即席べったら漬け(経過観察編)

作業編からの続き。

1時間半程度漬け込んだもの。

なじみ具合のチェックのために、わざと黒い皿に盛り付けてみた。

ドロドロの甘酒が、大根の水分で水気を含んでいるのが分かる

まだ、この時間くらいだと下味の塩が抜けきらない状態で、若干塩気を感じる。もう少しすると、甘酒の側に塩が移って、味が馴染んで平均化されてくる手前くらい。

実は、この間に別な漬物も仕込んでいるのだが。それは、また別な記事で。

べったら漬けと、白菜の漬物

大体、漬け込みから3時間から4時間経過。塩があらかた甘酒の方へ移動して甘酒の方から塩の風味がしてくる。塩麹になった感じ。ドロドロだった甘酒が、大根からの水分で飲料くらいの濃度になる。

べったら漬けは、最初の段階は塩分濃度濃いかな、と思わせといて、甘酒の甘味がほんのり入り込みつつ、わずかに塩気も感じるという絶妙のバランス。

甘酒の方は、塩麹みたいに塩分を感じる謎の甘酒になっておりw
別にその甘酒、飲むわけじゃないからどうでもいい。

要は、漬物の塩分ってのは、高そうに見えて、そんなに高くない。

浸透圧による科学の産物なんだわ。

強力な塩分濃度にして、野菜の水分を抜いて、旨味を凝縮したり。
で、ワザと塩漬けで濃く最初に漬けといて、2度目の漬け込みで、外側の旨味と交換させるために使用するわけでね。


だから

「映像で言う薄い甘酒」じゃなくて「水で薄めるタイプの濃縮を選んでる」

塩分濃度を最初に一気に高めて、大根の余計な水を絞って、甘酒の甘味が入り込みやすくする。これ、本当は干した方がいいんだろうけど、家庭で手軽に漬けるなら、これで十分。

やたらと食いでのある水分の多い大根だからこそ、水分量を一気に絞るために、アホみたいに塩を使って絞った、ってだけ。

最後の仕上がりは、甘酒の風味に、奥深い塩加減が残るっていう落としどころ。

死んだ婆さんが操ってた漬物の魔法だ。

今週は、ご飯とこれがあれば、あと一品、なんかあればいいやw

もっと甘さを感じたかったら、砂糖足して、麹の人の動きを促進すればいいだけだ。そして、浸透圧で外に抜けた塩分が・・・麹に移って、余計な雑菌の繁殖を止めた挙句、腐敗からガードするってね。

こんな生育環境で生きていられる食中毒の菌なんかないっすねw

婆様、うちの母じゃなくて、最期に自分の秘伝を俺に伝えたんだよな。

婆様の秘伝のおみ漬けはも、 一気に塩分量を高めて、野菜の水分と甘みを絞ってから、最低限の水分量と塩分量に落として、乳酸発酵を止めないといけない。 それができないと、一週間も持たないで、酸っぱくなって食えたもんじゃなくなる。

野菜の刻み方だの材料の吟味の仕方は、確かに母に伝えたようだが。

必殺の塩加減までは伝えなかったのか・・・それとも、うちの母が勝手にアレンジしてしまったか知らないが。

作ってから10年位になるけど、一向に味が立体的にならんw

こう、なんて言うんですかね。

ミックス自体はよくできてるんだけど、いまいち、野菜と野菜の旨味が一体になって感じないって言うんすかねぇ・・・。

塩気と甘さを同時に感じて、かつ、甘さや塩気がやや勝つように残すとか・・・ 婆様の漬物に、ミックスの奥義を見てるんだ。

この角の立った塩加減ダメだ!

調味料、足したり混ぜたりしてるだけだと、立体的な重層構造は作れねぇよ。ミックスの奥義と同じだぜ。

さて、弟子が来たら、白飯でも炊いて、味噌汁でもだして、この漬物でも食わせてみるか。それであいつの味覚のセンスがバレるのだからねw

さて、今度は、奥からとんがらしの辛さを感じる、謎のべったら漬けでも行ってみるかw


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