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サーモンのキッシュ トスカーナのフードフレンドリー白ワイン ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ

前話に続き、自宅でのクリスマスディナー。
ワインとの相性がなかなか手強かったホタテの香草焼きに続くのはサーモンのキッシュ。

料理してくれた妻の話では炊飯器を使ってオーブンを使わずに手軽にできるようだ。パイ生地で外側を包むと、モチモチとサクサクの食感が楽しい。今回はサーモンを使ったが、具材を調整すればキッシュはほぼどんな白ワインとでも相性は良さそうだ。パイ生地の酵母の香りはワインのそれと繋がり、サクサクとした食感のあとに覚える口内の渇きはワインを求める。
キッシュはフランス アルザス・ロレーヌ地方の郷土料理。アルザスのリースリングあたりに合わせるのがお手本かもしれないが、イタリア アブルッツォ州のスパークリングワインと、トスカーナ州で親しまれるカジュアルな白ワインに合わせてみた。

ファルネーゼ, ファンティーニ・スプマンテ キュヴェ, イタリア, アブルッツオ, 12%, 2,112円 
Farnese, Fantini Cuvee, 

輝かしい一粒のスワロフスキのクリスタルがエチケットに。

ココッチオーラというなんともかわいらしい名前のブドウで造られる。プーリア州が原産とされる地場品種だ。白ワイン向けにブレンド補助品種として用いられることが多いが、スパークリングワインには単体で用いられることも。
香りには青リンゴ、メロンにパッションフルーツ、パイナップルのニュアンスも、果実香は力強い、白い花のフラワリーなフレーバー、開放的な果実香を軽く引き締めるハーバルなタッチ。
風味には柔らかい甘みを伴うジューシーな果実味、酸味は中庸、ほろ苦さやミネラルのニュアンスに富む。カジュアルでチャーミングなスタイルながらバランスに優れる一本。
サーモンのキッシュに合わせる。タマゴの膨らみとコク、サーモンの塩気、サクサクとしたパイ生地に、スプマンテの厚みありかつチャーミングな果実味が絶妙に調和。相性: ★★★★☆ 
 
ファルキーニ, ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ, アブヴィネア ドーニ, イタリア, トスカーナ, 2019, 13.5%, 2,541円 
FALCHINI, Vernaccia di San Gimignano DOCG, ABVINEA DONI 

古くからイタリアを代表する白ワイン、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ。ファルキーニ社はその優れた生産者として知られる。「アブヴィネア・ドーニ」とは、ラテン語で 「畑からの贈り物」 という意味。ヴェルナッチャ品種100%で造られる。
香りにはリンゴのコンポート、微かに蜜漬けの花梨、樽の甘やかな香り、微かにシナモンのニュアンス。
風味のファーストアタックにはやや力のある果実味があたるがすぐにすっと軽くなる、ほろ苦さやミネラルのニュアンスに富む、樽などの醸造由来の要素に果実味の要素がやや追いついていない印象あり、もう少し熟成させて統合させると面白くなりそう。
サーモンのキッシュに。タマゴ、パイ生地により風味のボリュームがやや大きい料理にワインの樽香がバランス。サーモンの塩気とも素晴らしい調和。相性: ★★★★☆ 
 
続いてメインディッシュのビーフシチューにはボルドー メドックのシャス・スプリーン2013を合わせ、ほどよいボルドーワインの熟成感に浸りながらディナーを締めた。 

前菜からメインまでいろいろとワインに合わせたが、サーモンのキッシュにイタリア トスカーナ州のフードフレンドリーな白ワイン ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノとの相性が特に印象的だった。 

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