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シシャモのエスカベージュ 白ワイン3種の悲劇

これまでにもシシャモのエスカベージュや焼きシシャモにはいろいろとワインを合わせてきた。

強い磯の香りとほろ苦さ、魚卵のコクがワインにはなかなか手ごわい相手だが、今回はフランス マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー(シャルドネ)、長野県 竜眼、イタリア サルディーニャ島ヴェルメンティーノ品種の3つのワインを合わせてみる。

タイユヴァン マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィーニュ 白・ロゼ赤の3本セットで14,850円(単価では6,500円)
Les Caves Taillevent, Beaujolais Nouveau, France, 2022, 13%
香りにはフレッシュなリンゴの果実香、ほのかに白い花のフラワリーなフレーバー、香りのボリュームは軽め。
果実味はみずみずしく凝縮感は軽快な口当たり、やや穏やかに感じる酸味。樽香なくすっぴんの新酒のシャルドネは心地よい軽快さ。
シシャモのエスカベージュに。フレッシュで快活な果実味にシシャモのほろ苦さと魚卵特有の磯の香りがぶつかり、臭みが残ってしまう。
相性: ★★☆☆☆

五一わいん, エステート・ゴイチ, 龍眼, 長野県, 1,782円
香りにはカボス、スダチなどの果皮の青い柑橘の香り、グレープフルーツも。酵母やほのかにナッツのようなニュアンスとマッチ棒の先のような還元香。白い花、香りのボリューム自体はかなり控えめ。
風味にはみずみずしい果実味、酸味は穏やか、まっすぐで伸びやか、繊細でピュアな果実味。ほろ苦さも柔らかく繊細な旨味のようなニュアンスも余韻に。やや繊細さが強いので料理を合わせる際に留意したい。
シシャモのエスカベージュに。ワインの控えめで繊細な果実味とビターなタッチが良い相性だろうと踏んでワインをひと口。なんと予想外の悲劇的な組み合わせ。臭みが突出してしまう。余韻にワインの果実味が残れば多少マスキングされたかもしれないが繊細な果実味はシシャモの前に瞬く間に消えてしまう。
相性: ★☆☆☆☆

サンターディ ヴィッラ ソライス 2020, ヴェルメンティーノ イタリア, 2,244円
Santadi, Villa Solais, Italy
香りにはグレープフルーツ、ライムなどの青い柑橘果皮、青いマンゴーの皮、磯の香りを非常に明快に、海水に浸かった貝殻をかいでるかのよう。
風味にはやや軽快な果実味、酸味は中庸ながら果実味をしっかりと統制、余韻にかけて柑橘果皮のようなビターなタッチを強めに。
シシャモのエスカベージュに。この組み合わせも竜眼に続いて悲劇的だった。ワインのはっきりとした果実味がシャルドネの新酒と竜眼品種に合わせたときに立ち上がった臭みをマスキングしてくれるかと思いきや、しっかりと反発してしっかりと臭みがハイライトされてしまった。
相性: ★☆☆☆☆

個性の控えめな竜眼品種ならば、と思ったが安易だった。これまでのシシャモのエスカベージュとの相性をまとめると以下だ。

相性◎
吟醸香を含む甲州
ギリシャ スパークリング(クシノマヴロ50%、シャルドネ40%、モスカート10%)
スペイン カヴァ(9年熟成)
アルザス リースリング(エスカベージュではなく焼きししゃも)

相性〇(中庸で個性の穏やかな品種とはまずまず。それでも竜眼はなぜ・・・)
イタリア ヴェルディッキオ品種
インド シュナン・ブラン品種

相性×
スペイン リアス・バイシャスのアルバリーニョ品種(樽香強め)、
日本 長野県の竜眼
フランス マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー(シャルドネ)
イタリア サルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種

いろいろ合わせてきてシシャモのエスカベージュに相性良かったのはスパークリングワイン、甲州。魚の酢漬けなので日本酒、ビールだと安心だが、もう少しワインとの相性を探求してみよう。

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