♡

冒頭の画像は、ヴェルべコメさんのファステラウンボーラーです!

デンマークでは、まだまだ長い暗い季節。
ひとときの楽しみである、ファステラウン。

みなさんもファステラウンボーラで、春を待つひととき、
ゆったりとヒュッゲな時間を。



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