コロナ禍に誕生した主催者
2020年の2月。
まだコロナ騒動が起こる直前まで遡る。
私はワクワクすることや新しいことが好きで、毎日仕事(農業)をこなしながら日々そんなコンテンツを探していた。
農業は良くも悪くも「代わり映えしない日常」のルーチン。
毎日芝生を切り出しては、重ねて紐で包み、トラックで運搬してお店や会社へ配達する。
たまたま芝生を生産している農家が少なく、発信している者も少ないことから物珍しがられるが、やっていることは地道なもので他の農業と大差ない。
私が地域のまちづくりに携わりたいというより携わらずにいられないと感じているのは、そんな「代わり映えしない日常」から少しでも脱却したいと、もがいているからかもしれない。
レンタルスペース、ドッグラン、ドローン、車中泊、グランピング、ドライブインシアター・・・
これまで芝生を活用して色々やってきたが、芝生でやりたい事はそろそろ一通りできたかなと思っていたまさにその時
こちらのイベントの告知を目にする。
私は85年生まれでドンピシャのレッツ&ゴー世代。
ミニ四駆を6歳から12歳頃までやっていた身としては
懐かしさが込み上げてきて2秒後には参加予定のボタンをポチっていた。
押し入れから取り出したミニ四駆ケースは埃はかぶっていたが中のミニ四駆たちはあの頃の輝きを失わずそこにいた。
脳内から当時の記憶とともにとてつもないドーパミンが駆け巡る感じがした。
ミニ四駆とコロコロコミックを買うために毎月必死に家業を手伝ってお小遣いを貰っていた。
このイベント参加の感想など書かずともご理解いただけるだろう。
ご想像の通り私は帰って即座にミニ四駆用のツイッターアカウントを開設。
フリマアプリでミニ四駆パーツを探し始めるのだった。
TwitterやYouTubeでミニ四駆情報を集めていると、当時では考えられなかったギミックの数々、カッコいいマシンの塗装、半端ない速度で走り飛ぶ姿、そして何より、同世代かちょっと上のオッサン仲間がたくさんやっているではないか!それが嬉しすぎた。
私には息子もいるし復帰して親子ミニ四駆なんて最高じゃないか。
一方で3月に入り、コロナウィルスが世間を騒つかせ始めた。
私の住む鳥取は人口最少県だからすぐには影響出ないだろうと甘く考えていた。しかしミニ四駆レーサーの間では早速とある問題が浮上していた。
「ミニ四駆レースが無くなった」
「お店へ通えない」
コロナによりミニ四駆活動に支障が出ている人達の声がたくさん溢れている。そして辞めていく人も・・・
鳥取でも感染者が増えるごとにレースの中止が決定された。
これは一大事だ!
これから復帰しようというのにレースがないんじゃあ甲子園目指せず練習ばかりする野球部みたいなもんで何をモチベーションにすればいいのだ!?
そして私が導き出した答えが・・・
「そっか。自分でやればいいんだ」
フリマアプリで探すものをミニ四駆パーツからコースに変えた。
コロナで辞める人も増えた為か、お手頃価格でコースが買えた。
コースを買うために一生懸命ネットで芝生も売った。
そんなこんなで集めたコースを使って、私をミニ四駆沼へ引きづり落としてくれた「なわほ」にてレースを企画した。
コロナ禍ということで、参加者が集まらないことも考え、スイッチを入れたら走るミニ四駆ならではの特性を活かして「遠隔代走」させるレースがよいと考え「リモートミニ四駆」と名付けてFacebookでライブ配信を行いながらレースを開催した。
その時の映像を友人のまーしーが動画にしているので是非チェックして欲しい。
これは楽しい!
これなら楽しく続けられるしコロナでも無理なく開催出来る様になるかもしれない!というかしたい!
そうしてミニ四駆の情報収集して知識を蓄えながら、レースを継続的に開催。ワークショップでミニ四駆に触れたことがない子どもたちや世代にもアプローチを続けた。
その結果、ついにリモート参加してくださる県外の方が現れた。
その方は今までレースに出たことがなかったらしい。
なぜなら仕事で日曜日に出かけられないから。
しかしリモートレースなら事前にマシンを送るだけなので、当日仕事でも関係ない上に、後で動画でチェックもできる。
これがレース主催者になったきっかけで
後に「リモートミニ四駆GP」のチャンネルを開設する事になるとは
まだこの時は思ってもいなかった。
ただ楽しんでいただけ。
気づくと「適度な自己中心性」と「ゆるくやってみる」という2つを大事にしている「なわのわ」のコンセプトとピッタリあっていた。
次回はチャンネル開設のきっかけのお話をしたいと思います。
ご拝読ありがとうございました。
リモートミニ四駆GP 主催者タマキ
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