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甘辛タレの穴子寿司に円熟のブルゴーニュワイン

先日、出張から帰国してすぐさま寿司をデリバリーし、白身やエビなどの軽めの風味のネタに日本の甲州ワインを合わせた。
その後半戦、赤身や味の濃いネタと赤ワインだ。
セラーから取り出したのはブルゴーニュのショレ・レ・ボーヌ村で造られたワイン。
ブルゴーニュの主要産地、綺羅星のように特級畑が散らばる北側のコート・ドール。
コート・ドールの北側のコート・ド・ニュイは赤ワインの銘醸で、ロマネ・コンティ、シャンベルタンなどの特級畑があり、南側のコート・ド・ボーヌは白ワインの銘醸でモンラッシェ、ムルソーなどがある。
このショレ・レ・ボーヌ村は南側のコート・ド・ボーヌの中でも北側に位置する。ラドワ・セリニィ村、アロース・コルトン村、サヴィニー・レ・ボーヌ村、ボーヌ村に接しているが、村の中に特級畑、一級畑もない少々マイナーな産地ではある。だからこそ、お値打ちワインが眠っていたりする。今回は2008年ヴィンテージ、14年熟成のワインが3,000円少々で売られているのを見つけた。
熟成により果実味がほどけて柔らかくなり、寿司の赤身ネタや醤油に合うはずだ。

寿司ネタはサーモン、マグロ、アナゴ、イクラ。

シャルル・ノエラ ショレ・レ・ボーヌ, 2008, (セリエ・デ・ウルシュリーヌ)
Charles Noellat, Chorey Les Beaune, Bourgogne, France, 2008, 12.5%, 3,146円
熟成により落ち着いた色味がやや落ちた色調、また軽めのろ過かほのかな濁りあり。
梅やうめかつおの和風の酸と落ち着きを伴いながら、ラズベリー、チェリーや赤色系ベリー香りが穏やかに、熟成由来の乾いた樹皮の香り。香りのボリュームは穏やか、14年の月日を重ねたことが香りからもしっかりと伝わってくる。
果実味のアタックが穏やかな分、酸味がやや明瞭に突出、タンニンが思いのほか力強く舌にしっかりと持続、熟成による落ち着きと同時にタンニンや余韻にふっと立ち上がる果実味はワインの底力を感じさせる。

8年熟成しながらも思いのほかワインの風味が力強く、サーモンは押されてしまったが、軽めのマグロの赤身の脂と落ち着いた角の取れた果実味が心地よい相性、いくらの魚卵特有の風味にも寄り添う懐の広さも (醤油漬けいくらなどと相性良さそう) 、アナゴの甘辛タレを接点にワインの角の取れた深みのある果実味が繋がりアナゴのまろやかな脂を口内で盛り上げてくれた。

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