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帝王の体温

俺の名前は帝王
若い頃はよく悪いことをして
帝王の名を鳴らしたもんだ

置かれたものは俺のもの
全部落とす

出されたものは俺のもの
全部食べる

お陰で体重は7kgを超えた
猫にしちゃ大したもんだろ

まだまた若いとは思っているが
最近喉の奥から歯茎にかけてが痛い

今は体重は5kgちょい

要するに食べれない

食べたいんだよ俺は
明日を生きたいんだ

お前はなんやらかんやら
飯を変えて
やっと俺のベストを決めたようだ

食べれるは食べれる
でも痛い
でも食べる
ただ生きたい

今朝はあまりにも
お前が起きるのが遅いから
起こしに行ってやった
「飯をくれ」

食べることがどんなに大切なことか
お前らには分かるか?

「明日を生きる」
ということだ

俺がこの先どんな風になってしまうかなんて
知ったことじゃない

痛かろうが
不味かろうが
俺は食う

お前の笑顔や安心した顔を
見るために

俺は、生きるんだ

ちょっとだけ分けてやる
俺ってあたたかいだろう?

死んだ姉ちゃんの定位置だから
あまり布団にはもぐらないが

今夜ぐらいは
分けてやろう

俺の生きる体温を
帝王が生きてみせるよ、生き様を

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