マガジンのカバー画像

字書き。

4
連載小説など文章系をまとめてみたやつ。現在、『赤と青の交差の先に』を執筆中。
運営しているクリエイター

記事一覧

《小説》赤と青の交差の先に1-3

《小説》赤と青の交差の先に1-3

「驚いたなぁ。まさか同じ最寄り駅とは思わなかったよ」
ワハハと笑う康介の顔を見て、はは〜と愛想笑いになる私。
話す度に緊張しそうな私は早くこの場から逃げ出したかった。
「すみません。もうここで大丈夫ですので」
そう告げ、足早に帰ろうとするが腕を掴まれ引き止められる。
「……よく見ると綺麗な顔立ちしてるんだな」
「なんですかいきなり」
「褒めてるんだけど? そこは素直に受け取ろうよ」
そう言われ渋々

もっとみる
《小説》赤と青の交差の先に 1-2

《小説》赤と青の交差の先に 1-2

仕事終わり、夏海は友達に合コンに誘われたと目を輝かせながら私に報告してきた。一緒にどうかと誘われたが、やんわりと断った。
今日は10時からの恋愛ものドラマの第4話。大好きなドラマだ。録画もするが毎回オンタイムでお酒片手にテレビに齧り付いてみている。男には恐怖心しかない私だが、ドラマは別だ。あんな風に綺麗な恋愛だけが出来たらどれだけ幸せだろうか。
時刻は8時過ぎ。少しだけ残業があったが、真っ直

もっとみる
《小説》赤と青の交差の先に 1-1

《小説》赤と青の交差の先に 1-1

「お前はいつもそうだな! そうやってまた騙すんだろ?」
「そうやって怖がったフリしてたらなんでも許されると思うなよ、麗華。すぐに他の男に媚び売って、そんなに俺のことが嫌いなのかよ」
「そんな反抗的な目を向けるな。……また手錠かけて出られないようにする必要がありそうだな」

元彼、赤西悟は束縛の強すぎる人だった。

1話

私、蒼井麗華は株式会社 紅(くれない) で一般事務として働いている。本当は

もっとみる
《小説》赤と青の交差の先に

《小説》赤と青の交差の先に

はじめに。何年か前にパソコンでちまちま書き進めていて、そこから放置されどこにもお目見えしていなかったお話です。
社内恋愛をテーマに書こう! と書き始めたものの、やれ就活だの、やれ仕事だのとバタバタしている間に時間だけが過ぎ。書くことも停滞し今に至るというね(笑
これを機にちょこちょこまた話を進めていこうかな、という次第です。

以下、現時点で決まっている登場人物です。

主にこのメンバーに動いても

もっとみる