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実家に帰る、ということ。

十数年前、彼氏(現在の夫)と同棲するために実家を出てから、基本的には年に2回ほどのペースを維持しながら帰省している。
自分だけで帰ったり、夫とふたりで帰ったり。

住んでいる県と実家がとても離れているので、飛行機で帰るのが当たり前になっているけれど、毎回とにかく出費がかさむ。
平日か週末かで値段の変動はあったりするものの、ふたりで帰る時は仕事の都合上連休しか選択肢がないので必然的に高額になる。

決して生活に余裕がある訳ではなく、
“航空費だけでちょっとした旅行ができるなぁ…”
なんて考えたりすることもある。
でも、それを理由に帰省を中止した事はない。

そのうち、みんなはどうしているのか?という事が気になりだし、平均で年間どれくらい帰省をするのかネットで調べてみたりもした。
私と同じくらい実家が離れている人の回答だけを見てみると、やはり大体年に1回か2回という意見が多かった。

じゃあ近ければみんな頻繁に帰るのかと言うと、そういう訳でもないだろう。単純に、価値観の優先順位によって変わるものだ。

実家を出てまもない頃、私は絶対に自分はならないと思っていたホームシック状態に陥ってしまった(今思うと飼い猫に会えなくなった事が大きい)。
なのでしばらくは、ただ帰りたくて帰っていた。

数年後に結婚してからは、どちらかというと“親に顔を見せるため”という親孝行にも似た感覚で帰っていた気がする。
今はそこに“親の顔を見るため”という要素も加わった。安全確認に近い。


私はアダルトチルドレンではあるけれど、両親が嫌い!とかそんな気持ちは全くなく、普通に過ごしている家族と何ら変わりない。
帰省すれば実家あるあるな大量のごちそうを出され、一緒にどこかへ出掛けたりもする。
夫とふたりで帰ってもそれは変わらない(夫と両親は仲が良い)。

ただ、私自身が「自分が家族を支えるんだ!私はその為に生まれてきた!」と幼い頃からずっと信じて生きてきてしまったがために、その感覚だけは結婚してからもあまり抜けていない。

今は夫との日常生活を守ることが私の中で優先事項になっているものの、実家に帰る時に占めている気持ちとしてずっと変わらない部分は「少しでも両親に笑って過ごしてもらいたい」という事のような気がする。

あとは、何かあってから後悔しても遅いという気持ち。

遠く離れているので、万が一のことがあった場合の心構えはそれなりにしているつもり(実際にはそりゃ動揺しまくるんだろうけど)。
けれどもし「今年は帰るのやめとこう」と決めたその年に、何か起こったとしたら。
私はとても後悔するだろう。

人の存在は本人以外に代えが利かないし、明日も元気でいてくれる保証もない。

そう考えると、今しかないよなぁと毎回思うのだ。
私のこの気持ちをいつも尊重してくれる夫には感謝してもしきれない。

そもそも私は不安が強すぎる所がある。
日々、仕事へ向かう夫に対してすら“今日もし何かが起こって二度と会えなくなったら…”なんて考えることは頻繁にある。

まぁ、だからこそ日々の日常を大事にしようと思えているからいいんだけど。

それはさておき

やはり私にとって人生においての“会えるうちに会っておく”という事に対する優先度がとても高いので、周りがどう言おうと(別に誰も何も言ってない)

これからもコンスタントに遠く離れた実家へは帰り、両親の安全確認をしつつせっかくなら楽しい時間を過ごせたらいいなと思っている。

えー?帰ってこなくていいよー。なんて言われない限りは。



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