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銀鮭燻製入りサーモンのテリーヌ 武骨な酸味を伴うネッビオーロ

先日、家族で大阪に一泊。
大阪に来たからには粉もんをと、お昼はお好み焼き屋さんに。ワインはメニューになかったので頼まなかったが、もちろんシーフードお好み焼き、牡蠣入り。

夜はホテルでゆっくり。晩酌用にと大阪のデパ地下(ルクア大阪)で見つけたサーモンのテリーヌ。

中央部分の鮭のムースを、クリームチーズが入った白身魚の生地で包んでいる。デパ地下価格で約1,000円とおつまみにしては少々高いが、素晴らしい一品だ。ムースとクリームチーズで全体的にクリーミーながら軽やかな食感、ムース仕立てで鮭の塩味は穏やか。ビールや日本酒にも合いそうだが、鮭の燻製香とチーズのミルキーな香りはワインのおともにぴったりだ。

同じくデパ地下をうろうろして見つけた、イタリア北西部でスイスに接するアルプス山中のヴァッレ・ダオスタ州の赤ワインに合わせる。
イタリアワインの王様といえばバローロ(ピエモンテ州)だが、ちょっと名の知れた生産者のものは軽く1万円を超えてしまう。
だがこのワインのように、バローロと同じネッビオーロ品種で造られるワインで他の産地のものならば、3,000円前後で買えるものも多い。
もちろん、ブドウは同じでも産地が異なるのでバローロと同じ味というわけにはいかないが、味わいの違いを楽しみたい。このワインはバローロよりもやや北に位置する産地のもので、やや武骨な酸味がユニークなポイントだ。酸味の質が異なるなぁ、などと通ぶりながら飲みましょう。

ドナス, ヴァレー・ダオステ, 3,498円
Caves de Donnas, Vallée d’Aoste, Donnas, DOC, 2017, 13.5%

地元では「ピコテンドロ」と呼ばれるネッビオーロ品種から造られる。ラベルには町の象徴の岩門が描かれる。ヴァッレ・アオスタ州のDOCワインである「ドナス」は1200年から存在したとされる。
明るいルビーレッド、エッジにかけてレンガがかった色調へのグラデーション。
香りにはプルーン、レーズンのドライフルーツ香、ほのかに血液や皮革などのワイルドで深みのあるタッチ、大樽の包まれるような柔らかでよく馴染んだ樽香、微かに黒胡椒のスパイス、樹皮や湿った森の下草のニュアンスに富むフレーバー、ハーブや木の芽のような軽やかなグリーンなタッチ。
風味には滑らかな口当たりからじんわりと染み込む滋味を伴う果実味、力のあるやや武骨な酸味、タンニンはしっかり存在しつつもカドは削がれていてしっとりと舌に当たる、やや明瞭な塩味、開栓6日目で真価を発揮(全て飲み切れずに後日に再度テイスティング)。
サーモンのテリーヌに。ワインの塩味、程よくカドの取れた落ち着いた果実味、ネッビオーロ品種特有のドライフルーツ感に、サーモンの旨味が引き立つ。ワインの武骨な酸味はクリームチーズに包まれて良い塩梅。相性: ★★★★☆

シーフードではないがもう一つのおつまみ、鴨とトマトの惣菜ともこのワインの相性はグッドだった。

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