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「あなたはどこに」解説

〜曲の背景知識〜

2011年3月11日の東日本大震災で被災した福島県在住の詩人・和合亮一氏が震災の翌週から「ツイッター」で作品の発信を続けて大きな話題になった。過酷な被災地の中で詩人が詩句を発し始めたことに気づいた作曲家・新実徳英が、自ら「つぶてソング」と名づけて「歌」の連作を始め、全12曲の歌が一気に連作された。

あなたはどこに居ますか。
あなたの心は風に吹かれていますか。
あなたの心は壊れていませんか。
あなたの心は行き場を失ってはいませんか。


Twitterより

投稿日は2011年3月18日午後2:18 
震災からわずか1週間で世界にこの詩を発信した。

命を賭けるということ。私たちの故郷に、
命を賭けるということ。あなたの命も私の命も、
決して奪われるためにあるのではないということ。

上のツイートの3分後にツイートされた。

この詩の意味もまた、和合氏のツイートにヒントが隠されていた。

卒業式を数日後に控えた息子のお父さんである和合氏。
原発事故により多くの人が他県に避難する中
故郷を離れたくないと言う両親。
家族を先に避難させ自分も残ると決めたが
それは、これからどうなるかわからない最悪の事態も考えながらの選択であったのだろう。

〜ヒント〜
2011年当時は日本人のスマートフォン普及率はとても低くTwitterの利用者も今と比べるととても少なかった。和合氏のコメントにもあった
「余震と放射能の脅威を感じながら部屋に閉じこもり…」というコメントよりこれから先どうなるか全く予想がつかない状態の中投稿していたことがわかる。

また、Twitterの性質上ツイートは140文字までの制限がある。
気軽にスマホにぽちぽち打っていたのではなく言葉を簡潔にまとめながらパソコンを用いてツイートしていたのだろう。

あなたはどこにいますか
あなたの心は 風に吹かれていますか
あなたの心は こわれていませんか
あなたの心は 行き場を失っていませんか

いのちをかけるということ
私たちの故郷(こきょう)に
いのちをかけるということ
決して奪われるために あるのではないという事

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