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印象派を学ぶ✍🏻光と影を大切にした美しく儚い絵画

こんにちは!広報部のaineです🐣

今回は先日団体内で行った勉強会のレポートです!
私の扱ったテーマは"印象派"についてでした!

東京都美術館で「モネ展」や「印象派展」が開催されていることから、最近印象派を観に行くことがあったよ!知っているよ!という方も多いのではないでしょうか?☺️

今回はそんな皆さんに、改めて印象派の魅力をたっぷりお伝えしたいと思います!ぜひ最後まで見ていってください〜!💁💕

"印象派"の言葉の意味✍️

印象派は英語でImpressionismと書きます。
一見、写実とは正反対に思える「印象」という言葉ですが、実は印象派は写真主義の派生で生まれた画派なんです✨

写実主義が目の前にある現実を見たまま描くのに対して、印象派は同じく目の前の現実を描きつつ"光や影にこだわる"ことで、印象(感じが出ている、空気感が伝わる)を上手く演出しています💭

写実主義代表作
ミレー「落穂拾い」1857年 オルセー美術館
印象派代表作
クロード・モネ「散歩、日傘をさす女」
1875年ワシントン・ナショナル・ギャラリー

画風の特徴🎨

印象派の作品を観ていくと、暗い色(黒・灰色)よりもカラフルな色が使われていたり、なんだかふわふわしているように思えるかもしれません。
実はそれも、印象派の特徴なんです!🧑‍🎨

特徴① 輪郭をはっきりさせない
ふわふわと柔らかい感じはここから来ているのかもしれません!

特徴② 絵の具は混ぜずにそのままパレットに置く
これは意外ですよね!
当時の印象派の画家たちは絵の具を混ぜることで彩度が低くなると考え、絵の具チューブから出した色をそのままキャンバスに塗っていたのです😳そのため、印象派の絵を間近で見ると結構凸凹していて面白いんですよ〜!🙌近くと遠くで見たときに違った印象になるのもこの影響があるかもしれませんね。
ちなみに、色が混ざっているところは、キャンバスに重ね塗りしながら混ぜていったようです☝️

特徴③ 影に黒や灰色をあまり使わず、色の重なり合いで光と影を演出
彩度を大事にしていたので、もちろん光と影にも拘ります。特に印象派は"一瞬の光の動き"を表現することに拘っていたため、その風景をそのまま切り取りながら、しかし固定化された風景としてではなく、鮮やかに目の前に風景が広がっているという体験を観覧者にさせてくれます。
印象派をみると、100年前のパリがどんな風景をしていたのか、まるで目の前で旅行をしているかのように教えてくれるんです☺️


特徴④ 神話や聖書ではなく、目の前の現実をありのままに描く
印象派が生まれた当時、画家の人生を決めるサロン(絵の品評会)では、神話や聖書に忠実に描く新古典主義が主流でした。新古典主義のはっきりとした輪郭や滑らかな表面の仕上げに対抗するように、印象派は①②の特徴に加え、目の前のパリの風景に美しさを見出したのでした。

当時物議を醸した作品
マネ「オランピア」1863年 オルセー美術館


特徴⑤ 外にキャンバスと絵の具を持っていって風景を描く
実は印象派の時代までは、絵を描くというと豚の腸に顔料を詰めて色を作っていました。それを絞り出しながら使っていくため、アトリエにこもって制作するしか手がありませんでした。
しかし19世紀末になって、チューブ型絵の具が発明されると、外でも絵が描けるようになりました。このことから、印象派は外で一瞬の風景を切り取って描くものが多くなったのです。

日本での人気🇯🇵

日本でもモネやゴッホをはじめ、多くの印象派の絵を飾る美術館や企画展が開催されています。なぜここまで人気になったのでしょうか?

実は、印象派は聖書を基にした絵を描かないため、無宗教の日本でも受け入れやすかったと言われています。また、その風景や人物画の綺麗さに、「家でも飾りたい」と思われやすく、日本でも買い手が多くいたのだといいます。
そのうち日本やアメリカでも印象派の画風を取り入れて、現地の絵を描く画家が出てきました。
特に日本では、黒田清輝(1866-1924)が日本に印象派を取り入れた1人と言われています✨東京・上野では黒田記念館がありますので、ぜひ興味のある方は足を運んでみてください🚶🏻

印象派の起源

こちらは19世紀から現在までのざっくりした年表です

印象派の起源は19世紀末のフランス・パリ🇫🇷
画家の登竜門とされた発表会「サロン・ド・パリ」では当時新古典主義が主流でした。正反対の画風である印象派は当然受け入れられず、悉く落選していきました。
そのため、印象派の画家たちはサロンと日程を被せるようにして印象派展という独立した展覧会を開きました。この個展に参加した画家たちが印象派と呼ばれています。個展は1874年-1886年まで全部で8回開催されました。ちなみに、ピサロという画家はこの8回全てに参加した唯一の人です😳!

「印象派」という名前は、個展に出品されたモネの"印象派・日の出"という絵の題名が由来という説や、個展に取材にきた新聞記者が「この絵は描きかけの印象にすぎない」と批評したことから由来するという説などがあります。しかし絵を見ていくうちにその風景から受け取る感情は、まさに"印象"という名前がぴったりですよね🖼️✨

印象派の画家たち🧑‍🎨

印象派はパリに始まり、その後アメリカや日本など世界にも派生して行きます。
今回はその中でもパリの19世紀末の印象派をご紹介します。ちなみに年表は以下の通りです💁

代表画家① クロード・モネ
「睡蓮」など数多くの印象派の絵画を残した画家。印象派といえばこの人!というイメージもあるのではないでしょうか。
そんなモネは初期にはかなり写実的な果実などを描いていましたが、印象派に目覚めてからは一瞬の光の動きを切り取ることに生涯を費やしました。連作を描くことでも有名で、睡蓮は3部作あります。

睡蓮の池と日本の橋 1899年 プリンストン大学美術館


代表画家② ピエール=オーギュスト・ルノワール
女性を描くのが大好きだったという彼。特に女性の裸婦像や乳房へのこだわりは必見もの!!
画家人生で暗い絵を1枚も描かず、明るい色合いのみが使われています。初期は印象派として絵を描いていたものの、そのうち人物をはっきり描くために明確な画法に転向します。

恋人アリーヌを呼び寄せて描いた絵
金髪の浴女(Blonde Bather) 1881年 クラーク美術館

aineが選ぶ印象派の推し絵画

〈実際に勉強会で使用したスライドより拝借〉

私の推しはなんと言ってもモネの積みわらシリーズ!同じ場所で、季節・時間が変わることで違った物語があるところに惹かれます✨
また、遠いパリで描かれた風景でありながら、どこか日本と近く感じるところも親しみがあります。
この連作はおすすめです!!

まとめ

印象派とは…
①19世紀末にフランス・パリで起きた芸術運動のこと
②絵の具チューブを使って、外にキャンバスを持っていき、一瞬の光や風景を描いた
③目の前の現実をありのままに描いた
④輪郭や色遣いなどの仕上がりを柔らかくした

観覧ポイント☝️
①100年以上前のフランスの景色を観光のように楽しむ
②日本と似ている風景を発見して、昔の思い出に浸ってみる
③近くと遠くで質感の違いを堪能する

ぜひみなさんの美術館ライフが充実しますように!

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【新古典主義を学ぶ✍🏻】
お楽しみに!


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