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生誕30年たこわさび 潮風香るヴェルディッキオ

今年はたこわさび生誕30年のようだ。酒のつまみとしてあまりにも定番化しているので、古くから食べられていたものと思い込んでいた。1992年に三重県三重郡菰野町に本社を置く食品メーカーのあづまフーズが「たこわさび」として商品化したものが最初とされる。翌1993年に居酒屋「白木屋」で正式メニューとして採用された。

合わせたのはイタリアのマルケ州で造られる2種類のワイン。いずれもイタリア固有の品種だ。
一つはパッセリーナ品種。主にイタリア中部、東側のアドリア海沿いのマルケ州南部、アブルッツォ州で栽培されている。トレッビアーノの品種系統に属するといわれている。一風変わった響きの品種名は、スズメ(Passera)がブドウの果肉をつつく様子に由来するとされる。生産性に優れ、品質と豊富な収量が保証されるとして好まれた。悪天候、病気、害虫への耐性にも優れていることも高い生産性にも繋がっている。

サン・ジョヴァンニ マルタ パッセリーナ, 1,733円
Sangiovanni, Marta, Biologico, Marche, I.G.P., Passerina, 2020, 13%
ややはっきりとした色調。
軽快に花梨、アプリコット、メロンの果実香、黄色い花のフラワリーなタッチをややはっきりと、温かい地方のフルーツが香るがファンネル系のハーバルなニュアンスもあり軽快で好印象。
軽快な凝縮感、みずみずしさをしっかり感じる、穏やかな酸味、フレッシュだが温かい地方のフルーツ香が余韻に抜けて余韻は短いが飲みごたえを感じる。

タコわさびに合わせる。わさびの爽やかな香味にワインのハーバルなニュアンスが心地よく重なる心地よい相性。一方、合わせるとワインの青っぽいニュアンス、青いトマトのような香りが微かに立ち上がったのが気になった。
相性: ★★★☆☆

もう一つのワインはヴェルディッキオ品種のもの。数週間前に開栓してセラーに残っていた。まだまだ健全な味わいに驚く。

サルタレッリ、ヴェルディッキオ・ディ・カステリ・ディ・イエジ・クラシコ 1,759円
SARTARELLI, Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico, Italy
青リンゴ、白桃がトップに、続いてグレープフルーツの柑橘に微かに柑橘の果皮や玉ねぎの皮などが心地よいアクセントに感じる程度に折り込まれている、また潮の香りとスモーキーなニュアンスを微かに。
みずみずしく明るい果実味には的確なバランスの酸味、微かな塩味は心地よいアクセント、余韻にほろ苦さと果実味の軽快な甘みあり購入価格からは想像できない素晴らしい充実のフィニッシュ。

タコわさびの余韻にワインをひと口。わさびの爽やかな香りと刺激的な辛味、弾力のあるタコに咀嚼を重ねながらじんわりと広がる旨味に、ワインの力強い柑橘香、潮の香り、ほろ苦い余韻がドンピシャ。タコわさ専用ワインに認定したい。ビール、日本酒もよいが、タコわさにヴェルディッキオも素晴らしい。一本千円台のヴェルディッキオも多いので気軽に合わせたい。
相性: ★★★★★

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