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トリニダード スコーピオン激辛秋刀魚味付け醤油味 激烈な辛味にも踏み止まる秋刀魚の旨味にスーパータスカンの意外な相性

だいぶ前に個性的な缶詰を購入しキッチンに置きっぱなしになっていた(賞味期限が7月に切れていた・・・w)。
スコーピオン激辛秋刀魚味付け醤油味。岩手県釜石市の岩手缶詰の商品。風味の力強い赤ワインがあったので激辛にも戦えるかと思い缶詰を開ける。

人間の辛いもの好きは恐るべし。以前はハバネロが一番辛いとか聞いたような気もするが、今や辛さランキング第四位らしい。そして第一位がキャロライナ・リーパー、それを僅差で追いかけるのがこの缶詰に使われているトリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラーとなる。ちなみに第三位はブート・ジョロキア(2007年にギネス世界記録で「世界一辛い唐辛子」認定)。
ところが缶詰を開けても特に香りには異常なし。ほんのりと辛そうな香りはするが世界のトップ勢の辛さとは思えない。衝撃は口にしてから。秋刀魚の風味が広がったかと思いきやすぐさま猛烈な辛味が襲ってくる。麻とか辣とかではない、別の次元の攻撃性をもったスパイス。口から火が出るような、イグナイトと表現するのがぴったりの辛さ。額がジンワリと暑くなってくる。この猛烈な辛さのため、秋刀魚の風味のほとんどが感じられなくなる。その中で、辛さに押しのけられても踏み止まる一点の旨味が強烈な存在感を放つ。秋刀魚のこの旨味に集中させるために、敢えてこの激烈な辛味と合わせて缶詰にしたのだろうか。
さて、合わせたのはいわゆるスーパータスカン。国際品種を思い切って使うため、イタリアのワイン格付けルールでは下位に位置付けられてしまうが、その実力ゆえに高値で売買される(こちらはIGT格付けでDOCG、DOCに続く格付けだが、現在の小売価格は7,000円-10,000円ほど)。

カステッロ・ディ・アマ, ハイク, イタリア, トスカーナ, 2018, 13.5%, 7,546円
Castello Di Ama, haiku, Toscana, Italy, 2018, 13.5%

俳句を読むように、想いのままにテロワールを表現したワイン。サンジョヴェーゼ50%にメルロとカベルネフランを25%ずつブレンド。カベルネ・フランが使用される珍しいスーパータスカン。
力強い色調だが鮮やかなレッドがエッジに。
よく熟したカシス、ブラックチェリー、ブルーベリージャム、カシスリキュール、鉛筆の芯、チョコレート、ロースト香にほのかにミントの爽快な香りやドライローズも。力強く濃厚で魅力的なフレーバー。
力強い果実味ながら滑らかでジューシー、タンニンはまだまだ荒々しさも残り舌にじっとり残るが赤みベリーの風味と快活な酸味が織り込まれていて余韻を軽やかに、ほんのり塩味のように舌が乾く、余韻の抜け方は上品。

トリニダード スコーピオン激辛秋刀魚味付け醤油味にワインを合わせる。ワインの深遠な世界は火を噴くようなスパイスをも包みこむ。スパイスに押しのけられても残った秋刀魚の一点の旨み。スパイスの刺激を包むワインの強い果実味、タンニンの渋味は辛味の刺激を和らげる。缶の中で熟成した秋刀魚の旨味はどこか樹皮のようなフレーバーを伴い甘い香りがほんのり。青魚特有の生臭さは一切なく旨味の存在感が強く、パワフルな赤ワインにもまったく喧嘩しない。カベルネ・フランの微かな胡椒系の香りもトリニダード・スコーピオンに同調しやすいのかもしれない。
少し行き過ぎたスパイスの効いたシーフードにパワフルなスーパータスカン、面白い組み合わせを発見した。相性: ★★★★☆

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