『伝習録』(でんしゅうろく)を知る②:読書と講演会、解読力と認知の拡大

『伝習録』(でんしゅうろく)は、
中国明代(みんだい)の王陽明(おうようめい)の
語録(ごろく:学説・教理に関する言葉を記録したもの)で、
陽明学の入門書です。
王陽明の弟子が彼の死後にまとめたものです。
心即理(しんそくり)、致良知(ちりょうち)、知行合一(ちこうごういつ)の
三綱領(こうりょう)を中心に陽明学の大要が記されています。

王陽明(おう ようめい、1472~1529)は、
中国明代の儒学者・政治家・教育者・高級官僚で、
陽明学(ようめいがく)の元祖として知られています。

王陽明の人生は波乱万丈であり、文武両道(ぶんぶりょうどう)に優れ、
どちらも大成したとされ、千年に一度の逸材と称され、
古代の聖賢(せいけん:聖人と賢人)をも凌駕(りょうが:超えてそれ以上)したとされています。
そのため、
「三不朽第一の完人」と称されています。

三不朽とは、
「立徳(りっとく)」「立功(りっこう)」「立言(りつげん)」を指し、
中国人文思想領域における価値提案(※1)です。

※1:価値提案(命題):バリュープロポジションと読みます。
倫理学用語では「規範命題(提案)」とも呼ばれ、「指図性」を持ちます。
「すべきかどうか、善いかどうか」のような提案です。

立徳(りっとく)は、
中国の古典『春秋左氏伝(※2)』の一節にある言葉で、
中国哲学において人としてあるべき姿という意味です。

「立功(りっこう)」は、
中国語で「手柄を立てる」「貢献をする」という意味の動詞です。

立言(りつげん)は、
意見(主張)をはっきり述べ立てること。
「本を書いて説を立てる」「本を書いて自分の主張を公にする」という意味です

※2:『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』は、
孔子の弟子である左丘明(さきゆうめい)が著したとされる『春秋』の解釈書で、『左伝』とも呼ばれます。

王陽明は絶望の中で、
苦しみを和らげるために自らの庭に棺桶を設置し、毎日その棺桶の中に座って生死の要義を参悟しました。
参悟とは、日本語で「滅度(めつど)」を意味し、「迷いを脱して悟りを得ること」を意味します。

子育て、耳目の記憶、
伝統教育、革新教育;
自己肯定感、自由と責任;
ダイバーシティ&インクルージョン;
宇宙と地球、平等と正義;
心学=心の科学
自分から「こうありたい」自分になる

自燃人、不燃人、可燃人とは

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