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大人の階段

先日、娘の2歳の誕生日と数日違いで自分も30代後半の階段をしっかり一段また上がったわけですが、ここのところ、またノンアルコールビール生活が始まった。

第三子…ではなく。
ついに血液検査で引っかかるという失態。

深刻な話ではないのだけれど、お医者さんに普段の飲酒量を伝えたところ、"Stop it." と怖い顔して言われたのでやめることにしました。平日は。

確かに息子の産後1ヶ月ちょいで母乳辞めてからは家でビールを水替わりに飲む生活になっていた。ビールじゃ酔わないし、若いころに比べたら飲み会の数は各段に減って、ハードリカーを飲むことなんてほとんどない。自分のお酒の許容量はしっかり理解できているし人にも迷惑かけないし、ずいぶんと大人な飲み方になったもんだなあと思っていたのが大間違い。見ようによっちゃ若い頃のやんちゃな飲み方より、中年の哀愁漂う惰性飲みの方がずっと危ないのですというお話。

やんちゃ飲みってのは場の雰囲気がそうさせるものであって、リミットが外れて一気に大量のアルコールを飲むから急性アル中とかは本当に危ないけど、通常若くて元気な身体って言うのはそうなる前に危険信号を出してくれて、吐いたり眠りこけたりして翌日大後悔して反省する。そしてしばらく酒のことを考えたくもなくなる。

一方惰性飲みは、飲む理由は特にないのだ。しいていうなら、緩めたいのだ。なんとなく張った心を。責任感、緊張感、焦燥感、劣等感、重圧、、ひとつひとつは大層なものじゃなくても、社会の中で生きていれば日々少しずつ蓄積されていくそういうものに、妬み、嫉み、蔑み、比較、敵意、失望、、ふとした瞬間に伝わる他者の負の感情に、気づいてしまう自分の感覚自体を鈍らせてしまいたいのだ。そうして鈍って少し楽になって、ああお酒があって良かったと思う。そうやって眠りについて、翌朝また感覚が研ぎ澄まされてしまっていることに気づくのだ。

こんなことを書くと救いようのないアル中のようだが、意外とこれ、元気そうに見える人で心当たりある人多いと思う。ワーカホリックで競争心の強い人、完璧主義で潔癖な人、責任感が強くて真面目な人、人に気を遣いまくる優しい人、どうですか~ お酒じゃなくても、何か他のもので、そうなってませんかね~

私自身はメンタルの不調というものとは最もほど遠い場所にいる人間だとずっと思ってきて、なんなら「皆あなたみたいに強くない」と言われたことは数知れず。思春期なんかは中二病に憧れて(それが中二病なんだけど)、なんか自分は元気すぎてほんと情緒ないな、とへこむことすらあった。(笑)

そんな私がここのところどうも調子がおかしい。全く普通に元気に生活はしているんだけど、テンションが上がらない、なんとなく思考がネガティブ、エネルギー量を最小にして一日が過ぎるとホッとする。突然自分の将来に怖ろしく悲観的になる。そんなことが起き始めて、こりゃ何か変だと一応専門家に助けを求めたわけです。それでもなんだかんだ一般的に見れば元気だから相談するにもバツが悪い。なんか全然元気そうですよねワタシ。ただの愚痴みたいになってますよね、こんなことで時間とらせてすいません、出直します~(笑)と逃げ帰りそうになる私に、先生は「そういう人ほど気をつけなきゃいけないのだ!」と喝を入れて根気強く話を聞いてくれた。

そして色々と調べたりした結果、息子を産んで9ヶ月、もうさすがに産後とかじゃないっしょ!ってタイミングで、ばっちりホルモンバランスの崩れが発覚。半年もすぎると産後の心の乱れって正直ただの不機嫌と線引きが難しいんだけど、数値で見ると一目瞭然。ホルモンの作用として説明されたことも諸々の自覚症状と一致。私、メンタル少々やっちゃったのね、あっは~んと腹落ちしたのであります。

で、その検査でついでにちょろっとひっかかったのが飲酒。(笑)

お酒をやめろと言われて、えーただでさえ元気ない私から好きなことを更に奪うか、鬼め!と恨めしく思うも、まずは身体から元気じゃないと話にならないのでノンアルコールビールを大量買い。平日禁酒を初めて4日目、不思議なことに、毎日みるみる元気になる。気持ちも明るくなって、焦燥感が減った。好きなものを禁じているのに、逆に元気になってる。どういうこと…?!となって気がついた。

全然、大人な飲み方じゃなかったんだ。
許容量も、自分の心も、何もわかってなかった。
和民のトイレで吐いてる大学生の方が全然ましだ!!


というわけで、わたくしの今年の抱負は、「ゆるい平日禁酒」および「復活」です。

あ。でも週末は飲みます。

飲み会でも飲みます。


そして元気な大人でい続ける所存です。

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