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4.Nomad Senegal 2024/Day3:まだまだ未知の世界がある(43km)



レース3日目。
本日は43kmで、チェックポイントは13.5km地点、30km地点の2ヶ所だ。


アフリカのブッシュに沈む夕陽がとても美しかったけど、ブッシュから昇る朝日もやはり美しい。

新しい朝が来た



今日はちょっと今までとは違う景色が見れるよとレースディレクターのジェロームが言っていたので楽しみだ。コースマップを見てみると、確かに川辺と森があって、少し彩りが変わっている。


スタートは昨日と同じく7時45分。
まっすぐ南下して村々を抜け、森(Foret de Saboya)の中に入って行く。まっすぐ行くと川に突き当たるから、そこで右折するとか前日のコースブリーフィングでは言ってたな。

前方に分岐があり、コースのマーキングの立て札が見えてきた。気のせいかこれが左側を指している。

と、同時に人の声が聞こえてきて、ちょうどコースのマーキングの立て札のところで合流するような形になった。ドイツ人選手のアンドレアとサーシャ、そしてテントメイトでリヒテインシュタイン人選手のニコールだ。

やはりこのマーキングの立て札が間違っていて、このマーキングが指す方向にずっと進んで行ったが、コースアウトしたことに気がついて戻ってきたと言う。アンドレアとサーシャがコースを外れたことに気がつき、戻っている途中でニコールと遭遇したようだ。

ドイツ人選手2人は先頭集団に属する人達なのだが、4kmくらいコースアウトしてしまったようだ。ほぼ最後尾の私と出会うくらいだから、これは痛い。



マーキングの立て札が指す方向を無視し、まっすぐ進むと川辺に出た。

水辺にきた


川が干上がっているようで、川底のような足場を歩く。さすがドイツ人選手のアンドレアとサーシャの姿はもう見えなくなっていた。

こんな感じのでっかい蟻塚があちこちに



3-4kmほど、この川沿いを突き進む。
川沿いから内陸地に戻るところに、レースディレクターのジェロームと、ドクターのブルーノが待ち構えていた。


「調子はどうだい?」と聞かれ、
私は大丈夫だが、川辺の手前のコースマーキングが指している方向が間違っていた話をすると、2人の顔がみるみると険しくなる。少しばかりその時の状況について立ち話をする。この時点で最後尾となっていたので、私の元気そうな様子を確認したら車で次のポイントに向かっていた。

川沿いから、北へ、村の方へ向かっていく。
すると、また今までとは違った景色が目に飛び込んできた。畑である。ネギを育てているようだ。


あちこちに畑があり、村の人々が畑仕事に精を出している。

ガタイの大きいおばさんが水撒きをしながら、「Bonjour」と声を掛けてきたかと思うと、「私は朝からこんなに働いているんだよ。なので、お金ちょうだい。」なんて手を出している。それが何ともお茶目な感じで、ダメもとでお金もらえたらラッキーくらいな勢いなもんだから憎めない。

Photo Credit: Canal Aventure


前日までの殺伐とした景色とは違って、緑、緑、緑。緑があるだけでこんなに心が落ち着くというか、癒やされるものなのか。(かと言って、ジャングルみたいなジトジトは嫌よ。)

CP1は水辺にあった
Photo Credit: Canal Aventure


CP1を抜け、川辺を離れると、また昨日までの景色が戻ってきた。

アフリカだなあって景色


この炎天下、赤茶けた道の一本道は結構メンタルをやられる。加えて、大型車が横を通過すると、土埃が舞い上がり、鼻や口を塞ぎ忘れていると、もうゴホゴホとむせて大変よ。

今回はブッシュだからゲーターはつけなくていいかなと思っていたのだが、舗装されていない道は結構モフモフくんなんですわ。気がついたら靴の中に砂というか土が入っていたりするんだよな。

水辺には牛さん


ブッシュに野生動物がいるのかなとちょっと期待していたが、全くいない。いるのは、牛、馬、山羊、ロバなどの家畜だけだ。

家畜の放牧といえば、今までジョージア、モンゴルのレースで見てきたけど、ここの家畜は痩せ細っていて、餌となる草もあまりない。何だかちょっと可哀想な気がするのは、私の比較対象がモンゴルの大草原にいた家畜だからか?


とにかく暑い。フラスクに入っている水がお湯に変わるくらいに暑い。

WorldVisionってあのNGOの?


ある村に入ると、私のちょっと前を走ったり、歩いたりしながら、村人たちと交流していたスペイン人選手のカルロスとダビッドが手に何かを持っている。

あ!お菓子とジュースだ!

ということは、この村には店があるのか!
彼らに聞いてみると「そこだよ。」とすぐ目に前にある建物を指差す。

ウォー!助かった!もう暑くて暑くて、冷たい飲み物、喉元シュワッ!の炭酸系が欲しかったのだ。

このレースの特別ルールで村の飲食店で飲み食いしていいとのことだったが、昨日、一昨日と、結構な数の村を通過したが、店らしきものが全くなかったのだ。

3日目にしてようやく店があったわ・・(涙)
と、店に入ると狭い店内には所狭しと商品が積み上げられているが、ほとんどが埃被っている。で、飲み物が欲しい旨を伝えると、、、

えっ!常温!
つか、冷蔵庫がないってこと?!

あー、そうだよね、そうだよね。
こんな内陸の自給自足で生活しているような小さな村で、お店で物を買えるほどの現金を持っている家なんてあまりないだろうし、お店もね、冷蔵庫とか設備投資できるような余裕はないよね、電気代もかかるし、と自分の中で咀嚼する。

とにかく、常温でもいいから炭酸系で糖分を摂取する。


そして、何だかんだありながらも、この日も無事にゴール。

Photo Credit: Canal Aventure


足の指にいくつかマメができていて、自分で処置しても良かったのだが、メディカルテントに行くとふんだんのお水で足を洗えるので、メディカルに見てもらうことにした。

今回のキャンプ地は村のすぐそばにあることもあり、メディカルテントに村人たちが集まってきていて、興味津々で私たちの様子を見ていた。

現地の大会スタッフが、村人の言っていることをフランス語通訳してくれたのだが、若い数人の女性が赤ちゃんを抱っこしていて、
「この人が第二夫人(seconde femme)」
「で、この人が第三夫人(troisieme femme)」
と紹介し始めて、

え?オレ、フランス語訳聞き間違えた?って思わず聞き直したよね。(femmeって女性って意味だが、「妻」という意味でもある)

そうか、イスラム教の国だしね、、と納得させる。というか、村にめっちゃ大人以上に子供がたくさんいるように感じたのはこれか?


で、村の人たちが現地スタッフを介して、あれこれ言っていて、それを聞いたレースドクターが手持ちの医薬品をお裾分けしていた。

現地スタッフ曰く、こういう田舎の小さい村はまだ現代医療とは無縁だったりして、その土地の時代遅れな伝統的な治療法に頼っていたりするんだよね、と。


齡50、まだまだ自分が無知であることを知る。


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●第3ステージ
[開催]2024年1月22日(月)
[距離]43km
[スタート] 現地時間 7:45

ガーミンの記録
やっぱりほぼ平坦




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