見出し画像

サバカリー缶詰 潮風香るヴェルディッキオ

サバカリー 本格麻辣仕立て。

1929年創業、静岡に本社を置き水産缶詰、果実缶詰等を事業とする清水食品と、カレー界の大御所新宿中村屋の共同開発による本格カリー味のサバ缶詰だ。"目利きのプロが厳選した国内水揚げのサバを使用しています。ココナッツミルクを加えたマイルドな味わいのインドカリー仕立て"との商品紹介は魅力的なワードが溢れる。

私にとって長期の海外出張に味噌汁のレトルトや缶詰は必須アイテムだ。毎食異国情緒溢れるものを食べているとさすがに飽きてきてしまう。そして物価も高く、何の気なしにランチをオーダーすると2,000円超なんてこともざらだ。
この日の夜の食事のお伴はサバカリー缶詰とインスタント味噌汁 (ちなみに味噌汁にも水煮の鯖缶を投入してしまった。あぁ、日本から持参した貴重な残り少ない缶詰を一晩に二つ開けるなんて、なんという贅沢…!) 。

合わせるワインは先日開けたイタリア マルケ州のものを続ける。生産者はサルタレッリ。

サルタレッリ、ヴェルディッキオ・ディ・カステリ・ディ・イエジ・クラシコ 1,759円
SARTARELLI, Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico, Italy
青リンゴ、白桃がトップに、続いてグレープフルーツの柑橘に微かに柑橘の果皮や玉ねぎの皮などが心地よいアクセントに感じる程度に折り込まれている、また潮の香りとスモーキーなニュアンスを微かに。
みずみずしく明るい果実味には的確なバランスの酸味、微かな塩味は心地よいアクセント、余韻にほろ苦さと果実味の軽快な甘みあり購入価格からは想像できない素晴らしい充実のフィニッシュ。

ワインに本日の献立を合わせる。
カレーとあるが、辛そうなオイル分の見た目が強烈だ。

缶詰を開けてまずは匂いを嗅いでみると、カレーと麻辣、インドと中国のスパイスの王様の強烈な存在感だ。さすがに負けてしまうかなと思いきや、サバの旨味パワーも負けていない。サバはやや濃いめの下味のようで凝縮感もある。インドと中国のスパイスの覇王の海に揉まれながらも、サバの旨味、脂の存在感を確かに感じる。

そこにワインを差し込むと、やや押されながらもその果実味も負けていない。特にワインに含まれる塩味のニュアンスがスパイスとサバの旨味に絶妙に繋がり、三”味”一体のデルタアタックに口内の幸福度はクライマックスに。口に残る余韻にはどうしてもスパイス感が強いがとても楽しいペアリング。この缶詰にはスパイスに包容力のあるジョージアのオレンジワインとも合わせてみても面白そうだ。この缶詰、非常にクオリティが高いので、休肝日にはライスにのっけて食べたい。
相性: ★★★★☆

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?