デンマーク 季節の幸せー春のヒュッゲ
今回は、デンマークの春を楽しむ、ポスケ(Påske)をご紹介します。
長い冬の終わり
デンマークは北欧で緯度が高いため、日照時間が夏と冬で大きく異なります。
冬は9時頃にようやく空が明るくなり、日の入りは15時半ごろ。冬は寒くて暗い時間が長く、太陽が出ている時間は貴重です。季節の楽しみ、冬のヒュッゲでお伝えしましたが、冬は暗く寒い季節。家で過ごすことを楽しむ時期になります。読書や料理など、家の中でできることを楽しむ人も増えますし、考え方としても内省的になるそうです。
日本では春分をそこまで体感しにくいかもしれませんが、昼と夜の時間が同じになるとき。デンマークでは今頃は日照時間が日本とほぼ同じになります。
暗い冬が終わり、明るい季節がやって来るのです。ここからは夏に向けて、人々が活動的、社交的になっていきます。
春を祝うポスケ
春の訪れを迎え祝うのが、キリスト教の祝祭、復活祭です。英語圏ではイースター、デンマーク語ではPåske (ポスケ)と呼びます。
キリスト教ではクリスマスと並んで重要な祝祭で、キリストが磔刑のあとに復活したことを祝うものです。デンマークの国教はキリスト教ですので、復活祭は盛大に祝われます。
復活祭は移動祝日で、春分の日の後、最初の満月の次の日曜日と定められています。今年は3月31日(日)が復活祭の日です。多くの欧州のキリスト教の国では、復活祭のため祝日になっています。
3月28日はSkærtorsdag、29日はLangfredag、31日はPåskedag。そして 4月1日は2. Påskedagと言って、3月28日から4月1日まで祝日です。学校は今年は第13週、3月24日(日)から始まり、4月1日の復活祭翌日までお休みです。
学校もお休みになる、イースター休暇。クリスマスと並んで休日の多いこの時期は親戚と集まって食事をしたり、みんなで遊んだり。または休暇を使って旅行に出る人も多くいます。
復活を表す「卵」
復活祭では、キリストの復活を祝うため、生命の象徴である「卵」、そしてその誕生を表すひよこの意匠がよく使われます。
ゆで卵にペイントするイースターエッグ、卵の殻を使った飾り付けなどはキリスト教の文化がある国にはよくみられますね。
デンマークではシンプルな枝を使う飾り付けが人気があります。
デンマークの雑貨店、ソストレーネグレーネはDIYで季節を楽しむヒントを発信しています。こちらは今年のイースターエッグのペイントのヒントです。
こちらは、友人のもの。ロイヤルコペンハーゲンで絵付けをされていたお友達が作られた、お手製イースターエッグ飾りなのだそう!
季節の楽しみ、ポスケの集まり
復活祭の時期に集まる食事会を、Påskebord(ポスケボア、直訳は復活祭のテーブルという意味)と言います。
親戚で集まって、みんなで遊んだり、ごはんを作ったり。みんなで過ごします。そのため、この時期には多くのレシピサイトで、ポスケボアのメニューが出るのです。
チキンのサラダやタルトレットなど、伝統的なメニューがありますが、もちろんそこには卵も!デンマークの国民食、スモーブローというオープンサンドでは、ゆで卵とグリーンランドの甘エビを使ったメニューがポピュラーです。
そして忘れちゃいけない、甘いもの。
他の国にももちろんありますが、卵形のチョコレートがさまざまなお店で売り出されます。
卵の意匠を使う飾り付けとして、キャロットケーキやマフィンの上に、卵を飾るのもこの季節ならでは。
デンマークではこのチョコレートの卵を作るのも、多くの家庭で子供と楽しむようです。
みんなで集まることを楽しむ季節。ゆで卵やエッグサラダのサンドイッチなど、日本でもお馴染みのメニューですね。
デンマークの春を、味わいから楽しんでみるのもいいなと思います。
ヒュッゲな時間になりますように。
デンマークの幸せの秘訣、ヒュッゲな時間をもっと広めるためにサポートいただけたら嬉しいです! いただいたサポートはオープンサンドの試作など、デンマークの食文化研究に使わせていただきます。